くまもりHOMEへ

くまもりNews

第5回日本奥山学会研究発表会 参加者募集中

<記念講演> 目からうろこのすごい内容です。

森林保全を願うみなさん必聴でーす!

 

「多種共存の森―その仕組みとめぐみー」

天然林では何故多くの種が共存しているのか?

東北大学大学院 農学研究科教授 清和研二氏 

1954年山形県生まれ 北海道大学卒

 

研究発表 3つ

 

みなさん、ぜひ、ご参加ください。

 

2016710(日)13時~17
場所:
関西学院大学 法科大学院 講義室

(兵庫県西宮市上ケ原一番町1155 )甲東園駅徒歩12

定員:80(要、事前申し込み)当日 090-3288-4190

参加費:500円 *日本奥山学会員、学生は無料

主催・お申込先:日本奥山学会 (熊森本部内)
TEL:0798-22-4190 FAX: 0798-22-4196 
contact@okuyama-society.org

毎日新聞全国版に戦後の国の分収造林政策の失敗を明らかにした熊森の記事 6月10日朝刊<トラスト運動>企業買収で自然林回復 滋賀の保護団体

毎日新聞6月10日(金)7時30分
DSC04736

日本熊森協会滋賀県支部が買収した企業所有の森林。手入れが不十分で、荒廃が進んでいる=同支部提供

豊かな自然林を取り戻そうと、自然保護団体「日本熊森協会」滋賀県支部が滋賀県高島市朽木の山林(211ヘクタール)を所有する企業を買収し、森林保護に乗り出す。国が森林所有者などと実施してきた「分収造林地」事業の失敗で、森林の荒廃が進んだことを受けた措置。立ち木や土地を市民が買い取り、自然保護を進める「トラスト運動」は各地であるが、自然保護団体が企業を買い取るトラスト運動は珍しいという。
 ●
同支部が買い取ったのは、森林を所有する「麻生林業」(本社・大津市)。同社は1962年、林野庁の外郭団体と県と3者で共同で森林を造成し、伐採の収益を分け合う「分収造林地」の契約(55年間)を結んだ。分収造林は高度経済成長期の木材需要増を当て込み、全国各地の国有林や民有林で進められたが、安い外国木材の流入などで、多くが赤字経営に。森林の手入れも行き届かず、各地で荒廃が進むなどの問題が生じている。
 ●
同支部は森林が荒廃したまま放置されている現状を問題視。森林の買い取りを一時検討したが、分収造林地の契約を結ぶ外郭団体の同意が得られなかった。このため、同支部は昨年末、※会員から寄付を集め、休眠状態になっていた森林所有者の麻生林業を買収した。
 ●
外郭団体や県との分収造林の契約が切れる2017年12月の期限までは植林などの取り組みはできないが、同支部は、森林保護に向けた具体的な活動について検討中。村上美和子・同支部長は「植樹イベントなどで市民に親しまれる森林、多様な生物がすむ自然豊かな山に戻したい」と話している。【北出昭】
● 
くまもりから
※会員から寄付を集め…記事ミス。今回の企業買収資金は、篤志家の遺贈金を使わせていただきました。同じく滋賀県高島市朽木の奥山に残されたトチノ巨木群をトラストした件は、会員に呼びかけて資金を集めたので、それが混同されてしまったようです。

秋田県 タケノコ採り、同じ場所でクマによる死者4人目 こうなったら人とクマの命を守るため、タケノコ採りを全面禁止せよ 行政・森林管理署も責任あり

秋田県鹿角市大湯周辺でタケノコとりに入った入山者の相次ぐクマによる死亡事故4人目。

①5月20日に入山した男性の遺体を5月21日に発見。国有林。

<5月21日ニュース:鹿角市大湯でクマによる死亡事故の報道>

にもかかわらず、小遣い欲しさに同場所に入り続ける人々。

 

②5月22日に入山した男性の遺体を5月22日午後に発見。国有林。

にもかかわらず、

③5月25日に入山した男性の遺体を5月30日に発見。民有林。

にもかかわらず、

④6月8日に入山した男性の遺体を6月10日に発見。民有林。

にもかかわらず、

数は減ったものの、まだ現在小遣い欲しさに同場所に入り続ける人々がいるそうです。

もう、どうなっているんでしょう。

 

6月10日、あげくのはてに、そのあたりにいた、事故と無関係かもしれないメスグマを猟友会が1頭射殺。

さらに、クマ捕獲檻を新たに設置中とのこと。

 

(熊森から)

事故現場は、クマの国です。問題を起こす人間は出て行くべきです。

この時期、ここにいるクマにとっては唯一の食料である根曲り竹のタケノコ。それを根こそぎとっていこうとする人間の方が100%悪いのです。クマが怒って当たり前。にもかかわらず、クマを殺して終わろうとするなど、秋田県の対応は本末転倒。いったい秋田県の倫理観はどうなってしまったのでしょうか。

 

行政並びに森林管理署が市道や林道を閉鎖されて、タケノコ採りの自粛を呼びかけてくださったのは良かったけれど、それだけでは入山者がなくならないことがわかった時点で、熊森は、今後も新たな犠牲者が出る!として、両者に商業用タケノコ採りの強力な禁止処置をお願いしました。

しかし、「わが国には、タケノコ採りを規制する法律がないので、対応できないのです」という回答でした。

法律は、一朝一夕にできるようなものではありませんから、なんらかの超法的な措置をしかるべき立場の人にとってもらうしかないのかと思っておりましたら、なんと、当然のことながら、ちゃんと東北森林管理署のホームページに、

<国有林からのお願い>

2、樹木を損傷したり、林産物を窃取した場合は、法により罰せられます。

と記載されているのを見つけました。

森林管理署に電話して、何という法律で規制されているのかたずねると、「森林法」ですと即答されました。

 

なぜ本当のことを教えて下さらなかったのでしょうか。

どうも、米代東部森林管理署管内の国有林内で、鹿角市民はタケノコ採りをしても良いという取り決めが森林管理署と地元でなされていたようです。

市民が自家消費で採るぐらい知れているかもしれませんが、今年のように、タケノコ採りが良い儲けになるとして、業者が入り込み、他市や他県の人達までがタケノコ採りに殺到している状況では、ここで暮らすクマたちのためにも、第2第3の死傷者が出ないようにするためにも、とにかく今年のタケノコ採りを禁止すべきでした。

そうしてほしいと熊森があれだけお願いしたのに、自粛に期待するとして動かれませんでした。

 

国有林といっても、戦後、林野庁が誤った拡大造林政策によって、最高に豊かだった広大な森を皆伐し、多くを人工林に変えて、現在、荒廃させたまま放置しています。そんな国有林ですが、米代東部森林管理署内にある国有林のように、クマが棲める豊かな森もまだ国有林には残っていたのです。今となっては貴重な自然保護区です。そこの山菜を人間に採らせる。しかも、商業的に大量採取が行われる状況になっているのに、効果的に止める手を打たなかったのは、公務員が職務上、犯罪を認知したときには、告発義務があるという、以下の法令に違反しているのではないでしょうか。

 

刑事訴訟法239条2項

官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

 

行政関係者の皆さんは、タケノコ採りは6月中旬で終わると安心されていますが、まだまだお金欲しさに入山する人が7月末までは出ると思います。「林産物を窃取罪」を前面に打ち出して、クマの食料を守るためにも、国民の命を守るためにも、「タケノコ採りの全面禁止」に、直ちに取り組むべきです。

 

クマに口がないのをいいことに、クマを殺してこの事件を終えようとするのは絶対にやめて下さい。人間としてあまりにも恥ずかしいです。

 

6月3日 滋賀県の小学4年生に、くまもり環境教育部が授業

滋賀県の全小学校で、4年生で「やまのこ」、5年生では「うみのこ」という

すばらしい環境教育実践プログラムが実施されています。

 

今年も、滋賀県内のある小学校から、

「やまのこ」の事前学習のご依頼をいただきました。

この小学校でのくまもりによる事前学習は、これで3回目です。

くまもり本部スタッフとくまもり滋賀県支部スタッフが協力して授業を実施しました。

 

 

今回のプログラムは、「森の力と動物」。

自然の森と人工林の違いや、森と動物のつながりについて

子どもたちと一緒に考えていきます。

IMGP3815

活発に発言する子どもたち。授業している方も楽しい。

 

間伐の方法として、くまもり滋賀県支部ががんばっておられる

チェーンソー間伐を紹介しました。

質問コーナーにて、

「チェーンソーを使う以外に、間伐方法はないのですか?」

という質問が出ました。

自分たちにもできる、間伐について知りたかったようです。

私たちくまもり環境教育部の目標は、子どもたちに自然保護に取り組もうという心を育むこと。

この積極的な質問に、とても心を打たれました。

IMGP3817

子どもでもできる皮むき間伐のしくみを紹介。「なるほど~」の声が。

 

この小学校では、「やまのこ」実施後、

調べ学習や現地体験をもとに、新聞を作製するようです。

子どもたちが、森のどんなことに興味を持っているのか、

どんなことを感じ、学ぶのか、とても楽しみです。

 

校長先生を初め、職員のみなさま、今年も、くまもりに環境教育の機会を与えていただき、

本当にありがとうございました。

 

滋賀県や近隣にお住まいの方で、環境教育に興味のある方、

ぜひ一緒に活動しませんか?☆(SY)

本部 集落周辺のクマ目撃地での追い払いやパトロールに取り組み中 不在地主の土地に泣く

兵庫県森林動物研究センターの発表によると、兵庫県では5月末までにすでに63件のクマ目撃情報が行政に寄せられているそうです。10年前に比べると、2倍になっています。日中目撃されると、人を恐れない危険グマという判定をおろされ、捕獲対象とされます。今、兵庫県では、以前のような奥地放獣などの保護政策はとっておらず、有害捕獲されたクマは、100%殺処分されます。

 

くまもり兵庫県本部では、まずクマ目撃地に急行し、地元の方たちと話し合ってから、追い払いやパトロールを行います。これがなかなか大変です。かつて、農村人口が多くて若い人たちが多かった時は、集落内でこのような役を買って出る人もいたでしょうが、今はどこも過疎化高齢化が進んでおり、人員不足です。自然保護団体の支援に、地元のみなさんから感謝の声もいただきました。

 

s-IMG_5273

どこから出てきたのかな

 

クマが歩いた経路を調べたり、集落周辺の誘引物を調査したりします。自然界の事は、わからないことでいっぱいです。クマが潜みそうな藪があれば、土地所有者の許可を得て、刈り払いをします。このときいつも困ってしまうのは、最近増えている不在地主さんの土地です。去年の秋、クマが集落に出て来ないように柿の実をもぐ活動をした時も、不在地主さんの柿の木だけは連絡先がわからず、もげませんでした。

s-IMG_5280

実がたくさんついたキイチゴの群れを発見。クマはこれを食べに来たのかな。

 

今回も、刈り払いをしておいた方がいい藪が集落内にあって、土地所有者の許可を得て刈り払ったのですが、その横に不在地主さんの土地があって、そこの刈り払いが出来ずじまいでした。無念でした。動物を寄せ付けない集落作りに、自然保護団体として、少しでも寄与できることはしたいと思うのですが、不在地主さんの土地には泣かされています。不在地主さんの土地の草は、行政判断で刈り取り許可を出してもらえたらなあと、ため息が出る日々です。

s-IMGP3824

ここは刈りはらっておいた方がいいな

s-IMGP3827

ここはきれいに刈りはらいましたが、隣接する不在地主さんの藪や奥の竹やぶ、人工林も気になるな

 

今、行政がしているように、クマの目撃があったからと、追い払いもせずにさっさと蜂の巣入りドラム缶檻をかけてクマを有害捕獲し殺処分してしまうのは簡単です。しかし、クマを生かして、なおかつクマが集落に出て来ないようにすることが大切で、これには、奥山再生を初め、追い払い、草刈などやらねばならないことがいっぱいあり大変です。こちらに力を入れないと、共存などできません。

 

今回の人身事故は、人間が100%悪い 秋田県クマ生息地の根曲り竹の商業用タケノコ採りに規制を 

秋田県鹿角市十和田大湯のクマ生息地(国有林+民有林)では、この5月に根曲り竹のタケノコ採りに入った3人の男性が死亡し、女性ひとりが軽傷という、クマによる前代未聞、最悪の事故が起きてしまいました。

にもかかわらず、現地山林には、いまだに竹の子採りに入る人たちが後をたたないそうです。多くの人間は、お金の誘惑には勝てないのでしょうが、何とかできないのでしょうか。

DSC06103

「クマの被害が深刻化しています」というナレーターから始まったテレビニュース。

(くまもりより:被害者と加害者が反対です。)

くまもりは、野生グマ達の食料を確保するためにも、また、これ以上、人間側に死傷者が出ないためにも、タケノコ採りに至急規制を掛けていただきたいと、行政や国有林を管轄している森林管理署にお願いしてありました。

 

関係者たちによると、現地の市道と国有林内の林道を現在通行止めにしたが、県道はタケノコ採り以外の車も多くが利用しているため、通行止めにできないということです。

地元秋田県鹿角市は、タケノコ採りに行かないように市民に呼びかけているそうですが、市外そして青森県や岩手県からも事故後もタケノコとりにやってくる人々があとをたたないということです。彼らが採ったタケノコを買い取る業者の車も、道路近くに横付けされているということです。今年は根曲り竹のタケノコが不作で価格が高騰しており、いい副業になるのだそうです。

命とお金、どっちが大事なんですかと、もう一度言ってみたいです。

しかも、非常識な時間にそっと入って来た人間に、クマが驚いてかみつくなどすると、クマの方が死刑判決を受けるのです。罠がかけられ、罠の中にはクマにとっては誘惑をたちがたい蜂の巣が、誘引剤として入れられます。クマがかかれば、人身事故に関係したクマかどうかの確認もなく、射殺されて終わるのです。日本全国、まるで当たり前のようにこのようなことが展開されている現状ですが、こんなのおかしい、まちがっている、私たちは声を大にして叫びたいです。

 

秋田県のこのあたりは50%以上の人工林率となっており、それでなくても、クマたちの餌は少ないそうです。去年はブナが豊作で、クマたちが子どもをたくさん産んだだろうから、クマたちの餌が不足しているのではないかという声もありました。(秋田県では、クマが増えると冬眠前の食い込み用食料が不足し、冬眠できずに多くのクマが大雪の中、死んでいくということでした。確かめたわけではありませんが、自然界は本当に厳しいと思いました。)

野生動物は食料を貯蔵できません。刻々と変化してゆく自然界の中で、クマたちは今、タケノコを食べる時期なのです。根曲り竹のタケノコは確かに美味ではありますが、それ以上においしい物を毎日お腹いっぱい食べている人間が、クマたちの貴重な食料を商業的に大量に奪う権利などないはずです。

 

しかし、行政も森林管理署も、残念ながら、わが国には、タケノコ採りに規制をかける法律や条例がないので、自粛をお願いする以上のことは出来ないという答えでした。まんまと森林管理署にだまされました。東北森林管理署のHPの「国有林からのお願い」の2.に、樹木を損傷したり、林産物を窃取した場合は、法により罰せられます。と記載されているのを見つけました。当然のことながら、ちゃんと法律で規制されていました。森林管理署に電話して、何という法律で規制されているのかたずねると、「森林法」ですと即答されました。何故先日、規制をかける法律がないと解答されたのですかとたずねると、職員は黙っておられました。今回、国有林を森林管理署が責任を持って管理していないことが明らかになったと思います。)(2016.6.10追記)

そんな時間のかかる法令や条例を作らなくても、非常事態が起きているのですから、どこかが動いてタケノコ採りに規制を掛けられないものでしょうか。

私たち市民ができることといえば、業者を探し出して、人間としての倫理観に訴えるか、根曲り竹のタケノコの不買運動で対応するしかないのでしょうか。

 

こんなことではとてもクマと共存できないと思います。地元関係者のみなさんも、頭を痛めておられました。みなさんはどう思われますか。

 

進めます!ヒノキの放置人工林を皮むき間伐して、動物が棲める森づくり 第2回は6月19日(日)

熊森本部は、5月22日(日)、兵庫県三田市における第1回皮むき間伐フェスタを開催しました。参加人数は大人33名、子供9名の総勢42名の参加者で、とても盛り上がりました!

160522皮むき12

 

まずはラジオ体操からスタート!

 

160522皮むき13

現地到着。中は、本当に暗いなあ。

 

皮むき間伐開始!

160522皮むき37

子どもたちもがんばってくれました。

この時期、ヒノキやスギの皮をむくのは、竹の子の皮をむくように簡単ですが、むいた皮を引きちぎるのは大人でもすごく大変です。

160522皮むき30

必死で皮を引きちぎります。

 

160522皮むき24

一生懸命♪

 

今回、共催してくださったのは、NPO法人里野山家代表の佐藤ご夫妻です。

奥様が地元の奥様方とお昼ご飯を作ってくださいました。

お昼はロケットストーブで炊いた三田米とおでんなどです。とてもおいしくて疲れも吹っ飛びます。

IMGP3586

佐藤様ご夫妻

160522皮むき57

おいしいね。

 

午後からは熊森活動を参加者のみなさんに知ってもらうために、くまもりの紙芝居を実施しました。みなさん真剣に聞いてくださり、涙が出ましたと語る男性もいらっしゃいました。

 

IMGP3608

今回は子供たちも多かったので、森の工作教室も実施。みんな個性的な作品を作ってくれました。

160522皮むき65

160522皮むき80

 

この日の間伐は、7割間伐に相当します。

160522皮むき73

160522皮むき79

みなさん、ごくろうさまでした。3年後をお楽しみに。

 

次回も参加してくださる方がいます。とてもうれしいです。

次回の皮むき間伐は、6月19日(日)。

今回と同じく、三田市酒井の酒井公民館に9時半集合です。

 

ご参加いただける方は、是非ご連絡ください。

お問い合わせ、お申し込みはくまもり本部まで。

電話番号 0798-22-4190

FAX 0798-22-4196

E-mail contact@kumamori.org

 

皮むき間伐は小学生以上なら誰でもできる森づくり。山にやさしい間伐方法です。

どんどん進めて、国民の力で、日本の山を、下草や広葉樹が生える明るく元気な森に変えていきましょう!

 

 

 

 

熊本地震の迷い犬7割、飼い主の元に 熊本市啓発と「犬好き」県民性

熊本地震の後、被災された人や動物たちがどんな大変な日々を送っているかと思うと、なかなか他のことをブログに書けませんでした。

ずっと胸が痛かったのですが、ホッとするニュースに出会いました。

 

<以下、産経ニュース5月23日版より>

熊本地震では、混乱で飼い主とはぐれる犬が相次いだが、動物愛護センター(東区)で保護した犬74匹のうち、7割が飼い主の元に戻った。返還率は過去の災害に比べると高いという。全国に先駆けて、犬や猫の「殺処分ゼロ」を目指し、啓発を続けた効果もあったといえる。(九州総局 奥原慎平)

熊本市は平成14年度、全国の自治体に先駆け、「殺処分ゼロ」の取り組みを始めた。

同センター職員は飼い犬を持ち込む住民に、生涯飼育を定めた動物愛護管理法を説明し、翻意を促した。犬の首輪に連絡先を付けて、センターに持ち込まれる数を減らす「迷子札運動」も展開した。

この結果、26年度に犬の殺処分ゼロを達成した。この活動は「熊本方式」として全国から注目される。

同センターの村上睦子所長は「避難生活中でも、ペットを家族の一員として必死に探す人が多かった。しっかり愛情をもって飼っているのだろう。はぐれた犬をセンターで一元管理したことで、見つけやすかった面もあると思う」と語った。

こうしたセンターの啓発活動に加え、「犬好き」な県民性が、地震における返還率の高さにつながったかもしれない。(以上)

 

熊森より

被災されているみなさん、動物たちに、心からお見舞い申し上げます。また、これらの人や動物を助けるために奔走してくださっている個人、団体、行政のみなさん、本当にありがとうございます。心からお礼申し上げます。

 

日本は災害の多い国です。災害は避けられません。今後は是非、ペットを同伴できる避難所や仮設住宅の建設を望みます。阪神大震災や東北大震災で、もう十分、気づいたはずですが。

 

 

「市街地に出たクマは捕獲し、山へ返す」 福島市のクマ対応に、人間としての優しさあり

<以下、福島民友 みんゆうnetより>

5月24日、福島市の市街地周辺でのクマの目撃情報が2件(午前2時15分、午前2時30分)あり、23日から続く目撃情報は計5件となった。いずれも人的被害などはない。県警と県猟友会、県、福島市、JAふくしま未来は、目撃情報があった信夫山に捕獲用のわなを設置、一部を立ち入り禁止にするなど警戒を強めている。

クマはいずれも体長約1メートル。クマを見た男性は「クマの胸元に白い月のような模様が見えた。『襲われるのでは』と思い、その場から離れることを心掛けた」と話した。

福島

 

5月25日、熊森はすぐに電話で問い合わせました。

〇福島市農業振興課

クマの目撃があった時間帯は、夜中から早朝、夕方から夜で、クマは人目を恐れて動いていることがわかる。信夫山付近で3回の目撃(松川河川敷の目撃含む)、笹木野駅周辺では深夜に2回の目撃があったが、別クマであると考えられる。

両目撃地点付近では、警察によるパトロールを続けている。特にクマが現在、山中に身をひそめていると思われ信夫山付近は、学校などの教育施設もあるため、24時間体制でパトロールをしている。このクマは、奥羽山脈から松川を下って市街地に入ってきたと考えられる。

付近住民には、「クマを目撃した際は、まず騒がず落ち着くこと。そのあと、市のほうまで連絡してください」と、口頭で伝えている。

人間と野生動物の共存は大切。現在、捕獲罠を2基設置しているが、クマ捕獲後は山奥へ放獣する。

 

熊森より

福島県・福島市の関係者のみなさん、ごくろうさまです。

福島県は、昨年11月27日にも、郡山市の工場内に侵入したクマを、捕獲後山奥へ返してあげています。

全生物との共存に成功して自然豊かな地球を残すためにも、命を大切にするやさしい人間社会を作るためにも、全国行政は福島県・福島市の心豊かで優しいクマ対応に続いてください。

 

秋田行政「捕獲なし」が一転して「殺処分」に、死亡山中現場にクマ捕獲罠を設置 熊森は厳重抗議

秋田魁新報 電子版(5月26日)によると、先日秋田県鹿角市で、21日22日と連続して、2名の方が亡くなられたクマによる人身事故現場に、クマ捕殺用罠がしかけられました。

 

5月26日、くまもり本部はすぐに問い合わせました。

 

県自然保護課・鹿角市農林課・鹿角振興局森づくり推進室

今回事件があった現場近くに林業の施業地があったり、高圧電線の管理等、今後も人が入ることがある。地元住民の不安を解消するため、捕獲罠を設置し、その後クマを殺処分することになった。

捕獲罠は25日~来月6日までの、現場の立ち入り禁止期間中設置。(ハチミツ罠でクマを誘引するため、山に人間が入っていない状況下でないと安全に捕獲できないから)

昨年10月の人里でのクマ目撃情報が6件と、前年の半分、12年の6分の1と激減していたことから、ブナの実などのえさが豊富にあり、山を下りてこなかったのではないか。クマの個体数は例年より多い可能性がある。

 

熊森見解

・今回の事件は、人間がクマの棲む深い森の奥まで入って行って、彼らの食料を奪う行為を行ったことによって起きたものであり、クマ側には何ら責任がない。クマの国である山奥に捕獲罠を設置して、かかれば殺処分するとは、人間の倫理観を疑う。

クマが人里や市街地におりてくると人間はこわがって大騒ぎするが、クマにとっても、人間が自分たちの生息地に入ってくることはこわいことなのです。

 

・捕獲されたクマが、今回の加害クマかどうか特定することは不可能。それでも殺処分するのなら、冤罪を認めることになる。子どもたちの教育上も、良くない。一転して捕殺を目指すことにした秋田県の決定は、人間として恥ずべき行為であり、熊森は絶対に認められない。人間は、罠も銃も持っていない臆病な相手(=クマ)の立場に立って考えられなければならない。

 

・ネマガリダケの竹の子を採りに来ている人の声 ーー5月24日読売オンラインネットよりーー

通行止めになった市道には23日昼頃、軽トラックの男性が訪れた。採ったタケノコを業者に買ってもらっているといい、「クマの被害は知っているが大丈夫だろう。別のルートから山に入る」と話した。

 

・秋田県行政が本気で人身事故を減らしたいのなら、人間がタケノコとりに入れるエリアと時間帯を決め、しっかり人間側を管理していくべきでしょう。

フィード

Return to page top