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2013-11-21

11月23日 本部 第10回兵庫県三室国有林間伐の最終回にご参加を

9月の末から始まった三室国有林の間伐ですが、いよいよ11月23日が第10回目で、最終となる予定です。

これまで、チェンソーを使える人でないと参加できなかったため、参加者が限定されてきましたが、最終日の11月23日は、

チェンソーを使えない方でもOK。初めて間伐に参加する方でもOK。のこぎりでの間伐体験も可能です。

ご参加いただける方は、至急熊森本部まで、お知らせください。晩秋の山のすばらしさも体験していただけます。

 

<11月18日第9回三室国有林の間伐のようす>

この日は、本部から3名、滋賀県支部から村上支部長ら3名、計6名で間伐しました。雪の舞う寒い日でしたが、みんなでがんばって間伐しました。この日午前中に間伐したのは41本。これまでで、計691本間したことになります。

午後からは、伐倒木の枝落としなどに精を出しました。

 

全身の力を使うため、みんな雪の中で汗をかきながら作業していました。

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市民による間伐。今日も、やったねえ!

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帰るとき、間伐した国有林に思わず見入ってしまいました。

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鉛弾を浴びて駆除されたシカの死体を食べる野生鳥獣たち・・・わたしたちは鉛中毒を心配する

都道府県によっては、シカの捕殺数が、最近、膨大な数となっています。ちなみに、兵庫県の平成22年度のシカ捕殺数(狩猟+有害駆除)は、約3万6千頭です。

 

シカはふつう30メートルぐらい離れたところから、ライフル銃か散弾銃で撃つそうです。(割合は半々ということです)

 

山に放置されたシカの死体をよく見かけるようになってきたため、シカの死体をどう処理しているのか、いくつかの県に尋ねてみました。埋設処理という指導が口頭でなされていても、実際は、シカを埋めるような大きな穴を山中で掘ることは難しく、ある県の猟友会関係者にきくと、例外以外は山中に全て放置しているということでした。焼却場に持って行くと、焼却代を1頭あたり2千円取られるので、持って行く人はまずいないだろう。ジビエ料理と言っても、鉛弾で撃っているため、鉛が体内で溶けだしている恐れがあり、人間の食用にするのは難しい。せいぜい、金属探知機で鉛弾を取り除いて、ペットフードに一部を加工している程度ということでした。

 

現実問題として、放置されたシカの死体を、クマをはじめとする野生鳥獣が食べている例があります。ここで心配される大きな問題は、鉛弾を誤って肉と共に胃の中に取り入れることによる、野生鳥獣の鉛中毒の恐れです。海外では、鉛が自然界に広がらないように、もう20年以上も前に、鉛弾が使用禁止になり、鋼鉄弾に変えた国がいくつもあります。しかし、日本では、北海道以外は、いまだに昔ながらに鉛弾が使用されています。ある猟友会員に尋ねると、鉛弾用の銃で鋼鉄玉を使用すると銃がいたむので、弾の鉄への転換は難しいと言われました。

 

ライフル銃の弾は親指ぐらいの大きさなので、野生鳥獣が飲み込むことは少ないと思いますが、散弾銃の弾は直径5ミリなどと小さいので、シカ肉と一緒に体内に入れてしまうことが考えられます。実際、クマの糞を調べている人が、糞を水洗いすると、鉛の散弾銃の弾が出て来たと言われていました。強烈な胃酸で溶かされた鉛が、いったん体内に拡散すると、もう元に戻せません。一番現実的な解決案は、散弾銃の鉛弾の使用禁止でしょうか。

 

国も都道府県も、まだどこも真剣に考えてくれていませんが、熊森は野生鳥獣に鉛中毒が広がらないかとても心配しています。大変な問題が起きてからでは遅い。未然に防いでこそ、大人と言えます。

 

 

 

絵に描いた餅のまま終わらせてはならない 「鳥獣被害防止特措法18条」生息地整備

鳥獣被害防止特措法

(生息環境の整備及び保全)

第十八条  国及び地方公共団体は、人と鳥獣の共存に配慮し、鳥獣の良好な生息環境の整備及び保全に資するため、地域の特性に応じ、間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置を講ずるものとする。

 

鳥獣被害防止特措法は、2007年に成立しました。熊森はこの年、何度も国会に通って国会議員の皆さんに訴え続け、この法律の制定にあたって2つの主張を入れてもらいました。

 

①最初の案では、この法律の名前は、「有害鳥獣特措法」でした。熊森は、有害鳥獣などこの国にいない。どの鳥獣も豊かな自然を作ってくれる大切な鳥獣ばかりである。鳥獣を有害にしたのは人間である。有害鳥獣などという言葉が独り歩きする国にしないために、法律名を「鳥獣被害防止特措法」としてほしい。

 

②戦後人間が野生鳥獣のあまりにも広大な奥山生息地を破壊したため、野生鳥獣が生きていけなくなっている。多額の予算が法律に付くのであれば鳥獣の良好な生息環境の整備及び保全のため、地域の特性に応じ、間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置にも、予算を使ってほしい。

 

 

間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置がどのようになされているのか各省庁に尋ねてみました。

 

●農水省・・・地元からの第18条関連の予算請求がないため、予算をつけたことはありません。

 

●環境省・・間伐の推進、広葉樹林の育成は、環境省の仕事ではありません。林野庁がやってくれていると思います。

 

●林野庁・・・林野庁ではそのような事業を行ったことはありません。


<熊森から>

まさに、熊森は当時、全組織を上げて精根尽き果てるほどの激しいロビー活動を続け、やっと獲得した2点です。

あれから6年、鳥獣被害防止特措法には年間約95億円の予算がついていますが、第18条関連の予算は毎年ゼロです。これでは、何のための18条かわかりません。

自然保護団体が本当に苦労して法文に入れてもらった大切な1行です。このまま絵に描いた餅に終わらせてはならない。都道府県や市町村行政、そして地元に、予算請求していただくよう、運動していかなければならないと思いました。

 

 

 

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