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2011-09-04

哀悼 絵本作家松下千恵さん(和歌山絵本の会会長)死去

新聞報道によると、和歌山絵本の会代表の絵本作家、松下千恵さんが、8月18日に61歳で亡くなられたということです。謹んで哀悼の意を表したいと思います。

わたしたちと松下さんの出会いは、今から19年前のことです。当時、和歌山県の元理科教師東山省三先生が、我が子のように愛情を持って育てられたツキノワグマの太郎が近所の人の通報で行き場を失い、和歌山県によって秋田県のクマ牧場に送られようとしていました。

東山先生は、「太郎はうちの子だ、クマ肉缶詰なんかに絶対させるものか」と火を噴いたように県に立ち向かい、猛然と闘っておられました。これを知られた絵本作家の松下千恵さんが、「ツキノワグマ太郎」という絵本を緊急出版され、和歌山県を中心に「太郎を救え!の大合唱を巻き起こされたのです。

こうして太郎はめでたく、和歌山県が建てた生石高原山頂近くの獣舎で、生涯を無事に送れることが保障されました。生石高原の新築獣舎の中に入って太郎と楽 しそうに遊んでおられた松下さんの姿が、昨日のように思い出されます。わたしたちは、東山省三先生のがんばりはもちろんですが、松下さんの描かれた1冊の 絵本が太郎の命を救ったと感じたものです。

あれからずっと、私達と変わらぬ親交を続けてくださった松下さん。本当にありがとうございました。

「和歌山県民は、もともと生き物にとてもやさしいんよ」と、今では夢物語と思えるほどの、昔の和歌山での人間と動物達との信頼感あふれるほのぼのとしたふれあい話をたくさん聞かせてくださいました。

今、和歌山県選出国会議員が、野生鳥獣の生息地を人間が壊したことは棚に上げておいて、野生鳥獣なんか大量に捕殺して食べてしまおうという法案を国会に出したことを知られたら、どんなにか胸を痛められることでしょう。

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