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2017-05-09

くまもり表彰第1号は、兵庫県宍粟市波賀町原集落のみなさんに

宍粟市波賀町原集落の周りの山々を久し振りに見にいって、12年前とまわりの風景がすっかり変わっているのに気づきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年4月2日のリンゴ園周辺航空写真:人工林部分がかなり除去されている。

 

 

ここには、幸福重信さんというすばらしいリーダーがおられました。

 

2004年秋、奥山の実りゼロという異常年に、どっと山からクマが出てきて、集落で経営している観光リンゴ園に残されたリンゴの実を全部食べてしまったことがあります。そのとき、みなさんは頭が真っ白になって、クマを殺してやろうと思ったそうですが、みんなでよくよく考えてみると、彼らの餌と知りながら、実のなる木を伐って山にスギばかり植えたのはわたしらや。クマこそ被害者。

後、何年生きられるかわからんけど、自分たちのしたことに責任とって死にたくなったということで、集落のみなさんの意見が一致。

 

「クマとの共存」を宣言され、以後、毎年、1ヘクタールずつスギの人工林を除去して自然林に戻していくことを約束してくださったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2004年、熊森と原観光リンゴ園が初めて手を結んだ時の記念すべき写真

 

 

熊森も、人工林除去後の裏山に実のなる木を植えるなど手伝いましたが、決めたことを本当に実行し続けた幸福重信さんと原の集落のみなさんは、ご立派です。

熊森はこれまで他団体を表彰したことなどありませんが、それなりに大きくなった今、他団体を表彰することも考えていくなら、第1号は、幸福重信さんと原の集落のみなさんです。

 

クマ狩猟再開や、ジビエ料理の普及など、うまいこと言って、自分たち人間が犯した罪を物言えぬ弱者である野生動物たちにかぶせて終わらせようとしている人たちがほとんどの中で、原集落のみなさんは、自分たち人間の犯した誤りを反省し、毎年みんなで汗水を流して人工林の自然林化にはげんで来られました。

 

すごいです。後に次ぐ集落が現れてほしいですね。

4月25日 春の自然林、人工林、原生林

4月25日、今まさに新芽が吹きだして「山笑う」状態の兵庫県南部の山を見ながら出発。

兵庫県北部の、まだ「山笑う前」の状態である山を見てきました。

1日1日、刻々と変化するこの時期の山の色や状態を、この地にとどまって見続けられたら楽しいだろうなと思いました。

人工林と広葉樹の2次林の林相の違いがはっきり分かる時期です。広葉樹林はこの時期赤っぽいです。もうすぐ新緑に覆われることでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人工林を伐採した場所がありました。内部が良く見えます。動物の餌になる物など、内部には本当に何もないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下写真の正面の逆3角形部分の針広混交林が、中国山地タイプの原生林で、巨木の森です。

延々と続く人工林地帯の中で残った原生林はこのあたりではここだけです。よくぞ残ってくれました。

何年か前までは、クマの生息地でしたが、今はもういないようです。トホホ。熊森会員の皆さんは理由をご存じだと思いますが、原生林内部の下層植生が消えてしまったのです。外から見ると今でもすばらしい原生林なのに、内部は信じられない荒廃ぶりのはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当は、原生林の中の写真も撮りに行きたかったのですが、夕方になってきたので今回は断念しました。クマたちは生きるためにずっと下の方へ移動していったと地元の方が教えてくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

4月25日、駆け足で植樹地の防鹿柵の立て直し

全国大会と支部長研修会を終えて、本部が一番に急ぎ取り組んだのは、未完了地域の植樹地の防鹿柵の立て直しです。

4月25日、さすがに、もう雪はとけているはずです。

今回はボランティアさんを集める暇がなく、内輪でやるしかないと、職員たちでとにかく奥地に飛び出しました。

道中、苗木がまだシカに食べられていませんようにと祈る思いでした。

ここは、ハイイヌガヤをシカから守っている柵です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良かった、まだハイイヌガヤは食べられていませんでした。さっそく柵を修理。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪で倒れた植樹地の防鹿柵を次々と立て直していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪はほとんど消えていました。

直径6センチの杭がボキッとあちこちで折れています。

斜面を滑り落ちる雪の力のすごさに驚きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒れている苗木を起こしては、防鹿柵の立て直し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の植樹地に移動です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地元の方が管理されている植樹地は、雪が少なかったのか管理がいいためか、金網柵が倒れていませんでした。

私たちが植えた苗木は順調に育っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ兵庫県の同じ町でも場所によって雪の影響は随分と違います。

 

この日取り組んだ場所の苗木は、どこもまだシカにあまり食べられておらず、何とかセーフでした。

今年のような大雪年、どうしたら、豪雪地帯、シカ高密度、急斜面の3条件がそろった植樹地で防鹿柵が持つか。

今後本気で考えていかなければならないと思いました。

今回で、熊森本部の各地植樹地の防鹿柵の立て直しはすべて完了しました。

 

これまで植樹に参加してくださった皆さん、春の防鹿柵の立て直し、一応やれるだけはなんとかやりましたのでご報告申し上げます。

 

 

 

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