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2011-01

うれしいお便り

今日、神奈川県の児童養護施設からどんぐりと一緒に素敵な絵手紙が届きました。
子どもたち7名(3歳~小1)のお手紙を送って下さった先生は、日ごろから森林破壊による動物たちへの影響を新聞やテレビ等の情報から子どもたちに話をしていたそうで、くまもりの活動を知った子どもたちが、秋に拾ったドングリを届けたい!と言ってくれたのだそうです。
子どもたちが送ってくれた「くまさんへ」の素直で率直な言葉に、心がじんわりとします。他者への思いやりとやさしい心をもったまま、大きく成長していってほしいです。
ありがとうございます。

くまもり活動を中心に取材して作ったドキュメント映像「人とクマと森と」が、高校生部門の最優秀賞に!

神戸市にある兵庫県立伊川谷北高校放送部が、野生動物と人間のかかわりを通じ共存の可能性を探ろうと、くまもり活動を中心に取材してまとめた作品「人とクマと森と」(約8分間のドキュメント映像)が、2010年11月に行われた「第30回地方の時代」映像祭で、みごと、高校生部門の1位優秀賞を受賞しました。

その様子が1月29日のNHK BSフォーラム(17:00~17:54)で紹介されます。興味を持たれた方は、ご覧になってください。

2010年12月17日の毎日新聞(神戸版)でも写真付きで大きく紹介されました。

この作品は、1月30日に、神戸芸術工科大学にて上映されます。

開場 13:00
上映 13:30~ (約8分間)
場所 神戸芸術工科大学(神戸市西区学園西町8-1-1)、吉武ホール

13:00~15:00の開館中は会館外のブースでも連続上映していますので、ぜひご覧ください。

群馬県支部の活動が毎日新聞に(1月8日)

ここで、「どんぐりをまく」という表現がされていますが、実際には、一か所にまとめて置きます。ニュースや新聞で書かれているような、「まく」と いう行為ではないことをあらかじめご了承ください。また、運んでいるドングリは街中のドングリに限定して集めてもらったものです。
当協会のドングリ運びに関しての見解:http://kumamori.org/infomations/carry_donguri/

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毎日新聞より抜粋

ドングリ:餌不足のクマのため山にまこう 群馬・高崎

全国から集まったドングリを山林にまく日本熊森協会群馬県支部のメンバー=群馬県沼田市内で(同支部提供) 全国から集まったドングリを山林にまく日本熊森協会群馬県支部のメンバー=群馬県沼田市内で(同支部提供)
餌不足のクマのため山にドングリをまこうと、群馬県高崎市の自然保護団体が昨秋、全国に協力を呼び掛けたところ、まききれないほどのドングリが集 まった。クマが冬眠に入った今も寄せられており、大型の段ボール箱で計約300箱分、約3.5トンに達している。目覚めた時に少しでも餌の足しになるよう にと、団体は春の訪れを待って再び山にドングリをまく。

呼びかけたのは「日本熊森協会群馬県支部」。川嵜實支部長によると、昨秋は夏の猛暑の影響でブナやミズナラになるドングリが不作となり、各地で人里に出没するクマが相次いだ。中には駆除されたクマもいた。

こうした悲劇を少しでも減らそうと、支部は昨年10月からドングリを募集。ミズナラなどの林は市街地周辺にも多くあり、北海道から九州まで全国各 地の3000人以上からドングリが寄せられた。その多くに「クマさんに届けて」「子どもと一緒に拾いました」などのメッセージが添えられていた。

支部は寄せられたドングリを昨年10~11月、12回にわけて群馬県内の42カ所にまいたがすべてをまききれなかった。当初の募集期限の昨年11 月末を過ぎても送られ続けており、春にも再び県内の山にまくことを決めた。川嵜支部長は「善意のドングリがこんなに集まり感激した。クマに贈り主の皆さん の気持ちを届けたい」と話している。

ドングリは同支部(〒370-0862 群馬県高崎市片岡町2の9の7 電話080・5490・0594)へ。【鳥井真平】

愛知県瀬戸市のイノシシ罠は今

昨年11月、愛知県瀬戸市の自然林の中に設置されたイノシシの箱罠に誤ってかかったクマが、射殺されるという悲しい出来事がありました。本来ならば、鳥獣保護法にのっとって、その場で即放獣されるべきクマでした。放獣してもらえなかったのは、地元住民が放獣を認めなかったからだそうです。

2度とこんなことが起きないように、あの後、瀬戸市熊森会員の要請や、瀬戸市担当者の尽力もあって、瀬戸市に設置されている60基ほどのイノシシの箱罠の上部の鉄格子には、今、次々と30センチ四方の穴が開けられ、クマスルー檻に改造されていっています。今後、もし誤ってクマがかかっても、クマが自力で脱出できるようにするためです。殺されたあのクマさんは帰ってきませんが、この動きは、せめてもの供養です。さっそく対応策を取ってくださった瀬戸市担当者や猟友会の皆さんに感謝です。

以前からクマスルー檻を試みてこられた、ある県の行政の担当者に話を聞いてみました。

「30センチの穴では、クマが檻の中から出ていないことも、しばしば経験している。僕らが近づくと、あわてて穴から出ようとして飛び出てきて、危険を感じたこともあった。1回、僕たちを見てあわてて飛び出そうとしたクマが、穴に引っかかって動けなくなってしまった。仕方がないので、麻酔をして、下に1回落としてからひっぱりだして放獣した。40センチの穴だと大丈夫だが、クマが、出たり入ったりするようになるかもしれない。

大分県・豊後大野市市長に、オオカミ輸入を思いとどまっていただくよう要望を

新聞報道によると、大分県・豊後大野市橋本祐輔市長が、シカ・イノシシの農作物被害対策に、中国のハイイロオオカミを輸入するという構想を打ち出したそうです。100年前に滅びたと言われているオオカミと、現在のシカ数、イノシシ数が関係するなど、ちょっと冷静になって考えてみれば、ありえないことです。狭い日本に、オオカミを導入すればどうなるのか。オオカミにしてみれば、すばしこい野生動物を襲うより家畜を襲う方がずっと簡単ですから、オオカミによる家畜被害という新たな問題を引き起こすだけになるでしょう。可能な方は、市長さんに思いとどまっていただくよう、意見をお伝えください。

豊後大野市役所 〒879-7198 豊後大野市三重町市場1200番地 電話番号:0974-22-1001 FAX番号:0974-22-3361

イエローストン国立公園でのオオカミ導入結果については、もっと長期にわたるモニタリングが必要です。今後、どうなっていくのかは、まだだれにもわかりません。オオカミは肉ばかり食べていると誤解されがちですが、実際はドングリなども多く食べるそうです。オオカミを導入した際、大分県に、オオカミの生存を支えるだけの広大な広葉樹の豊かな森が残っているのか疑問です。

研究者の皆さんに苦言です。行政の皆さんは素人です。研究者の皆さんが、行政から予算を取って、誰もしたことのない実験を行い論文を書きたいという気持ちはわかりますが、「オオカミを導入すれば、植生や小動物が回復し、生態系が正常化する」等という進言は、あまりにも一方的です。研究者の皆さんは、日本の山が荒れているのは、戦後の大開発や拡大造林、酸性雨、地球温暖化など、人間活動によるものが間違いなく大きな部分を占めていることぐらい、ご存知だと思います。シカやイノシシを殺しつくしても、森はよみがえらないでしょう。第一、シカやイノシシは、本来、害獣ではありません。公正なる進言をしていただかないと、行政の判断を誤らせます。

シカ・イノシシ問題について、自然界のことは人間にはわからないことが多いです。しかし、以前は、今のような目撃数はなかったのですから、とにかく、以前の環境に戻しましょう。奥山の放置人工林を強度間伐して自然林を再生し、動物たちには山奥に帰ってもらい、棲み分けを復活し、防除に励むしかないと思います。現地は高齢化した過疎地ですから、行政や都市市民が応援に入らなければならないのは言うまでもありません。

昨晩の1月7日 テレ朝 報道ステーションに、三重県池ノ谷トラスト地が出ました

1月7日夜、テレビ朝日報道ステーションで、特集「清流まるごとほしい・・・・ねらわれる日本の名水」が、報道されました。そのなかで、当協会奥山保全トラストが昨秋トラストしたばかりの池ノ谷の内容を含む報道が、ニュース番組としては意外と長めに取り上げられました。

番組の報道日を事前に聞いていなかったので、本部も察知しておりませんでした。今テレビに出ているという会員からの電話でびっくりして、残っていたメンバーたちで視聴しました。改めて、池ノ谷の自然の神秘さ、美しさ、すばらしさに魅了されました。ご寄附くださった方々から、あの池と森を守るために寄与できたことを改めて喜ぶ声が、電話で伝えられました。

今年も、支部のある府県で水源の森が売りに出たら、トラストしていこうと思います。

すばらしい内容だったのに、番組を、事前に会員の皆さんにお知らせできなかったことだけが、残念でした。

オオカミの導入は命を弄ぶ研究者の遊び 元旦の新聞トップ記事に思う

ある新聞の元旦トップ記事は、<ニホンオオカミのはく製からクローンに挑む>でした。はく製オオカミの毛皮から細胞核を取り出して、イヌの卵子に入れ、めすイヌの子宮に注入する研究の紹介です。

成功するかどうかは知りませんが、このような生命操作は人間の傲慢以外の何物でもないと思います。生命のことなどほとんど何もわかっていない人間には、許されない実験行為だと思います。もし、オオカミが誕生したとして、生息環境も生息を受け入れる体制も全くないこの国で、どうやってかれらは生きていけばいいのでしょうか。狭い日本です。生きるために食糧として家畜を襲い、有害駆除されることになるでしょう。関係者一同、誕生したオオカミの悲しさなど、誰も考えてやっていないと、記事を読んで感じました。このような記事が、よりによってなぜ元旦のトップ記事になるのか、新聞社の良識や倫理観を疑います。研究していいことと、してはいけないことがあるはずです。

忠犬ハチ公やマンモスの復活も視野に入れているそうで、これはもう、研究者の前後を考えない命遊びでしょう。

さらに驚いたのは、シカ数を調整させようという大義名分で、タイリクオオカミを導入しようとしている人たちがいることです。タイリクオオカミを導入したら、めでたく、シカ数が調整できると本気で期待している人は、いるのでしょうか。シカ数が増加して問題になりはじめたのは平成になってからで、最近のことです。オオカミが滅びたのは100年前です。どう考えても因果関係はありません。

第一、日本にタイリクオオカミのようなオオカミがいたというのは、本当でしょうか。1960年に分類学の今泉吉典先生が、かつて日本にいて、明治に絶滅したと言われている「山犬」と名付けられていた動物のはく製に、ニホンオオカミという正式な和名をつけられました。このときから、日本には、ニホンオオカミがいたと表現されるようになりました。しかし、その時には、すでにこの動物は絶滅していたので、どのような動物だったのかよくわかりません。国内にもいくつかのはく製があるじゃないかということですが、当時のはく製の作り方は今と違い、何頭分かの毛皮を寄せ集めて作られた大雑把なもので、どの部分がオオカミなのか、単純には判断できない難しさがあるそうです。しかも、犬とオオカミはDNAが同じで、DNAによる判別はできないのだそうです。日本に、家畜をどんどんと襲うタイリクオオカミのようなオオカミはいたのでしょうか。

ニホンオオカミ、山犬、野犬の違いは?このような大変興味深い内容が、元高校の校長先生であった西田智氏が出版された「ニホンオオカミは生きている」という本(二見書房)に詳しく書かれています。

オオカミ問題に興味のある方は、ご一読ください。

1月9日 森山まり子会長講演in名古屋 参加について

去年の夏、理科の先生たちの研究会である科学教育研究協議会の全国大会で、森山まり子会長が30分間講演をしたところ、感銘を受けたという声をたくさんいただきました。今回は、そのとき参加されていた名古屋の高校の理科の先生が、愛知県支部でぜひ90分間話していただきたいということで、企画してくださいました。対象は理科の先生たちですが、会員の方で、この機会に会長の話を聞いてみたいという方は、参加可能です。本部までお電話いただければ詳細をお伝えします。

祝 一般財団法人化

新春早々、会員のみなさんに、おめでたいニュースをおしらせします。この度、日本熊森協会は、2年前にできた新しい財団法人法に基づき、協会を法人化し、一般財団法人となりました。

これまで当協会は、天下りや公権力の介入を避けるため、任意団体を貫いてきました。新しい財団法人法では、法人化してもそのような恐れがないと判断し、法人化に踏み切りました。一般財団法人は、これまでの財団法人が持っていた寄付金控除などの特典は何もありませんが、法人化したことにより、協会が大団体に成長することが可能になります。

新財団法人法を作ってくださったみなさんに感謝です。

尚、会費納入名義などに関しての変更は、本部から全会員の皆様へ、そのうち連絡させていただきます。それまでは、従来通りでお願いします。

謹賀新年 2011年1月1日

北海道の、徹底した動物侵入防止柵付き高速道路

熊森から、会員のみなさまに、新年のごあいさつを申し上げます。

北海道の高速道路では、野生動物が車にひかれるという事故がないそうです。その秘密は、道路の両側に徹底して張り巡らされている、動物侵入防止柵の設置です。(上部写真参照:写真茶色の柵に注目下さい。そばで見ると、動物の大きさに合わせて、上中下と部分によっていろいろの工夫がなされている)この柵は、北海道野生動物研究所所長で当協会顧問でもある門崎博士が、現地での徹底した動物行動調査を重ねられ、設置に深く関わられました。

奥山保全・再生をめざす熊森は、今年も、野生鳥獣と棲み分け共存する、野生鳥獣を殺さない自然尊重型のやさしい文明をめざして、全力で活動を進めます。多くのみなさんの参加をお待ちしています。

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