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2017-01

本部 2017年初「生きものの森」活動は、「とよ」の獣舎まわりの環境整備としての竹林伐採

熊森本部には、会員たちがボランティアで森林整備に汗を流す「生きものの森」活動(通称「生き森」)があります。

1月29日(日)に、今年最初の活動を、保護飼育中のツキノワグマの「とよ」の獣舎がある大阪府豊能町高代寺で実施しました。

獣舎周辺には現在、竹藪が密生しています。

以前、この竹林がまだ繁茂していなかった時は、今、「とよ」の獣舎のある場所から、妙見山が展望できたそうです。

この竹藪は景観上悪い上、夏、やぶ蚊が発生する原因にもなっており、竹を伐採して獣舎周辺の環境整備を行うことになりました。

かつてはこの向こうに妙見山が見えたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のメンバーは、本部スタッフ1名と会員ボランティア4名。

4名の方の内訳は、長年くまもりのフィールド活動に参加してくださっているベテランの方、久しぶりに参加してくださった方、昨年入会してすぐに活動に参加してくださった方、その方が誘ってくださったご友人の方と、なかなか楽しい顔合わせでした。

竹伐採用のノコギリもあるそうですが、今回は普通のノコギリで伐りました。

スギの木を伐るのとは違って、竹は誰でも楽に伐れるのでみなさん楽しんで作業されていました。

 

伐採した竹はきちんと並べて整理します

 

 

 

 

 

 

 

 

初参加者も大活躍

 

 

 

 

 

 

竹林伐採前

竹林伐採後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記念写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チェンソーで伐採すればもっとはやくできるのですが、音がうるさくて「とよ」が冬籠りからさめるとかわいそうなので、今回はノコギリでの作業となりました。少し心配したのですが、とよは冬籠りしている寝室から出て来ませんでした。今回の作業は、冬籠りの邪魔にはならなかったようです。

 

現在熊森本部には職員がいますが、本来、くまもりはボランティア団体です。

本部「生きものの森」活動では、多くの会員ボランティアを募集しています。

活動予定は会報やメールでご案内しております。

メールアドレスの登録がまだの人は本部にお知らせください。

よろしくお願いします!

 

講演会「ツキノワグマと人との共存のために」最終案内

・東京クマ学講座「ツキノワグマと人との共存のために」が明日1月29日に開催されます。

まだ席がありますので、ぜひご参加ください。参加者募集中です!

チラシはこちら

クマ学講座「ツキノワグマと人との共存のために」

日時:2017年1月29日(日)
開演13:25〜16:15(開場:13:00)
場所:日本教育会館一ツ橋ホール707号室
(東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2)
主催:日本熊森協会 東京都支部・神奈川県支部
資料代:500円
定員:100名
講師:山﨑晃司氏(東京農業大学教授)
「東京、そして日本のツキノワグマのいま」

森山まり子(日本熊森協会会長)
「日本熊森協会とツキノワグマ」

講演会後、会員の懇親会を予定しています。

申し込みは下記まで
メール:kumamori.tokyo.kwsk@gmail.com(東京都支部)
電話:0798-22-4190 (本部)
Fax:0798-22-4196 (本部)
当日参加も歓迎します。

1月18日 15年連続実施!尼崎市の小学校でくまもり環境教育

 

くまもり環境教育部は、毎年、こちらの小学校で授業をさせてもらっています。

感謝の心を込めて、今年も、森や動物を守ることの大切さがわかる授業を実施させていただきました。

 

5年生。

イースター島がたどった悲惨な歴史をベースに、森を失えば人間も生きていけないことを学ぶ授業です。

さすが5年生。私たちの話に静かに耳を傾けてくれ、私たちが質問すると的確に答えてくれました。

世界の森の減少量と減少速度には、驚きの声が上がりました。

日本の水源の森は大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に1年生。

クマの食べ物クイズや紙芝居を通して、森が動物にとって、なくてはならない存在であることを学んでもらいます。

食べ物クイズでは、「クマはサルを食べるかなー?」ときくと、ほとんどの子が「食べなーい!」。クマが植物食中心であることは、よく知っていました。

クイズ中は元気いっぱいでしたが、カキの実を採りに行って有害駆除されたクマの親子の紙芝居では、涙を浮かべながら真剣な表情で見入っていました。

みんな素直で優しい子どもたちでした。

クマってどんな食べ物を食べるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日の最後は3年生。

自然の森と人工林を、「動物」「土」「水」「建材」の4つの観点で比較しながら見ていくプログラムです。

「スギの葉はツンツンして、さわると痛い!」(室内に実物を持ち込む)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業を通して子供たちにどのような意識変化が起きているのか調べるために、授業の前と後で、簡単なアンケートを実施させていただきました。

 

大きな意識変化が見られたのは次の2点でした。

 

①動物のすむ森は、人間にも必要ですか?

(授業前) 「必要でない」が多い。 → (授業後) 「必要」が増える。

 

②自然の森を作っているのは誰ですか?

(授業前) 自然、人間    → (授業後) 自然、人間、獣、鳥、いろいろな生き物

 

今後も、生きとし生けるものに畏敬の念を持ち、この国で全ての生き物と共存してきた祖先のすばらしい文化を、子供たちに伝えていきたいと思います。

 

関係者の皆様、お世話になりました。本当にありがとうございました。

 

 

 

今年は、小学校を中心に、森や動物の大切さを広めていきたいと思っています。

これからもよろしくお願いいたします。(SY)

鳥取県は狩猟ではなく、棲み分け(=ゾーニング)推進でクマに対応する方針

以下、日本海新聞2017年1月22日より

2ゾーン化しクマ被害対策 県が鳥獣保護素案

鳥取県は、野生鳥獣保護・管理事業計画の改定素案をまとめた。ツキノワグマに関して新たに導入するゾーニング区分の境界は、市街地や集落から「見渡せる程度の尾根、谷に囲まれた範囲」とし、人家や農耕地からおおむね200メートルを目安にする。本年度末までの改定を目指す。

 

素案によると、人の生活圏とクマの生息域の二つのゾーンで、それぞれに応じた対策を講じる。

 

人の生活圏では被害を抑えるため捕獲の強化や電気柵の設置、追い払いを行う。クマの生息域では保護を優先し、対策は入山者への注意喚起など最小限にとどめる。

 

有害捕獲は基本的に行わないが、イノシシなどのわなに誤ってかかり、被害の恐れが高いクマは殺処分も選択肢とする。このほかゾーニングの境界付近に「緩衝地帯」を設け、森林の植生回復などクマの生息環境を整備する方針も盛り込んだ。

 

(熊森から)

 

同じ東中国ツキノワグマ個体群を抱えて隣接する兵庫県と鳥取県。

鳥取県の対応の冷静さ、人間としての倫理観。この違いはどこからくるのだろうか。

兵庫県の鳥獣対策を動かしているのは、兵庫県森林動物研究センター。センターに問題があるとしか思えない。

 

<クマの生息域 ・緩衝地帯・人の生活圏>

クマを保護対象として3つのゾーンに分けて共存する策は、私たち祖先がこの国で長年成功してきたクマ対応です。西洋型ワイルドライフ・マネジメントなど、この国の自然や国民感情、日本文化に合わないし、自然界が人間の頭でとらえられないものであることを考えるなら、科学的でも計画的でもありません。

 

この方法だと、大変な予算を使って毎年クマ生息数を推定する必要などなくなります。

今年は何頭殺そうかなどと、数字にこだわってクマ殺害の数合わせゲームをする必要もなくなります。

クマの生息域に、その年のクマの生息痕跡が十分あることを確認したら、もうあとはほっておけばいいのです。

 

ただし、この政策を実行するには、クマの生息域に、クマが棲めるだけの広大で豊かな森が残っていることが前提です。鳥取県には、兵庫県・岡山県と同様、そのような森は残っていません。

 

この新聞記事で読む限りは、森林の植生回復などクマの生息環境を整備するとあるので、本当にやっていただけるならすばらしいと思います。くまもりも大いに協力したいです。

 

シカ・イノシシわなに米ぬかを使わないようにしないと、クマ大量誤捕獲につながりますから、その点は、注意していただきたいです。この点には、くまもりとして、不安が残ります。

 

スポーツやレジャーとしてのクマ狩猟を一般ハンターに依頼してクマ対策とするやり方は、半矢グマを生み、人身事故が起き、必ず失敗します。

 

鳥取県の、棲み分けてクマと共存という、人間性を失わない先進的な取り組みが全国に広まっていくように願います。

一面的な現象だけ見て間違った国策にひっかかる大学生たちを憂う 大学で狩猟サークル相次ぎ誕生?

全国各地の大学で狩猟サークル相次ぎ誕生 

       “農村の危機”立ち向かう若きハンター

・(((1月23日産経新聞記事より)

各地の大学で狩猟サークルが相次いで誕生している。高齢化が進み、ハンターが減少するなか、イノシシやシカなどの野生動物による農作物被害が拡大していることが背景にあるという。サークルはこうした問題を打開するためで、若者たちが“農村の危機”に立ち向かっている。(以下記事、略)

(熊森から)

シカ・イノシシを殺して、“農村の危機”が救えるものか!

学生をあおるような書き方であり、この記事に不快感を覚えるが、本当に全国各地の大学で狩猟サークルが誕生しているのだろうか。

若者をハンターにというのは、残念ながら狩猟派が動かしている現環境省のまちがった国策「すごいアウトドア 若者よハンターになれ」です。大学生なんだから、シカ・イノシシを全部殺してみたところで、産業構造を変えない限り“農村の危機”など救えないことに、自分の頭でよく考えて、早晩気付いてほしいものです。

シカ・イノシシも、殺すのではなく、大変であっても、被害防除対策によりこの国で共存していくべきです。クマ・サル・シカ・イノシシを害獣視するのはとんでもないまちがいです。彼らがいて日本の自然があり、私たち人間はその自然に生かされているに過ぎない動物です。食べ物に困っているわけでもないのに殺生することは、人間を不幸にします。

人間よ、傲慢にならず、自然界に感謝せよ!

ツキノワグマ狩猟継続へ 兵庫県、17年度も 神戸新聞1月21日記事より

兵庫県が、2016年度に20年ぶりに解禁したツキノワグマの狩猟を、17年度も認める方針であることが分かった。生息個体数が高止まりし、16年度は餌となるドングリ類の不作の影響などで、4~12月の出没情報は973件と15年度の約2倍に上る。人身被害も県内で5年ぶりに起き、住民の安全確保のため必要と判断した。

 

ツキノワグマは県内で絶滅の恐れがあるとして、県が1996年度に狩猟を禁止。その後、生息個体数が増え、2015年には、県の保護管理計画で解禁基準とする800頭を超えて約940頭に上った。このため県は16年11月15日~12月14日の1カ月間、1人1頭に限り狩猟を認めた。

 

県は16年度中に今後5年間の方針を定めた管理計画を新たに策定するが、800頭以上という解禁基準は変えない方針。今回の狩猟期間中に仕留められたのは4頭にとどまり、16年の推定生息数は発表されていないが、800頭以上になるのが確実となっている。

 

ツキノワグマを巡っては、16年10月に宍粟市で男性が襲われて重傷を負うなど、16年度の県内の人身被害は3件に。北播磨地域で15年度の10倍を超える出没情報が寄せられるなど、以前はあまり姿を見せなかった地域でも目撃されている。

 

17年度は、これまで集落内に仕掛けていたわなを集落周辺の裏山に広げるなど、狩猟以外の対策も強化する方針。

 

(熊森より)

兵庫県は、クマの件で、あまりにも意固地で感情的になり過ぎていると感じます。

1月26日に予定されている兵庫県環境審議会鳥獣部会の審議も、3月2日に予定されている野生動物保護管理運営協議会の協議も

まだなのに、もう結論を先に報道して、世論を形成する。おかしいです。狩猟再開の時も、同じことをされました。

熊森は、このような県やマスコミの姿勢に対して、残念の一言です。

 

兵庫県がめざしたクマ狩猟の非常識

兵庫県がめざしたクマ狩猟は、以下のグラフのように、940頭に爆発増加した県内のクマを140頭狩猟して、環境省が安定個体群とする800頭に低減させるというものでした。クマがたくさんいる北海道や東北、長野でも、そこまでの数は狩猟できていません。兵庫県の棒グラフの赤色は、狩猟実績です。

その上兵庫県は、環境省が安定個体群としているのは成獣800頭なのに、成獣という文字を見落とされていたようです。熊森が昨年度、兵庫県のクマ数が兵庫県が言うようにたとえ940頭いたとしても、成獣は800頭もいないので、狩猟再開はできないはずだと指摘しました。しかし、これについて納得する回答をいただけていません。環境省のガイドラインは守って欲しいです。

 

 

 

熊森本部 来年度のクマ猟中止を兵庫県に要望 産経新聞1月18日記事より

■自然保護団体、来年度のクマ猟中止を県に要望

・・(兵庫)県が昨年11月15日から1か月限定でツキノワグマの狩猟を解禁したのを受け、西宮市の自然保護団体「日本熊森協会」は、県に来年度の狩猟を行わないよう求める要望書を提出しました。

・・県は平成8年度以降、絶滅の恐れがあるとしてクマを保護してきたが、頭数増加で集落への出没などの影響が懸念されるとして20年ぶりに狩猟を解禁。期間中に4頭が捕獲された。

・・同協会は、「同時期の目撃情報は毎年減っており、効果はなかった」と指摘。「クマが増えたとする県の推定生息数は間違っており、狩猟は中止にすべき」と訴えた。

 

(熊森から)

1月13日、クマ狩猟再開結果をどう見るか、兵庫県担当者と熊森本部との意見交換の場を県に持っていただきました。

狩猟結果4頭から、狩猟再開には何の意味もなかったことと、これまで兵庫県のクマが940頭に爆発増加と発表してきた県の(森林動物研究センターの)クマ生息推定数があまりにも過大推定で間違っていたことが、はっきり証明されたと思います。

そもそも、生息数推定に用いられたベイズ推定法というものは、知る人ぞ知る、初めに結論ありきで、推定値はいかようにも捏造できるものなのです。

しかし、森林動物研究センターの研究員から渡された過大推定データを信じて誤った政策を立ててしまったと兵庫県庁の担当者たちが気づいたとしても、県担当者にもメンツがあるでしょうから、失敗したことは認めたくないはずです。当協会は熊森の見解は見解として述べながら、クマ狩猟再開結果を県がどう評価されたのか、私たちなりに県を傷つけないよう遠慮しながらたずねてみました。

県は狩猟再開はクマを山に押し返す効果があったと評価されていましたが、苦しそうに見えました。4頭しか狩猟できなかったことについて、クマ狩猟の許可を得た140人にアンケートを取られている最中だそうです。それを見ないとわからないということで、アンケート結果が出たら、私たちもぜひ見せていただきたいです。

 

ブログからFB・Twitterへの連携を復旧しました

ブログの記事がFB・Twitterに流れなくなっていた件を復旧させました。

かなり以前に設定されていたので、どのようにSNSと連携しているのかわからず、しばらく手を付けかねていました。

いつも熊森のインターネット関係でお世話になっているI氏より、Wordpressのプラグインが古く、更新されなくなったことが原因ではないかというアドバイスを受けました。そこでプラグインのWordbookerを削除し、Facebook By WebLizarをインストールしてみました。登録にかなりてこずりましたが、インストールしブログの表題だけがFB・Twitterに流れるようになりました。ところが記事のリンクが表示されません。

会報の編集時期に入りそのままにしていましたら、電話やメールで、このままでは情報発信に不都合だというご指摘を受けました。ご心配をおかけしました。

 

 

1月になり、腰をすえて取り組むことにしました。

WordPressの連携用プラグインをすべて削除、FBとTwitterの連携に関係すると思われるアプリもすべて削除しました。数種類あって、現在では更新が停止している古いものもありました。

次にdlvr.itというブログの記事を連携させるサービスを登録し、くまもりNewsからFBとTwitterへ記事が流れるようにしました。

設定の仕方はここを参考にしました。

dlvr.it : ブログの更新情報をFacebookのページやTwitterに自動投稿してくれるサービス。非常に簡単そして便利。

ブログのURLと連携先のSNSを選ぶだけですので、設定は非常に簡単でした。

無料版ではブログから1つのSNSにしか連携できないことだけがネックでした。

 

 

Twitterのアカウントが2つあるので、もう1つはWordpressから連携させることにしました。

プラグインは多数ありますが、最もポピュラーなWP to Twitterを使うことにしました。

設定はここを参考にしました。

WP to Twitterプラグインの使い方

WordPress4.71での動作は確認されていないと表示されましたが、無事に動作しました。

設定は少し面倒でした。ブログのURLに日本語が含まれていて途中で切れてしまうことは短縮URLを使うことで回避できました。

1月21日に、FBと2つのTwitterアカウントでの連携を確認しました。

長い間お待たせして、ご迷惑をかけました。U

 

環境省特定鳥獣保護・管理計画(クマ類編)ガイドライン に対する熊森の主な見解パブコメ その2

人間に把握不可能な生息推定数にこだわり過ぎないこと

p13-9 生息数が回復・増加した県が多く→必ずしも、そうとは言えない。

人工林の放置、ナラ枯れや下層植生の消失による自然林の劣化、進む奥山道路開発などによって、クマ本来の生息地の環境は悪化する一方である。

兵庫県のように、クマが食料を求めて生息域を過疎化高齢化した集落に移動させてきた場合、目撃数や捕獲数が飛躍的に増加して、一見クマ数が爆発増加したように見える。しかし、実際の生息数が増えたかどうかは別である。集落近くに集まり潜むクマは有害捕殺対象となりやすく、安定した生息とは言えない。

 

 

棲み分け(ゾーニング管理)の義務化

p13-27棲み分け(ゾーニング管理)が重要である→◎まさに、この通りである。

隣接市町村担当部署や学校をはじめ、農林・河川・土木など各部署が連絡を取り合って、祖先がしていたような棲み分け共存を取り戻さねばならない。クマ対応は、これに尽きる。

今回のガイドラインが絵に描いた餅にならないように、環境省は都道府県に、都道府県は市町村に、ゾーニング地図を作成して提出するよう義務付けるべきである。またこのゾーニング地図は、広く人々にも広報して周知徹底させなければならない。クマに対しては、都道府県や民間の支援を得て、電気柵や、草刈、犬などによる追い払いでゾーニングを認知させる必要がある。

 

他生物の生命も尊重すべき、はじめに捕殺ありきはおかしい

p19-11ツキノワグマの自然増加率→自然増減率とすべき。人間以外に増加し続ける一方の動物など存在しない。個体数が減少に転じた場合は捕獲上限割合を下げるとあるが、捕獲をやめるべきである。

p28-月別捕獲実績→捕獲か捕殺かはっきりさせること。捕殺なら、実績ではなく実数と表現すべき。クマなどの野生鳥獣は水源の森に必要であり、有害視する言葉は使わないこと。

p30-24狩猟・個体数調整により出没の抑制を図る→人間活動を優先する地域の周辺においても可能な限り、「保護捕獲して山奥へ放獣」すべきである。捕殺してしまえば、ゾーニングを学び身に付けたクマを誕生させることができない。

 

生息地の保護整備に数値目標を掲げること

p31-2生息地管理は重要→掛け声だけに終わらないよう、人工林率を下げるためなど、数値目標が必要。また、コア生息地は、奥山を中心としながらも海に至るまでの幅を持った地域が必要で、可能な限り人間が入り込めないような措置を取るべきである。

p54-18・19コア生息地においてクマ類の密度が十分に担保されているか→賛同。棲み分けを成功させるには、コア生息地がクマの生存を保証できる状態でなければならない。

p59-10堅果類の豊凶データ→春の山菜、夏の昆虫、臆病なクマが身を隠せる下層植生の有無、冬の冬ごもり用穴など、生息に必要な様々なデータが必要である。クマは秋の堅果類だけでは生き残れない。

 

主な点は、以上です。

環境省募集(パブリックコメント)

特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類)改訂案

平成 28 年2月 環境省主催  クマ類保護及び管理に関する検討会 議事概要

 意見募集要項

 

パブリックコメントの締め切りは1月25日です。

環境省特定鳥獣保護・管理計画(クマ類編)ガイドライン に対する熊森の主な見解 その1

これからパブリックコメントを書かれる方のご参考にして頂ければ幸いです。

特定鳥獣保護・管理計画(クマ類編)

 

特定について

・野生鳥獣は、①豊かな自然環境の中で、②多種多様な無数の生物たちと網の目のように繫がりあって、絶妙のバランスの上に生存している。生態系まるごと見ていくことが大切であり、特定の鳥獣だけを取り出して問題を解決して行くことは不可能である。自然がどういうものかわかっていない。特定という言葉を外すべきである。

管理について

・「管理」という行政言葉は、銃や罠で殺して、野生鳥獣の生息数を人間の都合がいいようにコントロールする(=下げる)ことをさす。保護にしろ管理にしろ、人間が野生鳥獣の生息数をコントロールすることなど不可能であることを知るべきである。自然がどういうものかわかっていない。

「クマ類との共存計画」と表題を変えるべきである。

 

(1)クマ類の生息状況

p2-14 分布の拡大 → 分布域の最前線が人間の生活圏に近づいても、兵庫県のように、山に棲めなくなり、集落周辺に分布域を移動させてドーナツ化現象が起こしていることも考えられる。分布が拡大したと決めつけるべきではない。布の拡大または移動が考えられるとすべき。

p2-19四国のツキノワグマは、近年では10数頭しか確認されておらず、近未来、絶滅の危険性が極めて高い。→このように言われてから久しい。高知県と徳島県に任せておくだけでは、全く改善の兆しがみられないので、環境省が国家プロジェクトとして高知県や徳島県と共に絶滅回避に取り組むべき。

 

(2)捕獲動向

P4-2 狩猟獣→手負いのクマを生んでおり、人身事故の原因となっている。見直すべき。

P4-10 数年に一度の発生 → 2004年2006年2010年の3回あっただけで、数年に一度と決めつけられない。

 

(3)被害状況

1)農林業被害

P7-9森林被害 →事実誤認。クマは森造りの名人であり、森に被害を与えることは一切しない。具体的な中身を書くべき。スギの皮はぎを指すのなら、森林被害ではなく林業被害。クマは昔はスギの木の皮の片方しか剥がなかったので、スギを枯らすことはなかった。最近は全周の皮を剥いで、放置人工林のスギを間伐状態に枯らしている。これは放置人工林の荒廃を見かねたクマによる森造りのための無料間伐であり、林業的には被害かもしれないが、森林被害ではない。林業被害には被害防除対策が必要であり、現在も多額の補助金が使われている。広大な単一造林を生んだ森林政策の見直しが必要である。

 

3.ガイドライン改訂にあたっての課題

(1)ガイドライン改訂の背景

p10-7近年のクマ類の生息動向の変化やクマ類を取り巻く自然環境の変化、人間の社会状況の変化に伴い、

→ 最大の問題点は、クマ生息地に造り過ぎた人工林であり、明記すべきである。また、近年のクマ類の生息動向の変化・クマ類を取り巻く自然環境の変化・人間の社会状況の変化を並列に並べるのは間違っている。植え過ぎた人工林や、クマ類を取り巻く自然環境の変化・人間の社会状況の変化があって、クマ類の生息動向の変化が生じているのである。よってこの部分は、それぞれの中身も具体的に入れて、「植え過ぎた人工林や、近年のナラ枯れ、ブナのシイナ率の高まり、下層植生の消滅などクマ類を取り巻く自然環境の変化、過疎化・高齢化による地元の被害防除力の低下など人間の社会状況の変化に伴い、クマ類の生息動向の変化がみられるようになり」と、原因と結果が人々にはっきりわかるように書きなおすべきである。

 

誤捕獲グマ問題

p10-37錯誤捕獲の増加が懸念 → シカ・イノシシの多い所では、シカ・イノシシ用の捕獲罠が無制限数掛けられるようになり、箱罠の中の米糠の発酵臭にクマが誘引されたり、環境省の直径12センチ規制を緩和した直径20センチのくくり罠にクマの足がかかるなど、クマの誤捕獲数は、府県によっては恐るべき数に上っている。また、環境省の誤捕獲グマ放獣はまっとうな指針であるが、県によっては指針を無視して大量に殺処分しているところもあり、誤捕獲グマ問題は、クマ保全への脅威である。環境省は早急に実態を調査して、問題県が誤捕獲が起きない対策をとり、誤捕獲された場合は放獣するよう指導に乗り出すべきである。

 

1種2種問題

p11-8~12第1種保護、第2種管理の選択が必要→同一都道府県内でも場所によって生息状況はかなり違う。1種2種の二者択一的な分類は、四国のツキノワグマのようによほど極端な事態にならない限り、判定できない。自然界は個体群でとらえるべきで、人間が線引きした都道府県の行政ラインではとらえられない。また、著しく増加、著しく減少という表現も基準が曖昧で、原因を考えず生息数の変化だけ見て保護対象か管理(=捕殺)対象か判断してはならない。著しく増加したわけでもなく、著しく減少したわけでもないというところがほとんどなのに1種2種を選択せよというのは、あまりにも現実とかけ離れ過ぎている。それどころか、1種2種と決めつけてしまうことで思考停止が生まれ、今回の秋田県のように、うちはクマは第2種で管理対象だからどんどん捕殺すればいいのだとでもいう安易な捕殺推進体制を生む恐れがある。自然がどういうものかわかっていない。今後、1種2種の分類はやめるべきである。

 

 

 

 

 

フィード

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