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2016-12-20

兵庫県 クマによる人身事故3件目、発生現場に本部が急行 

12月15日、残念ながら兵庫県で今年クマによる3件目の人身事故が養父市で発生しました。

2016/12/15  神戸新聞NEXTより(下記URLをクリック)

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009752927.shtml

本部スタッフは前2件の時と同様、すぐに現地へ急行し、ケガをされた方から当時の状況を詳しくお伺いしました。

現地は、山すその集落で、中学校にも隣接している場所です。

 

【以下、けがをされた方の証言】

〇事故前日に家の裏に置いてあった生ごみのごみ箱が消えた

「12月14日に、ごみ箱がなくなっていることに気づいた。ごみ箱があった場所から山のほうへごみが点々と落ちていたので、後をつたって裏山の急斜面を登って行くと、家から10数m離れた所にごみ箱が放置されていた。そのときは、まさかクマの仕業だとは思わなかった」

〇ペットフードもなくなっていた

「他にもなくなっているものがないかと、倉庫の中を調べると犬用のペットフード(6.5kg)が袋ごとなくなっていた。

〇人身事故発生

そして翌日12月15日の朝9時頃、なくなったペットフードを探しに裏山へ登って入ったところ、昨日ごみ箱が落ちていたあたりで、ササの繁みからクマが突然飛び出してきた。鼻息を立ててすごい勢いで向かってきた。クマを見たとき、あまりにも驚いてしりもちをついてしまった。クマが太ももの内側にかみついた。すかさずクマの鼻のあたりを3回蹴ったら、クマは少し引いたので、そのすきに一目散に家に逃げ込んだ。クマは、追いかけてこなかった。家の人に救急車を呼んでもらったり、警察などへ電話をしてもらったりした。

今思えば、ごみ箱とペットフードを山へ持って行ったのはクマだったんだと思う。今後クマが来ないよう、生ごみは家の中で管理することにした。

事故後すぐに、県や市の職員がきてくれて、散らばっていた生ごみを片付けてくれた。森林動物研究センターの職員も来てくれて、花火や声でクマを追い払ってくれた。

ペットフードはまだ見つかっていないが、たぶんクマが飛び出してきたあたりにあると思う。あのクマが近々またペットフード食べに裏山まで来るだろうと思うと怖い。」

 

〇くまもりが、裏山のササ原を刈り払う

12月16日、熊森は、ケガをされた方から詳しい状況をお聞きした後、大声を出して、クマに人間が来たことを知らせながら、事故現場となった裏山の急斜面を登っていきました。人の背丈ほどのササがあたり一面に生い茂っており、見通しが悪い環境でした。2時間ほどかけて刈払機で刈り払いを行いました。途中、クマが食べかけていたと思われるペットフードの袋がササ藪の中から出てきました。

中身が半分程減っていました。そこはクマが出てきた場所とほぼ一致していたので、事件発生当時、クマはペットフードを食べていたのだろうと思われます。このペットフードは、今後、家の中に保管して次のごみの日に捨てることになりました。

クマが現れた現場、ササが生い茂っており見通しが悪い

草刈り後

今年、兵庫県でこれまでに起きたクマによる2件の人身事故後、現地に捕獲罠が仕掛けられ、2頭のクマが捕殺されました。今回の事件を受け、県と市は、ここにもクマ捕獲用の檻を設置しました。命だけは助けてやってほしいとお願いしましたが、聞き入れられませんでした。蜂の巣が入っていますから、たぶん捕殺されるでしょう。

 

(熊森から)

山の実りが悪い今年、嗅覚が優れているクマは、野外に置いてある生ごみまで探し当てて食べようとしました。しかし、哀れにも、それが自らの命を奪われることになるのです。

クマが山から出て来なくても生きられるように、わたしたちはスピード感を持って、何とかもう一度山を動物の棲める豊かな森に戻していきたいです。みなさん手伝ってください。

 

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