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2012-01-27

兵庫県が「第3期ツキノワグマ保護管理計画案」に対するパブリックコメントを募集中!1月31日締切

兵庫県は、これまでのツキノワグマ保護体制を180度転換し、大量捕殺を可能にする「第3期ツキノワグマ保護管理計画案」(平成24~28年度適用)を作成しました。

◆計画の内容は、
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1、兵庫県内のクマが7年間で6.5倍に増加した(年間増加率30%)等と、目撃数と捕獲数の増加 を2大因子とする(注)偏った推定計算に基づき、(注:兵庫県は、クマ生息地住民に集落周辺でのクマ目撃を報告するようにと最近再三呼び掛けており、報告に基づいてハチミツ入り捕獲罠を多数設置するようになってきています。このような状況下では、近年、集落周辺に棲むことを余儀なくされているクマたちにとって、目撃数と捕獲数が増えるのは当然で、その数から生息数を推定すると、クマ数が激増したことになってしまう)
2、クマが中間値650頭にまで増加していると推定して、今後は捕獲したクマを原則殺処分し、
3、生息推定数が800頭を超えた時点で狩猟禁止を解除する。
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という、恐ろしい内容になっています。

戦後の①拡大造林による奥山生息地の広大な喪失や、近年著しく進む残された②自然林の原因不明の劣化(酸性雨?温暖化?)によるクマたちの食料不足(自然林内の虫、魚などの大量消滅、木々の実りの不調)などの環境悪化については一言もふれておらず、クマが山から出てくるようになったのは、ただ単にクマが大量増加したからだとしています。生きられなくなって奥山から出て来て、集落近くに集結しているクマたちのドーナツ化現象を理解されていないようです。
ツキノワグマの捕殺を推進し絶滅させかねない、兵庫県の計画案の見直しを求めるため、心あるみなさんにパブリックコメントに応募していただきたいです。兵庫県民以外でも、どなたでも応募できます。

◆熊森の見解

この計画案は、クマの人里出没の原因である奥山生息地の喪失や荒廃などによる食料不足について全くふれていないばかりか、「兵庫の山は食料が豊か」と事実誤認している。さらに、科学的根拠を欠く推定生息数に基づき、ツキノワグマが異常増加したとして、捕殺を推進するものとなっており、とうてい認めることはできません。

このような、ツキノワグマの絶滅に拍車をかける計画案を根本的に見直すことを求めます。

【パブリックコメントについて】
Q1「兵庫県第3期ツキノワグマ保護管理計画案」は、どこで見られますか?
A 兵庫県庁のホームページで見られます。

Q2 意見はどうやって、どこに提出すればいいのですか?
A 記載様式は自由です。郵送、メール、FAXでご送付下さい。
【送付先】〒650-8567 神戸市中央区下山手通5-10-1
兵庫県農政環境部環境創造局自然環境課野生鳥獣係
Fax:078-362-3069
e-mail:shizenkankyo@pref.hyogo.lg.jp

Q3 保護管理計画案を読んでみましたが、むずかしくて分かりにくいのですが?
A 分かりにくく書かれていますが、思ったことを素直に書いていただいたらそれで大丈夫です。一行でも声を届けることが大切です。
【住所】 【氏名】 【電話番号】が必要です。

1月21日 本部森再生チーム本年初出動 チェンソーでスギ間伐43本

本部くまもり森再生チームの活動場所である兵庫県北部の山々は、今、雪に埋まっています。というわけで、森再生チームの出番は、例年、春からです。しかし、今年、地元から、雪のない山があるからと、新年早々、間伐を依頼されました。調査がてらに、4名で出かけまし

ヒノキの放置人工林です。外から見ると、青々としています。しかし、中に入ってみると・・・

これはひどい。内部は真っ暗で、草1本生えていません。そのため、表土が雨で流れ落ちてしまって、地面はガサガサです。ヒノキの放置人工林は、スギの放置人工林以上に、荒廃するのです。

これでは、クマどころか、虫も棲めません。

しかし、兵庫県行政の依頼を受けた兵庫県立大学の研究者たちは、兵庫の山は戦後、はげ山がなくなり、森林面積が拡大し、動物たちの餌は山に豊富にあると発表しています。ほんとうに、メディアと兵庫県民のみなさんに、この山の実態を見ていただきたいと思います。

近くで、カキの種がいっぱい入ったフンを見つけました。大きなフンでしたが、時間がたっているようで、あらかたが消えつつありました。クマのフンではないかと思われました。里のカキを食べて生き延びたんだろうか。どうか元気で生きていてほしいと思いました。

行政は、クマがカキを食べに人里に出て来ないようにと、カキの木を地元の人たちにどんどん伐らせています。このような話を聞くたびに、人間として、心が凍りつきそうになります。

山の調査をいくつか終え、昼食。

その後、チェンソーで、山主から頼まれたスギの放置人工林の間伐を行いました。本日の成果は43本です。ずいぶん山が明るくなりました。

熊森がボランティアで山を間伐してくれるというのを聞いて、山林所有者からの依頼が次々と誕生しています。

生きられなくなって山から出て来た動物を害獣として殺すのではなく、人工林を間伐して広葉樹林を復元し、動物たちが山に帰れるようにする。くまもり活動は、獣害に悩む地元の人たちのためにもなります。

このようなやさしい流れを全国に広めるため、今年も、熊森は会員のみなさんの会費を使って、本部、支部、地区、一丸となって森再生活動を大展開していきます。みなさん応援して下さい。

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