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2017-02-03

住宅地の中に取り残された宝石のような高塚山の森と古墳、開発業者による破壊の危機(西宮市)

熊森本部の足元で、信じられないような自然破壊と文化財破壊が行われようとしていることを知りました。

 

和歌山市に本社がある不動産屋<ヤマイチエステート株式会社>が、兵庫県西宮市と芦屋市の境にある高塚山(阪急夙川駅北西1㎞)を削平し、1戸建て住宅74戸と156世帯が入るマンション1棟に開発しようとしているのです。施工業者は、<熊谷組関西支社>です。

 

西宮市民として、毎日見るみどりの高塚山に、これまでどれだけ癒されてきたかしれません。古墳が3つもあることだし、この山は西宮市が良好な住宅地環境を保つために、保全してくれているのだろうと勝手に考えていました。そうしたら何と、個人の山で、不動産業者に売られてしまったのだそうです。

 

西宮市は何をしていたのか。個人の山ならいずれ売られる恐れがあるのに、なぜ市民のために買い取っておかなかったのかと、憤りを持ちました。「文教住宅都市」「環境学習都市」の名が泣きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそく、高塚山のことを調べてみました。

 

高塚山(兵庫県西宮市高塚町)

東西200m、南北200m、高さ77m。約4ヘクタールの自然林で覆われ、千年の森と呼ばれている。イノシシ、タヌキ、テン、ヘビをはじめ、さまざまな野鳥が生息。

6~7世紀に築造された横穴式石室構造の高塚古墳群がある。西宮市が、2016年に半分だけ発掘調査をしたところ、埋葬品がいろいろ出てきた。夙川(しゅくがわ)流域を本拠地とした有力氏族の古墳群で、詳しいことは不明。

高塚山には活断層である甲陽断層が走っており、断層面が見れる場所として有名である。

 

(熊森から)

高塚山を壊そうとする人がいるなんて信じられません。和歌山の開発業者だということです。さすが郷土愛など全くないわけで、もうかればなんでもするということなのでしょうか。

あわてて西宮市役所担当課に行くと、市街化調整区域ではないので、もう開発許可を降ろした。環境アセスメントが義務付けられる広さではないので、生物調査はしていない。第一、予算がない。古墳はつぶしてもらって良いということでした。

高塚山を破壊するなんて、バチがあたると思いました。

どうしたものかと思っていたところ、この開発計画について、2月11日にシンポジウムが開かれることを知りました。

この地域には熊森会員も多くいます。西宮市民のみなさん、芦屋市民のみなさん、この地域のすばらしい住環境、高塚山の自然を子や孫に残すため、2月11日のシンポジウムに参加しませんか。自然保護団体としての日本熊森協会からの呼びかけです。

ヒグマ冬眠穴の横にハンターが立ちチェンソー伐採、飛び出してきた母熊を射殺、穴に新生児熊3頭

以下、1月30日テレ朝ニュースより

 

北海道の新冠町で生後一月に満たないとみられるクマの赤ちゃんが3頭見つかり、保護されました。

 

 

 

 

 

 

 

1月28日、新冠町の山林で木の伐採をしていた男性が近くの穴から出てきたクマを見つけて駆除しました。

その後、穴の中から鳴き声がしたため、穴の中を探したところ、3頭の子グマが見つかりました。

いずれも生後1カ月未満の生まれたばかりの個体とみられます。

子グマは「のぼりべつクマ牧場」が引き取ることに決まり、育児経験のある雌グマに育てさせるか人工での飼育も検討しているということです。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000093266.html

以上。

 

 

ひどい事件です。熊森本部や支部が役場に電話をして、詳細を聞いてみました。

 

熊森本部の聞き取り報告

(電話をしたところ) 新冠町役場 産業課 林務班

新冠町の山中で6~7人で木をチェンソーで伐採する作業をしていた。

作業員のひとりが、現場近くにヒグマの冬ごもり穴を発見。

作業員の中のハンターが、穴からクマが出てこないか監視していると、穴から母グマが飛び出してきたので危険と判断し、銃で射殺した(有害捕獲ではなく狩猟として対応)。

その後、冬眠穴から鳴き声が聞こえてきたのでのぞいてみると、生まれたばかりのコグマが3頭いた。

ハンターが連れ帰って、警察や振興局に相談しにいった。

登別クマ牧場が引き取ってくれることになった。

 

熊森から

これはもはや事件というより、犯罪です。

母グマは、外界で人間が立てるチェンソーの大きな音に恐怖を感じ、穴から飛び出したのです。

飛び出してくることが予測されるから、ハンターは穴の前で銃を持って構えていたのでしょう。

ヒグマの冬眠穴があることがわかったら、そこでは伐採作業をすべきではないなど、小学生でもわかる人の道です。

ヒグマの冬ごもり期間中に木を伐採するなら、秋の時点でそのあたりでヒグマが冬眠しないように忌避剤をまいておくなど、人道的な準備が必要です。

新冠町担当者に、クマの冬ごもり穴を発見した時点で、作業を中止すべきであったと、山林伐採業者に指導していただけるようお願いしました。

狩猟は全て残酷ですが、その中でも穴熊を撃つのは、特に卑劣だと思います。

新生児グマを見て見殺しにできなかったハンターの心に、少しはホッとするものを感じましたが、それにしても後味の悪いひどい話でした。

 

 

 

 

真実に気づく目を ハンターを増やしても、シカやイノシシを全頭殺しても、日本の農業は守れない 

以下、FNNニュースより

ジビエ料理とともに、政府・与党の結束を

 

 

 

 

 

 

 

菅官房長官は「安倍政権は、まさに農業が重要な柱であるという思いで、一生懸命に頑張っている」と述べた。
自民党の二階幹事長は「鳥獣被害にどう対応するか、結果を出していくことが、政治は大事だ」と述べた。
「ジビエを食べて中山間地を守ろう」と題された、自民党本部前のイベントには、政府・与党の関係者が顔をそろえた。
国内では、野生動物の繁殖で、野山が荒らされる被害が相次ぐ一方、こうした野生動物をとらえる狩猟の担い手が不足していることも、大きな課題となっている。

 

(くまもりから)

与党政治家のみなさんは、かしこい方でいっぱいなのに、野生動物が野山を荒らしているなどという嘘情報を、本当に信じておられるのでしょうか。誰よりも野山を荒らしてきたのは人間です。

 

兵庫県の人工林(赤色部分)、ゴルフ場(みどり◎)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジビエ料理を推進したら、中山間地を守れるなどと、本気で思っておられるのでしょうか。

 

農業は国民にとって、何よりも大切な産業です。

田畑を野生動物から守る被害防止対策は確かに必要で、大いにやらねばなりません。しかし、日本の農業が成り立たなくなったのは、工業立国をめざす国策や食料生産のグローバル化が原因であり、ハンターを山ほど増やしても、シカやイノシシを全頭殺し尽くしても、今の産業構造が変わらない限り、日本の農業は成り立ちません。

 

メディアのみなさんも、かしこい方でいっぱいなのに、誰に頼まれたのか、子どもでもわかるようなこのような嘘を、毎日毎日流し続けておられます。

本当に真実を見る目を失われてしまったのか、または、意図的に強者の論理である嘘情報を流しておられるのか、どちらかでしょう。

 

うまくいかないことを、物言えぬ野生動物たちのせいにすることだけでも人間罪深いのに、彼らを大量殺害することまでやる。

こんなことをしていたら、いずれ人間、天に罰せられることでしょう。

 

政治家のみなさんはもちろん、国民のみなさんには、真実に気づく目を持ってほしいものです。

 

 

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