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2017-02-16

2/16 兵庫県北部、5年に1度の大雪、くまもり雪かき隊、兵庫県南部より出動

午前8時、兵庫県南部西宮市に6名集合。天気晴れ。積雪ゼロ。

高速道路を使って一路北上。午前10時30分、兵庫県北部の雪国地帯に到着。

同じ兵庫県でも、冬の南部と北部は全く別の気候です。

 

 

主要道路は行政によって除雪されていますが、道路から民家の玄関までは、自分で除雪しなければなりません。

半分くらいは溶けたと言われていますが、まだまだたくさん雪が積もっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

現地到着

 

その1

この日は、カナダ人の会員も参加してくれました。さすが、雪かきには慣れておられます。

玄関に通じる道が開けられていきました。玄関の近くにシカの深い足跡がありました。

ここでうまく、食べ物を見つけられたのかどうか心配です。

雪かき+雪下ろし

 

その2

2軒目は、お世話になっている集落の老夫婦のおうちです。

道路に出るまでの私道の雪かきを行いました。距離が結構ありました。

力自慢の6名だから、みるみる作業が進んでいきましたが、雪が重くて固かったです。もし高齢者がするとなると大変だろうと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

私道が長い家

 

その3

3軒目のこの建物は、集まりに使う場所で、ふだんは使われていません。

どこから手を付けたらいいのかわからないほど雪に埋まっていました。

雪に埋もれている

 

スコップとママさんダンプで悪戦苦闘していると、地元の会員さんが除雪機を持ってきてくださいました。最近は結構多くの家がこの除雪機を購入しているということでした。

雪が飛び出す除雪機の威力にびっくり

 

さすが、機械はすごいです。誰がこんな物を考え出したのでしょうか。尊敬してしまいます。しかし、除雪機にも限界があって、固い雪、軒下、屋根の上などでは使えません。

玄関に至る道、開通

 

やっと、玄関に通じる道の雪かきが終了しました。3軒の雪かきをして、この日の作業を終えました。

 

地元の方に、雪下ろしは、雪の降っていない寒い朝にするもんだと教えていただきました。

今日のように晴れた暖かい日にすると、溶けた雪が落ちて来て危険なのだそうです。勉強になりました。今回、ケガもなく無事に終了できてよかったです。6名は、自分たちが社会のお役にたてたことに充実感を感じて、帰路につきました。天気予報が晴れだったのにサングラスを持って行かなかったので、雪焼けで今は目が少し痛いです。

 

雪かきボランティアのご登録を

本当に、兵庫県一つとってみても、南部と北部では不平等です。

南部の私たちは、雪に悩まされることもなく晴れた温かい冬を過ごし、飲み水は、北部の積もった雪がとけてしみこみ地下水となったものをふんだんに使わせてもらっています。南部には若い力も時間もあります。過疎化高齢化で困っている北部に雪かき応援に行くことは、双方にメリットがあります。

雪かきを手伝える方は、どうぞ熊森本部にお名前をご登録ください。次回、行くときにお声かけさせていただきます。

 

追記:狩猟について

帰り道、集落から山に向かって続いているスノーシューズの跡を見つけました。ハンターです。

本来、我が国の猟期は11月15日から2月15日までなのですが、シカとイノシシをもっと減らすためということで、猟期が3月15日まで延長されており、今もまだ猟期なのです。

この大雪で、野生動物たちは食料にもありつけず、人間以上に苦しんでいるはずです。今や人間は、有り余るまでに食料があるのですから、もう野生動物まで食べなくてもいいではないかと思うのですが。

人間が狩猟をしないと、野生動物たちが増え過ぎて困ったことになっていくという狩猟派の研究者たちがいます。本当なのでしょうか。証拠はあるのでしょうか。私たちはそのような説の根拠を知りません。

自然界は本来、絶妙のバランスがとれています。ある種だけが増えすぎることはないようになっています。(自然界から離れた人間だけは例外)

もし、現在、ある種が増えて大変なことになっているのなら、それは、自然界のバランスが崩れたからです。バランスを崩した犯人は、人間のはずです。

野生動物を取り除くのではなく、人間が行った自然界のバランスを崩す行為を取り除く方が王道だと熊森は思います。

みなさんはどう思われますか。

 

 

 

 

 

 

 

「クマが襲ってきた」発行:秋田魁新報社 

秋田県が平成28年度、478頭ものクマを駆除したことを知って、許せない思いがしていました。

こんなことになったのは、鹿角市でのクマによる死者4名事件に秋田県民が過剰反応した結果だろうと思いこんでいました。

当協会としては、事件当時、秋田県の行政や森林管理署に、連日、手当たり次第に電話をして、「ただちにタケノコ採りの入山禁止措置を!」と、お願いし続けた経緯があります。しかし、秋田側の動きは遅くて、そうこうしているうちに次々と死傷者が増えていきました。私たちには苦々しい思い出です。

 

秋田県会員から、秋田魁新報社が昨年末に「クマが襲ってきた」という本を出版したので読んでみてほしいという連絡が入った時、題を見て、またマスコミはクマを一方的に悪者にしているのかと、少し不愉快な思いになりました。

 

この度、熊森の理事から偶然この本が送られてきたので、読んでみました。そして、これまでの秋田の事件への自分の一方的な思いを深く反省しました。

やはり兵庫県から遠く離れた秋田の事です。自分ではわかったつもりになっていましたが、わかっていなかったことがたくさんありました。やはり現地の声を聞くことが大切です。

いろいろと教えられ、考えさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

秋田魁新報2016報道ファイル(さきがけブックレット)

 

題に関しては、読後も抵抗がありますが、内容は非常に誠実でよくできており、いい本です。もちろん、熊森としては、秋田県はクマを殺さない対応をもっと追求すべきだという思いは残りました。

 

感想が2つあります。

 

秋田の奥山の異変について

去年、秋田の集落に出てきたおびただしい数のクマや、クマを集落へ誘引した物については良くわかりました。しかし、これまでクマたちが棲んでいた秋田の山の状況が、今どうなっているのかの調査報告がありません。クマの行動に異変が起きたのなら、秋田の山にも異変が起きているのではないかと思えます。ミズナラが大量に枯れているとか、昆虫が消えているとか・・・。

集落側の過疎化高齢化がクマの出現を許しているという面はもちろんあると思いますが、クマ問題を考えるには、クマが出てきた場所や出てきたクマばかり見ていないで、クマがこれまで棲んでいた山に異変が起きていないか目を向ける必要があると思います。

 

「狩猟」効果について

人とクマとの棲み分けを復活させることは最重要ですが、そのために「現代狩猟」は必要でしょうか。疑問です。

クマが人間を怖いと思い、人間を避けるように仕向けるというのは、確かに必要だと思います。昔のマタギ的な「狩猟」なら、大勢の人間に追い掛け回されて逃げ終えたクマが人間を恐れるようになる効果はあったと思います。

しかし、今の銃には望遠鏡がついておりライフルの性能も飛躍的に発達しています。狩猟といっても、もはや人間はクマを追いかけず、クマが人間を人間と認識できないまでに遠く離れた所から100発百中でクマを撃つと以前聞いたことがあります。

クマにしたら、人間に狙われたことがわからないなら、人間を怖がることにつながりません。しかも、殺してしまったら、人間を恐れるクマは誕生しません。その上、棲み分けることが大事なのに、山奥にハンターが入ってきてクマを狩猟すれば、クマはどこにいたらいいのかわからなくなってしまいます。

もし、奥山に豊かな自然が残っていれば、ハンターが銃で脅しながら、クマを追い掛け回して奥山に追い上げることには意味があると思います。

「現代狩猟」の棲み分け効果について、国民的議論が必要だと思います。

 

<最後に>

鹿角の事故で79才のご主人を亡くされた女性が、「クマばり悪りと言われね。クマも命さもらってこの世さ来て、生きねばねえんだもの。じいさんとばったり会って、びっくりしたんだべ。かじるか引っ掻くかしかできねえ生き物だもの。クマも真剣だ。恨む気なんてないです」と答えておられるのを読んで、会いに行って手を取り合いたいほど、共感しました。必死に生きている生き物たちの身にもなって考えられる、このような自然観が、私たちの祖先の文化なのです。

 

秋田県鹿角市のクマによる死者4名事件に関心をお持ちの方は、ぜひ、ご一読されますようお勧めします。

秋田魁新報社のみなさん、これだけの本を作られるのは大変だったと思います。この本を作って下さったことに、心から感謝します。

日本にも、まだ、このようにまじめな本を作ってくださる記者さんたちがおられることを知って、うれしくなりました。

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