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2011-09-08

論文書きに追われる研究者の実態

今日、本部事務所の近くにある関西学院大学で、環境科学会という学会が開かれました。この学会で発表された研究者が、帰りに熊森本部に寄ってくださいました。

学会で15分間発表(うち質問5分)するには6千円も出さねばならないそうです。研究者たちが全国から集まってきて、こんな髙いお金を出してまでなぜあちこちの学会をはしごしながら発表するかというと、その年に何回発表したか、何回論文を出したかによって、国からもらえる研究費が決まるからだそうです。中身よりも回数ということで、多く発表すればするほど、大学内の地位も上がり、大学のランクも上がるのだそうです。そのため、研究者は共同研究したような感じにして、自分がやっていない研究にまで、とにかくあちこちに名前を出そうとするのだそうです。日本では、研究費を出してくれるのは国か企業だけ。企業はもうかりそうなテーマにしかお金を出さない。そういうわけで、環境科学会なのに、経済にからめた発表でいっぱいだったそうです。

国策に反するような研究内容の論文を書いても、論文を提出したとカウントされるのかきくと、そういう論文は学会から突っ返されて受け付けてもらえないから、カウントされないんだそうです。こうやって、国は見事に研究者をコントロールしていくんでしょう。これが、日本の研究者、学会の実態なんですね。ちなみに、アメリカでは中立の財団があって、国策に反するような内容でも、研究費が付くということでした。日本はまだ、お上の国だったんだ。

鳥取県原則クマ殺処分問題への対応速報

くまもり鳥取県支部は見出しの問題について、今朝10時、急遽、支部長以下支部員らが鳥取県庁にクマ対応の方針転換を求めて駆けつけました。しかし、担当部署は午前中は会議で、午後からでないと会えないということでした。午後1時からの面会に期待します。詳細が入り次第、ご報告します。

鳥取県庁クマ原則殺処分への反論

鳥取県生活環境部公園自然課 電話 0857-26-7199   FAX 0857-26-7561

①ありえない異常年であった昨年度を基準にするのはおかしい

猛烈な暑さであった2010年度は、なぜか春、ブナ科樹木の花が咲かず、奥山のクマの夏の食料である昆虫が見当たらず、ナラ枯れは山が赤くなるほどの猛威を振るい、冬眠前の必須食料であるわずかに残された秋のドングリ類の実りはゼロという前代未聞のありえない異常年であった。そのため、生きられなくなったクマたちが夏から人里に次々と出てきた。このようなかつてない異常年のことを持ち出して、今後の鳥取県のクマ対応を決めるのはおかしい。その証拠に、今年は、残された自然林の山の実りは良い。去年の様なクマ事態には発展しないことは誰でもわかっている。

②生息推定数の根拠を示してほしい

クマが鳥取県に何頭いるかなど、わかる方法など絶対にない。200頭~450頭を主張する研究者の名前とその根拠を示してほしい。もし根拠が不正確だと、大問題だ。

③鳥取県での絶滅しない個体数を示してほしい

絶滅しない個体数を主張する研究者の名前とその根拠を示してほしい。もし根拠が不正確だと、大問題だ。

④鳥取県の県平均人工林率は54%、どうやってクマに生き残れというのか

クマが人里に出てくるのは良くないが、一方、人間が戦後の拡大造林で壊した広大なクマの奥山生息地の責任を、人間はどうとるのか。奥山を荒らしたままにして、クマだけ殺すというのなら、倫理観が欠如しすぎている。
残酷過ぎて子や孫に聞かせられない話だ。

兵庫県の県平均人工林率は42%。しかし、クマ生息地の町に行くと、人工林率は60%、70%、80%を超えている所も多い。鳥取県のクマ生息地の人工林率を発表してほしい。大変な高率になっているはずだ。その上、人工林は林業不振で放置され、林内は砂漠化している。クマたちが人里に出て来なくてよい状況を、たとえ少しでも造ってやったのかどうか問いたい。

⑤利害関係者とはだれか

今回の決定は利害関係者からおおむね賛同を得たということだが、クマの立場に立って発言する人はいたのか。クマがいたら困るという害害関係者や、クマを害獣と錯覚している人たちと、クマとの共存の大切さを理解している人たちとの比率は同等であったのか知りたい。もし、偏りがあるなら問題だ。

⑥2016年のクマの生息数が530頭~850頭の根拠を示してほしい

去年殺して解剖したクマの生殖状況が良かったという事だが、それは山の実りが豊作だった2009年の結果である。この結果を適用するのはおかしい。昨年度、大凶作年のため、繁殖は悪かったと思われる。その考慮がなされていないのはおかしい。この数を主張する研究者の名前とその根拠を示してほしい。

⑦結論

野生鳥獣の数を人間がコントロールするなどできるものではない。共存というのは、人と野生鳥獣の信頼関係によって成り立つもので、クマを個体数調整の名で殺し始めれば、クマはますます人間に恐怖を持ち、会った時逃れようとして人身事故を多発させることが考えられる。何頭いるのか誰にも分からないが、奥山を、クマたちが棲めるように復元して動物達に返してやり、棲み分けを復活させるべきだ。野生鳥獣の個体数調整は、解剖して論文を書きたい野生動物管理村の研究者と、捕獲業で設けたい業者の利権に、行政が踊らされているだけである。行政に携わる人たちが人間性を呼び戻してくださるように望む。

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