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2011-08

第16回本部原生林ツアー無事終了 岡山県支部も同日実施

本部がある兵庫県西宮市から一番近い原生林は、岡山県西粟倉村の若杉天然林です。熊森は1997年の結成当初から、毎年夏休みにバスをチャーターし、子供たちにも参加を呼びかけて、欠かさずこの原生林を訪れてきました。今年は8月7日(日)、計53名のみなさんが、ご参加くださいました。同日同じ場所で岡山県支部による原生林ツアーも実施されており、一瞬の出会いがありました。大好評のうちに無事終了。参加くださったみなさん、ありがとうございました。

道中、たつの動物園のクマ獣舎によって森づくりの名人、オスメス2頭の兄妹のクマさんにご対面。暑い日でしたが、クマさんが奥から出てきてくれました。熊森の要望を取り入れていただき、クマ舎が広くきれいに改造されていました。

道中、ヒノキの放置人工林の中に入り、林業や人工林にくわしいスタッフから、現状を説明していただきました。沢の水が干上がっていました。

86ヘクタールある若杉天然林の入り口です。


保水力抜群の天然林の中はしっとりと湿っており、谷川にはこんこんと水が流れ続けていました。昔はこんな森が奥地にいっぱいあったそうです。

若杉天然林の中で説明を聞く参加者の皆さんです。

今回参加できなかった方は、来年ぜひご参加ください!

参加者アンケートから:
 最高だった。
 いなか出身なのに、知らないことがいっぱいだった。
 とても幸せな一日だった。
 バスや森の中での若いスタッフたちの説明が、とてもよかった。
 原生林を守ることに参加したい。
 はつらつとした若いリーダーたちが、皆良く勉強しているのがわかり感動した。

9月11日兵庫の森・動物・人を守るつどい in 姫路 (初)         

定員に達したため、応募を締め切らせていただきました。

20110911HyogoMeeting1.jpg

兵庫県播磨地域、揖保川、加古川、市川、千種川流域にお住いのみなさん、お誘いあわせの上、ご参集ください!

兵庫県では2010年秋、山の実りの異常な大凶作によって生きられなくなり、里におりてきた70頭ものクマたちが殺されました。
県のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているクマの大量捕殺は大問題です。
兵庫の奥山は動物たちを養えないまでに大荒廃しています。
大切な情報が隠され続けているこの国で、森と野生動物・人に何が起こっているのか正しく知り、解決に向けて私たち市民に何ができるのかを共に考えましょう。
熊森はじめての姫路市での大きなつどいを、成功させましょう。
集まることが大きな力に!
(ここをクリックすることで、左上チラシのPDFをダウンロードできます)

兵庫の森・動物・人を守るつどい in 姫路

[主催] 日本熊森協会明姫地区
後援 姫路市

[日時] 2011年 9月11日(日) 13:30~16:30  (受付13:00~)
定刻5分前には、ご着席完了願います。

[場所] 姫路市民会館 第六会議室(姫路市総社本町112番地 079-284-2800)

姫路市民会館ホームページ

車でお越しの方は、市民会館には駐車できませんので公共有料駐車場をご利用ください。

[主な内容]

・日本熊森協会 森山まり子 会長 挨拶

〈国会〉
・特別ゲスト 衆議院議員 赤松正雄 氏
厚生労働副大臣、衆議院国土交通委員長、同総務委員長などを歴任。
奥山水源の森保全・再生議員連盟副会長。日本熊森協会顧問。

〈兵庫県〉
・動物の棲める森を再生し、クマと共存
講演 幸福重信 氏 「いのちの森の再生にかける」
兵庫県宍粟市原不動滝観光リンゴ園 専務理事
くまもりNews「動物の棲める森を復元し続けているクマ生息地の幸福さん(2011年3月24日)」

・兵庫県の森・動物・人をめぐる現状報告・意見交換会
(2010年 兵庫県クマ70頭大量捕殺など)

◆お申込み:ご参加頂ける方は、会場設営の都合上、9月8日(木)までにお申込フォーム、メールか電話または、FAXにて必ず日本熊森協会本部事務局まで、事前申し込みをお願い致します。

一般財団法人 日本熊森協会  担当:清野
〒662-0042 兵庫県西宮市分銅町1-4 TEL: 0798-22-4190
WEB: http://Kumamori.org Email: contact@kumamori.org FAX: 0798-22-4196

かつてクマたちの国だった紀伊半島最奥地の植林地を調査

かつては修験道の山で、普通の人は入れなかった紀伊半島最奥地の山々を地元の林業家の方に案内してもらいながら調査しました。よくぞこんな奥地にまでと信じられないほど、スギの人工林で埋まっていました。しかし、植えてはみたものの、林業不振で林業撤退者が続出。このあたりでもかつて30軒あった林家ですが、今では1軒になってしまったそうです。しかも、その残された林家の方も、経営は苦しく、親から林業を継いだことを後悔しているということでした。民主党が国会で成立させた「森林・林業再生プラン」について感想を聞くと、こんな急峻な山奥で大型林業機械なんて入れられないし、路網整備も山崩れの元だし・・・ここらでは無理という事でした。日本ではこのような急峻な山がほとんどなのですが。国はどう考えているのでしょうか。熊森は、林業家のためにも、このような最奥地は、野生鳥獣たちに早急に返してやるしかないと考えます。

100年スギの人工林です。手も入れてきたし、木は良く育っています。しかし、搬出コストを考えると赤字になるので、伐り出せないそうです。「こんなことになるなんて・・・」案内して下さった林家の方は落胆しておられました。

民間のスギの植林地や国による分収造林地が山奥の奥まで続いています。林業家としてがんばって間伐して手を入れて来られたそうですが、林業地としてもうあきらめておられる感じでした。

何カ所か、スギの木の皮がはがされていました。クマなのだそうです。このあたりのクマは、皮をはがした後をかじるのではなく、爪で無数にひっかくことがわかりました。地域によるクマ文化の違いです。この木はもう材としてはだめだそうです。(搬出できない場所なので、どうせ売れないのですが)このように皮はぎのある地域では、クマは林業家の敵です。ここでも、くくりわなにかけて、猟友会に撃ってもらっている林業関係者たちがいるそうです。2年ほど前、この県の林業家の皆さんにお会いした時、今でも、林業を守るため、クマをわなにかけて次々と獲っていると教えてくれました。県の有害駆除数発表は毎年ゼロですと言うと、誰も届けませんからという答えでした。この国では、野生動物保護のためのチエック機能がないので、紀伊半島のクマは絶滅危惧種であっても、殺され続けているのが現状です。本来、環境省が調査し、指導すべきなのですが、日本の環境省は、わたしたちが何度訴えても、違法捕殺を調べようとしません。国民はこの現状を知るべきです。

針葉樹でほとんどが埋め尽くされた山の中には、動物たちの食料がありません。しかし、山林所有の境界線上にだけ、境界が分かるように、ブナやミズナラの巨木が残されていました。その1本であるトチノキに、最近クマが登った跡がついていました。実もない時期です。花でも食べに来たのでしょうか。人間に追い詰められたクマたちが、ここにはまだ風前の灯状態で間違いなく残っている。胸が騒ぎます。熊森としては、このあたり一帯の罠を撤去し、植林地を強度間伐で自然林に戻したいという強い衝動に駆られました。野生動物たちが山から出て来て農作物被害を起こすと怒り狂っておられる方々に、奥地のこの現状を、一度見て頂きたいです。戦後人間が行った森林破壊を見て、それでも一方的に動物たちを責められますか。

国や行政は、動物たちを殺すことしかしない。もうがまんならない。国の対策は間違っている。県民が声を挙げよう。和歌山県で、熊森協会の支部結成が進み出しました。

平井憲夫氏の文を600部配布した女性

広島原爆記念日の8月6日、広島県の68才の女性から、連絡が入りました。くまもりから回ってきた平井憲夫氏の文を、原発のあるすべての県の知事と市長村長に送付し、残りはお嫁さんに手伝ってもらって、手渡しなどで600部配布しましたということでした。600部には驚きました。今まで報告を受けた中で最高部数です。コピーでは高くつくので、印刷されたそうです。福島県でも600部配った人を知っていると言われていました。

年金生活なので、財布の中をにらみながらの活動ですと笑っておられました。どうしてそこまでときくと、1歳2か月の時、原爆投下地点から2キロの場所で被爆しましたということでした。死線をさまよう症状がでたそうですが、その時は、放射能にやられたという事が誰もわからず、親たちも疫痢に感染したと言われて信じたそうです。当時は、義援金などないので、自力で生きるか死ぬかしかなかったそうです。平和祈念式典での菅総理の脱原発あいさつを心から喜んでおられました。

いまだに原発必要論者がいるそうですが、全国民が想像力たくましく、被ばく者になりきってみることが必要だと思いました。

8月20日(土) 第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011in立命館」(京都)のお知らせ

8月20日(土) に立命館大学、及び、森びとプロジェクト委員会主催の、第4回「森と生きるキャンパスフォーラム2011」が立命館大学朱雀キャンパス「大講義室」にて開催されます。午前中は建勲神社鎮守の森のナラ枯れと防除方法を現地で見学し、午後はキャンパスで質疑・討論会。共に参加費無料です。現地視察をした上で意見を交わし合える貴重な機会ですので、ご家族ご友人をお誘い合わせの上、是非ご参加ください。熊森本部も参加します。

スケジュールは以下の通りです。
チラシ

10:00 建勲神社鎮守の森観察会(定員100名・要申込)
12:00 昼食・移動
13:00 開会あいさつ・来賓あいさつ
13:15 質疑・討論
テーマ:みんなの知恵でナラ枯れ防止!
■座長
岸井成格氏 (森びとプロジェクト委員会理事長)
■アドバイザー
青木淳一氏 (横浜国立大名誉教授)
小川眞氏   (大阪工業大学客員教授)
小林正秀氏 (京都府立大学特別講師)
京都市代表
■アシスタント
高橋佳夫氏 (森びとプロジェクト委員会副理事長)
16:50 フォーラム宣言(案)採択
17:00 閉会あいさつ
17:30 懇親会(希望者・会費制)

森びとプロジェクト委員会 連絡先
電話 03-5692-4900
メール info@moribito.info

「ふまないで、小さなアリにも大事な命」的思想と、 さらなる鳥獣大量捕殺法案

2007年に国会で成立した「鳥獣被害防止対策特措法」は、野生鳥獣によって増大する農作物被害を軽減させるため、野生鳥獣の大量捕殺に多額の予算(国民の税金)を使うことを決めたものです。この法案が成立して、どれくらい多くの野生鳥獣が殺されたことかはかりしれないものがあります。今回、さらにもっと大量に鳥獣を殺せるように予算を増やすことを求める法案が、自民党の鶴保庸介参議院議員らの議連から提出されようとしています。

幼稚園生のとき、「ふまないで、小さなアリにも大事な命」ということばを先生が教えてくださったことを思い出しました。これこそ、日本文明であり、祖先の心だと思います。野生鳥獣の大量捕殺を促進せよと叫んでいる人たちは、なぜ野生鳥獣が山から出てきているのか、考えられたことはあるのでしょうか。原因は全て人間が戦後に行った自然破壊なのです。この人たちは、補殺した動物たちを、「有効利用」という名目で、どんどん食べようと呼びかけられていますが、私たちの祖先が聞けばひっくり返るのではないでしょうか。

熊本の平野虎丸さんのブログによると、8月1日の熊本日日新聞の社説は、鳥獣大量捕殺を求めるものだったそうです。

8月1日 熊本日日新聞 「増える有害獣 捕獲の担い手確保が必要だ」

この社説を読んで悲しくなると同時に、自分たちが鳥獣の生息地を奪ったことへの反省もなく、鳥獣を殺すことと食べることしか考えない思考形態に、恐ろしさを感じました。日本人はどうなっていくのだろうか。今も、「ふまないで、小さなアリにも大事な命」が、日本文明のはずです。水道の蛇口をひねると水が出てくるこの国の豊かさは、他生物への尊厳思想によるものです。

原発推進は、やはり利権だったのだ 記者のみなさんに、奥山保全・復元問題もあばいてほしい

共同通信記者の調べで、以下のことが明らかになったそうです。

● 自民、個人献金72%は電力業界から(7月23日新聞)

● 電力労組民主に1億円超 労使一体で原発推進(8月1日新聞)

どうせこういうことだろうとは思っていましたが、やっぱりそうだったのですね。わたしたち一般国民には、捜査能力がないのでもどかしかったのですが、日本にも真実を国民に伝えようと命がけで使命に取り組む記者たちが現れたもようです。共同通信の記者の皆さんに、大拍手です。

私たちが取り組んでいる、大型野生鳥獣保護、外来生物根絶殺害問題、奥山保全・復元などの問題も、利権をねらって腐敗した産・官・学・政の隠ぺい策と、その正義感故に声を上げようとする者たちへの弾圧策で、一向に問題解決が進みません。これらの分野にも、記者さんたちの調査が入って、真実をあばいてほしいと強く願います。本当のことが明らかになってくれば、害獣扱いをされて殺し続けられている鳥獣たちが、涙を流して喜ぶことでしょう。

熊森と放射能汚染問題

わたしたちはその困難さからどこもだれも取り組んでいない、全国規模の奥山保全・復元に取り組むという大活動に、本気で取り組んできました。しかし、3月11日のフクシマ原発事故以来、さらに大きな絶句するような困難が、わたしたちの活動の上に覆いかぶさってきました。守ろうとしていた自然環境の上に、野生生物たちの上に、そして、わたしたちの上に、量の多少はありますが、毎日、放射性物質がいつ果てるともなく全国規模で未来永劫に降り注いでくるようになったのです。国や電力会社が、真実の情報を「かくす」「答えない」「もみつぶす」作戦に出ていることは、多くの国民が気づいています。せめて、産・官・学・政・情のみなさんには、本当の情報を国民に発表していただきたいです。ホットスポットがどこなのか教えて下さらないと、当協会東日本の支部会員達は、怖くて山に入れなくなっているのです。

ただ今、一般財団法人日本熊森協会へ会員移行か退会か、 ボランティア会員、賛同会員のみなさんにはハガキで問い合わせ中

会員の皆さんへ

現在、任意団体日本熊森協会から完全民間の一般財団法人日本熊森協会への会員籍移行事務が始まっています。会費納入を伴う会員種のみなさんについては、これまでも、いろいろな方法で会員継続意思の確認を行ってまいりましたが、今回改めて現会員のみなさん全員に、会報68号に同封した用紙でこのことをお伺いさせていただいています。会員継続していただけることを願っておりますが、退会をご希望される方は、どうぞご遠慮なく本部までお知らせください。引き続き会員継続して下さる方は、日本の自然を守るために、日本にも大きく強い自然保護団体を育てねばならないという偉業に、今後も寄与していただくことになります。

また、会費納入不要のボランティア会員、賛同会員のみなさんには、これまで手が足りなくて会員継続意思の確認を行えていませんでしたが、この際、会員籍移行希望または退会のどちらかを選択していただくことをハガキで問い合わせています。こちらの方も、会員継続していただけることを願っておりますが、退会をご希望される方は、どうぞご遠慮なく本部までお知らせください。尚、来年度からは、会費不要のボランティア会員と賛同会員の新規募集はなくなります。

この国で、行政から1円も支援してもらわず、行政の下請け事業も取らず、当協会のような中立の市民団体を立ち上げ大きくしていくことは、大変な難事業です。わたしたちは、これまでもこれからも苦労の連続です。ここまで会を大きくしてこれたのは、会の中心メンバーたちの、国にもしっかりとものが言える市民団体をこの国に作っていかねばならないという人生をかけた想像を絶するがんばりと、賛同して下さる会員のみなさんのおかげです。会の形や会員種別が変更となり、とまどわれる方もおられると思いますが、会を発展させていく過程でやむをえない変更です。どうぞ、ご理解の程をよろしくお願いします。

クマ:山中で遭遇、男性が顔にけが--養父・八鹿 /兵庫 行政対応は注意喚起のみ

7月31日午前9時ごろ、養父市八鹿町米里の山中を歩いていた同市内の自営業の男性(64)がクマと遭遇、顔などをひっかかれ、軽いけがを負った。養 父署によると、体長1メートルの子グマ。男性は県猟友会員で、別の会員と2人でシカを駆除するわなを点検するために山道を歩いていたところ、突然やぶの中 から飛び出してきた。一帯はクマの生息域で、同署は付近住民に注意を呼びかけている。(毎日新聞記事より)

兵庫県で野生鳥獣に対応している森林動物研究センターに、今後のこのクマへの対応を問い合わせたところ、クマ生息地の山中で起きた事故であることから、当然ながら捕獲予定はないとのことでした。猟友会の皆さん、近年クマは奥山にいるとは限りません。今回のように集落から100mの所にもいますので、音のするものを持って入るなど、事故防止を怠らないように気を付けてください。

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