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カテゴリー「_野生動物保全」の記事一覧
本部 太郎と花子のファンクラブ
- 2011-03-29 (火)
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太郎(22才)と花子(21才)。山田さんやくまもり和歌山会員らにお世話してもらって、元気にしています。3月27日に、本部今年3回目の太郎と花子のお世話に行ってきました。まずはサバの水煮をもらった太郎くん。最後の一滴までほおばります。
そしてまだまだお眠な花ちゃんです。(右側を頭にして、丸ぁるくうずくまっています。)
ちょっと目が覚めて、外の様子をうかがいます。少しだけ出てきて、わたしたちにフーッというびっくりするような大きな息を吹っかけ、冬ごもり室にもどってしまいました。
1月2月のあまりの寒さに、水が凍ったのでしょう。太郎君の水飲み用のブリキのバケツが壊れてしまいました。新しいバケツと交換しました。
今回は6人でお世話に行ってきました。たまたま現地に遊びに来てくれた地元の女の子3人も、太郎と花子、そしてちーちゃんとふれあい、楽しいひと時を一緒に過ごしてくれました。初めて参加して下さった会員の皆さんは、楽しかった、また来たいと大喜びでした。
このマンガのクマ観をどう思われますか
- 2011-03-24 (木)
- _野生動物保全
2月27日の兵庫県主催シンポジウムで配られた資料に載せられていたマンガを見て、行政・業者・研究者と、わたしたち一般市民との動物観の違いに多大なる違和感を感じました。このマンガのクマは、ほおに大きな傷がありヤクザの様な顔をしています。タバコの煙?を出しながら、
「人里ばんざい、ずっとここにいついてやるぜ!」
といって、人間たちを震え上がらせています。熊森は、これだけは自信を持って言えます。今までたくさんの実物のクマやクマの写真を見てきましたが、こんな傲慢で怖いクマなどどこにもいません。こんな人間なら、見たことはありますが。動物観というか、何かが根本的に間違っているような気がします。私たちの税金でこのような真実ではないことを県民に伝えるのはやめていただきたいです。
(兵庫県が配布したパンフレットに載せられていたマンガより)
2/27 熊森見解と全く正反対だった兵庫県立大学の研究者たちの発表
- 2011-03-24 (木)
- _野生動物保全
2月27日、兵庫県森林動物研究センター主催の「-野生動物の保全と管理の最前線―ツキノワグマの大量出没の要因と対策を考える」シンポジウムが、兵庫県立美術館ミュージアムホールで開かれ、230名が会場を埋めました。野生動物保護管理派すなわち人間が管理(=殺す)して、野生動物の生息数を適正頭数に落とすべきと考える行政や研究者たちが勢ぞろいしました。4人の研究者全員が、兵庫県森林動物研究センターと兵庫県立大学に所属されており、パネルディスカッションも、この人たちだけで(!)なされました。
全員の発表内容をまとめると、兵庫県の山の自然環境は大変良く、クマも増え過ぎて、個体数調整に乗り出さないといけない時期に来ているということでした。
(発表内容の要約)
●兵庫県の山は戦後、どんどんとアカマツなどが消え、クマの棲めるコナラなどの自然の森が増え、動物たちにとって大変好環境なものに変化した。(論拠はカラーの植生図)
●最近、クマは年平均22%ずつ増えており、1994年に60頭だった生息推定数が16年後の2010年には、313頭~1651頭と予測される。中央値は649頭で、もはや保護対象動物ではなく普通獣にすべき。(クマ生息推定数の論拠は、因子分析法による。主な因子は2つで、クマの目撃数と捕獲数の増加)
●昨年2010年のような山の実り大凶作年でも、駆除したクマを解剖すると、栄養状況もよく太っており、雌グマの93%に黄体または胎盤痕が確認され、兵庫県の雌グマは良好な繁殖状況である。(論拠は有害駆除された多数のクマの解剖)
●昨年秋は、クマたちが柿の木を自分のものとして行動がエスカレートし、味をしめて人里に大量出没した。クマはブナ・ミズナラ・コナラの実りが全くなくても、ウワミズザクラやオニグルミを食べて十分生き残れるから、去年の様な大凶作年でも人里に出て来たクマはお仕置きをして山に返し、2回目出てきたら学習能力のないクマとみなして殺処分すべし。(兵庫県は2010年度、この考えに基づいて、7頭のこぐまも含め70頭のクマを有害捕殺した。ちなみに、隣接する岡山県では、同じ状況下であったが、人里に出て来たクマは全て奥地放獣し、クマの捕殺数はゼロであった)
(感想)この発表を兵庫県のクマたちが聞いたら、殺されていくクマたちの苦しみがかくもわからぬのかと、号泣するだろうと感じました。研究者たちの発表は、わたしたち熊森が奥山を歩き続けて感じている動物たちの生息環境が大荒廃して生き残れないという危機的な状況と180度反対で、ミステリーそのものでした。発表者たちが具体的にどういう手法でこのような結論を出されたのか、質問したいことが山のようにいっぱい出ましたが、質問は質問用紙に書かれたものから当局が選択したものだけに限られていたので挙手する場がありませんでした。
兵庫県の野生動物保護管理の研究や現場の実態はこれまでも今もわたしたちに非公開であり、私たち県民や市民団体には情報がほとんどありません。結論だけ発表されても理解できませんでした。是非、全てを公開していただきたいものです。
「熊森が、質問できないようにうまく終われた」と、主催者たちが後ろで笑いながら私語していましたよと、ある参加者が教えてくれました。しかし、熊森はこれで終わるつもりはありません。機会を見つけて、わたしたちと結論が正反対になっているわけを、納得するまで質問していきたいと思います。わたしたちは、かれらの発表したことをテープ起こししてとりあえず保存しました。以下が、当日の発表者たちです。
司会者 林 良博 兵庫県森林動物研究センター所長
発表者 兵庫県森林動物研究センターより
「出没及び被害の発生状況と対応」 稲葉一明 森林動物専門員(県庁職員)
「生息環境と堅果の豊凶」 藤木大介 研究員 兵庫県立大学
「保革個体の栄養状態と繁殖状況」 中村幸子 協力研究員 兵庫県立大学
「生息動向の推移と個体数推定」 坂田宏志 主任研究員 兵庫県立大学
「行動特性と出没との関係」 横山真弓 主任研究員 兵庫県立大学
動物の棲める森を復元し続けているクマ生息地の幸福さん
2004年から日本熊森協会と強力にタイアップして奥山保全・復元活動に取り組んでおられる兵庫県宍粟市のクマ生息地にある兵庫一大きい原観光リンゴ園の専務理事である幸福重信さんを、3月20日、熊森本部スタッフ4名で訪問しました。(写真は幸福さん)
幸福さんは、かつて営林署の職員として、国有林の広葉樹林を伐採してスギ・ヒノキに植え替えていかれました。その後、過疎化高齢化が進むふるさとを活性化させようと兵庫県で初めてのリンゴ園作りに取り組まれます。そのリンゴ園を平成16年に台風16号が直撃し、7割以上のリンゴが落ちてしまいました。さらに、その年は奥山もかつてない大凶作で、空腹に耐えかねたツキノワグマが毎夜5、6頭やってきて、残りのリンゴを全て食べ尽くしてしまいました。
ふるさとのために地域の組合員と一緒に開園したリンゴ園が、窮地に追い込まれたのです。クマが憎い、けれども周りの山を見てみると7割以上がスギの人工林でした。天然の広葉樹林を針葉樹林に変えてしまったことを後悔されました。クマも被害者だったと、この時気づかれたそうです。
それ以降、大凶作年でクマがリンゴ園にやって来る年には、幸福さんは日本熊森協会などと協力して、おなかをすかせた森の動物たちのために、リンゴ園の外にどんぐりや落ちリンゴなどを置いてやっています。そうすることで、クマだけでなく鳥や蜂に商品用のリンゴが食べられることも防げるようになったと喜んでおられました。
幸福さんはかつて赤坂御所にて天皇・皇后両陛下に面会し、「全ての生物が共生できる豊かな森づくりに生涯を捧げます」と宣言されたそうです。現在、針葉樹林での間伐や広葉樹の植樹を積極的に行ない、森の復元に全力を注いでおられます。
先日、県庁主催の会議の席で、兵庫県内のある町長が、「農業のことをもっと考えて、動物をもっと殺してください。」と県に訴えておられたことを話すと、「農業を守っていくということは、動物を殺すということではない。農・林・漁業は結びつけて考えないといけないよ。人間が森林を針葉樹の単一林に変えてしまったから動物が住めなくなったんだよ。だから、多様な動物が住めるように人間がもう一度手を入れないと」と、おっしゃいました。
「昔は農と林は結びついていた。水は田んぼから生まれないんだよ。水は森からだ。森がつくったきれいな水を川が海に運んでいく。これが自然界の循環だ。これを守ることが、持続可能な生き方だよ。」「人間だけが生きていける環境なんかないんだ。動物たちが食べられる物を山に植えて、動物たちが安心して暮らせる場所を作ってあげる。そうすることで動物たちが人里に出てこなくなる。人と動物がいがみ合う時代はもう終わったんだよ。」と言われる幸福さんは、昨年だけでも50回ほどメディアに取り上げられました。全国からたくさんの応援の声が届いたそうです。ほとんどの日本国民は、幸福さんと同じ気持ちだと思います。
人間が犯した過去の失敗をバネにして、自然との共生に熱心に取り組む幸福さんの一言一言には、どんな論文よりも強い説得力がありました。全国各地でこのような野生鳥獣との共存、森の復元再生の実践活動に取り組んでおられる方、ぜひ日本熊森協会までご一報ください。動物たちや自然のために何かしたいと考えておられる全国の方がたに、あなたのお話を紹介させてほしいのです。
(原リンゴ園に隣接する地区共有のスギ人工林を強度間伐した場所。植樹したミズナラやコナラなどのどんぐりの木が立派に育っている。クモもやってきて、巣を作りだした。)
ぽかぽか陽気の中、今年本部2回目のお世話
- 2011-02-26 (土)
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3月20日 山梨県・宮澤正義先生講演会
- 2011-02-14 (月)
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地震後の交通等規制のため延期となりました。
2011 年3 月20 日(日曜日)
13:30~15:30/質疑応答~16:30 終了
山梨県職業能力開発協会(山梨県中小企業人材開発センター)
甲府市大津町2130-2 *アイメッセ山梨すぐ側
参加無料
小学生の高学年からお聴きになれる内容です。
「初めてわかった、クマの本当の姿」
かつて森の王者といわれたクマが、いまや絶滅寸前。地球上の生物多様性が猛スピードで失われているいま、人間と野生動物の「真の共存」についてお話しします。
人間が入ることなどほとんどなかった数十年前の長野の山奥で、宮澤先生は1日山に入ると、20 頭のツキノワグマとすれ違っていたと言われます。無数のクマに合ったけれど、何かしてきたクマなど1頭もいませんでした。人間よりも大きくて力も強いのに、なんて平和的な動物なのだろう。宮澤先生は次第にクマに魅せられていくようになり、後年、10 頭のツキノワグマと自宅の500坪の庭で20年間、家族同様に暮らされることになるのです。一緒に暮らしてみて、はじめてわかるクマの本当の姿。クマの優しさ、賢さ、がまん強さ、飼い主に示す深い感謝の念に、敬意すら抱かれるようになっていかれました。
【宮澤正義先生 プロフィール】
野生動物研究者(ツキノワグマ研究第一人者)
1927 年、長野市生まれ。長野電鉄勤務、水稲・リンゴ栽培の農業のかたわら、野生生物及び生物環境学を研究。
主な著書に『ツキノワグマ日記』『クマと暮らして』
『クマは警告する』『家族になった10 頭のクマ』。
【主催】 日本熊森協会 山梨県支部
【申込・問合せ】
Tel.090-8348-4067(岡)
090-3137-7856(清水)
FAX.055-266-5095
E-mail rightstaff_akemi@yahoo.co.jp
兵庫県が国に「夜間狩猟特区」などを申請して却下されていた
兵庫県自然環境課が環境省に申請して却下されていた事項を、環境省のHPから見つけ出してびっくりしました。いずれも野生鳥獣の大量捕殺を促進させるためのものです。
①特定の鳥獣保護区で、冬場、シカ、イノシシを罠で獲っていいようにしてほしい。
②銃所持許可者に対して、狩猟免許技能試験の一部を免除していいことにしてほしい。
③シカ害が大きいところでは、夜間の銃猟を認めてほしい。
さすがの環境省も、生息環境の攪乱につながる恐れがあると却下したそうです。環境省に拍手するとともに、兵庫県民として恥ずかしいです。以前、担当部署に、野生鳥獣を敵視して捕殺を進めることしか考えないタイプの人がついていたとき、どんどん野生鳥獣の捕殺が暴走していきました。野生鳥獣にも生存権を認め、共存していこうというタイプの人が部署についたときは、荒廃した山を復元して山に動物たちが帰れるようにすべきだとし、できるだけ野生鳥獣を殺さない方向に舵がとられました。行政の全ての部署は、人間のために存在しています。せめて、自然環境課だけでも、自然や野生生物の立場に立って、発言できる人をあてていただきたいものです。
わたしたちは、兵庫県庁の自然環境課のどなたがこのような環境省もあきれて却下するような案を出されたのか、知りたいです。そのような案を出してきた人がいた場合、自然環境課として押さえられなかった組織のしくみも、知りたいです。これまで日本一のクマ保護先進県であった兵庫県が、2010年度、子グマまで殺す70頭のクマ大量捕殺県に転落したのと関係がありそうな気がしてきました。
2011年2月26日(土) 鳥取県支部 宮澤正義先生講演会
2011年2月26日(土) 鳥取県支部 宮澤正義先生講演会
2010年、鳥取県でもクマが夏から次々に人里に現れ、捕獲数は117頭に上り、その内、補殺数38頭、放獣数79頭(内誤捕獲47頭)となりました。人 里へ現れたクマをなぜ殺してはいけないのか、クマが自然の中でどのような重要な役割を果たしているのかという事を、20年間10頭のツキノワグマと共に家 族として過ごされてきた宮澤正義先生から、鳥取県の皆さまにお話頂きます。ご家族、ご友人をお誘い合わせの上是非ご参加ください。
日時:2月26日(土)
13:30~15:30 宮澤正義先生 講演
15:30~16:00 質疑応答
場所:鳥取市文化センター
対象:会員および一般
主催:日本熊森協会鳥取支部
連絡先: 圓田章三 支部長
TEL:080-5614-1397/085-858-4043
FAX:085-858-4043

宮澤正義先生
2月19日(土)奥山水源の森保全再生を進める兵庫県民のつどい
[主催] 日本熊森協会兵庫県地区
[日時] 2011年 2月19日(土)
(受付13:00) 13:30~17:00
定刻5分前には、ご着席完了願います。
[場所] 西宮市民会館 101
TEL: 0798-33-3111
阪神西宮駅「市役所口」改札北へすぐ。
車の方は、市役所東向かいの公共有料駐車場をご利用ください。
主な内容
◆〈国会〉
奥山水源の森保全・再生議員連盟報告
特別ゲスト 石井 登志郎
1971年生まれ。衆議院議員。奥山水源の森保全・再生議員連盟事務局長。民主党兵庫県七区。
熊森本部 清野 和彦
◆〈兵庫県〉
2010年度兵庫県70頭クマ大量捕殺
問題の報告
熊森本部・兵庫県地区
◆お申込み:ご出席頂ける方は、会場設営の都合上、2月16日(水)までにメールか電話または、FAXにて必ず日本熊森協会本部事務局まで、事前申し込みをお願い致します。
日本熊森協会
〒662-0042 兵庫県西宮市分銅町1-4 TEL: 0798-22-4190
WEB: http://Kumamori.org Email: contact@kumamori.org FAX: 0798-22-4196