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2011-05-07

5月5日 クマ生息地で地元の研究者による勉強会を実施(兵庫県但馬)

5月5日、クマ生息地である兵庫県北部の但馬地方で、地元の熊森会員に呼びかけて集まっていただき、初のくまもり勉強会を持ちました。

午前中は、人間の手によってスギの人工林にされた暗い山を思い切って伐採し、希少動物(両生類)の棲める環境に再生した場所を、地元の研究者の方に、見せてもらいました。あちこちでタムシバの白い花が咲く山で、研究者の調査に同行し、調査方法や生息環境について学習していくなかで、知らなかったことを学んでいきました。

地元の方によると、林野庁の、拡大路網、大型林業機械導入の「森林・林業再生プラン」が国会を通ったためか、今、地元では、山の中に作業道がどんどんと造られていっているということでした。なぜ道を造るかというと、道を造らなければ、大型林業機械を導入しても機械のアームが届かないからだそうです。
しかし、その新たに造った道を使って、山の動物たちがどんどん人里に移動できるようになり、獣害がいっそう増加。それにつれ有害駆除もいっそう増えるだろうと、地元の方が言われていました。獣害が起きる原因はすべて人間が造っており、殺されるのは動物の方ということです。

午後からは、地元の施設を借りて、座学です。
座学では、先生がたくさんの希少動植物をスライドで紹介しながら、「(この動・植物は)この但馬地域にしかいないんですよ。」と繰り返し強調して説明されました。但馬地方には、多様な動植物が生息するのに必要なすばらしい自然環境があったことを学んでいきました。このすばらしい自然を残すため、先生は、熊森同様、深山奥山のゾーニングをさかんに訴えておられました。但馬中を何十年も歩き続けて来られた先生にしか語れないすばらしくかつ膨大な講義内容でした。詳しくは、会報などで、今後、会員の皆さんにお伝えしていく予定です。

熊森は、豊かな自然環境を守ってまもっていくためには、地元の方々の生活を理解し、人間と動植物がどのように共存できるかについて、地元の方々と一緒に考えることが大切だと考えています。今後もクマ生息地の会員の方々の集まりを企画し、このような「野外+座学」の勉強会を設けて、非会員の方も含め、たくさんの方々のご意見をお伺いしながら奥山保全・再生活動を進めていきます。

5月5日 人工林率61%の町で、初のクマ生息地会員のつどい (兵庫県但馬)

熊森が1997年の設立時に考えたことは、「工業立国一辺倒・第一次産業軽視の今の国策を方向転換しなければ、この国は森を荒らし野生鳥獣を滅ぼし湧水を失い、亡びる。国策の方向転換を図るためには、★日本に国を動かせるような完全民間の大自然保護団体を育てねばならない。そのために、戦略として、以下の二つをとる」でした。

①徹底した現場主義で、地元に通い続ける。
②最初、本部事務所は人口の多い都市部に置き、まず都市市民から賛同者を多く得て、地元支援ができるようなしっかりとした会の人的財政的基盤を築く。

わたしたちスタッフが寝食を惜しんでくまもり活動に人生をささげてきた結果、ありがたいことに、多くの都市市民の賛同を得ることができ、14年間で、上の目標は達成されました。(一口に14年間と言っても、大変な年月です)

いよいよこれからは、地元会員のみなさんの賛同者を増やし、「クマの棲む豊かな森を次世代へ」残すための、地元の方々による地元活動の活性化を図る時がきました。そこで、この度、熊森としては、初の地元会員のつどいを、兵庫県のクマ生息地で持ちました。

会員でない方も何名か参加して下さり、総勢22名のつどいとなりました。最初、自己紹介をしあいました。会員でない方から、
「熊森って、都会の暇人のお楽しみ会じゃないのか」
とか、
「クマ、サル、シカ、イノシシ、わたしたちとしては、みんないらない」
という本音の声が出されました。本音を出せる雰囲気を作ることはとても大切です。何を言われても、決して怒らず、にこにこしている熊森スタッフたち。私たちは、ずっと14年間、こうやって活動してきました。

この日、自然の研究をされている地元の先生に、勉強会をしていただきました。(別項)

会の最後に、森山会長が、
「地元のみなさんは、増大する鳥獣被害を受けておられるので、鳥獣なんていなかったらいいのにと思われるのも無理ありません。しかし、そもそも、どうして近年、こんなに山から鳥獣が出てくるようになったのかというそもそも論が大切です。
そもそも、彼らの生息地であった奥山を、人間が戦後、スギの人工林にして放置し、彼らのえさ場を壊したから、かれらは生きられなくなって山から出てきているのです。
動物が棲めなくなったこれらの山は、災害を起こしやすく、人間にも山崩れや水害などの、しっぺ返しが来ます。第一、農家の方は、農業用水あっての農業です。農業用水を湧き出させる保水力豊かな森は、クマ、サル、シカ、イノシシが造っています。かれらを敵とせずに、もう一度この国で共存する方法を考えませんか。
都市市民は、同じく生きとし生ける動物としての倫理観から、また、都市の水源確保のためにも、そして、地元の方々を災害から守るためにも、奥山を広葉樹の自然林に再生することに協力したいのです」と、あいさつしました。

帰り際、参加者のおひとりが、「どうも自分たちは、熊森を誤解していたようだ」とつぶやかれていました。
会が終わってから、地元の議員さんが、「地元の全こどもたちに、熊森を広めたい。どんな協力も惜しみません」と言ってくださいました。地元の会員さんは、「何をしたらいいか教えてくれたら動きますから」と言ってくださいました。

地元会員のつどいはまだこれが1回目。前途は多難でしょう。しかし、15年目の熊森は、全ての生き物と全ての人間のため、クマ生息地会員の方々にも動いて頂いて、何があっても奥山保全・再生を進めていく決意です。

5月1日第14回くまもり全国総会 ①満席御礼260名

5月1日、第14回くまもり全国総会が、260名満席参加のもと、尼崎市のホテルで開催されました。熊森本部では、震災の影響による参加者減を心配しておりましたが、ふたを開けてみると昨年よりさらに多くの参加希望者があり、満席到達日以降は参加申し込みをお断りしなければならないといううれしい悲鳴となりました。
参加くださったみなさん、応募くださったみなさん、本当にありがとうございました。
くまもりの全国総会は、企業などの総会と違い、仕事や生活とくまもり活動を両立させねばならないという厳しい環境の中で、野生鳥獣保護や奥山保全・再生活動に汗まみれ泥まみれでがんばってきたなかまたちが、1年間のお互いの健闘を讃えあい、今年度の活動への勇気と希望を得るものです。

上の写真は、
「原発推進や拡大造林、野生鳥獣の個体数調整など、国策には多額の予算が付く。すると、利権を狙って産・官・学が集まり、自分たちに都合のいい情報をねつ造し、彼らに支えられている大手メディアが国民に真実を伝えなくなるという現実がある。100%市民出資のメディアや研究所を立ち上げなくては、市民は真実を知ることができない」
など、福島原発の事故にからめて、市民社会への移行を熱く訴えている森山会長です。

今年は、本部中心スタッフ12名の座席を舞台下左右に6名分ずつ設置し、参加者のみなさんに、責任を持って活動しているくまもりリーダーたちの顔見せを終始行いました。このため、本部中心スタッフも、くまもり総会を大いに楽しんでくださっている参加者のみなさんのお顔がずっと見れて、よかったです。

ある参加者の方が、お帰りの際、「品位ある総会に満足しました。これからもくまもりを応援しようと思います」と言いに来てくださいました。これが参加されたほとんどのみなさんの感想だったと思います。
会員の皆さんに喜んでいただこうと睡眠時間を削って企画・準備してきた若いくまもりスタッフたちの顔がほころびました。

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