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2013-11

クマが来ないように、人家近くの美濃柿の巨木を強度剪定しました <現地活動>

美濃柿は、渋柿です。柿の木に新しい爪痕があるため、クマが最近来ていることがわかりました。

地面の上にはあちこちに、クマがかじって捨てた柿の実が落ちています。かじってみると、ひどい渋柿でした。

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クマは、この柿の木に付く実全部が渋いということがわかっていないのだろうかと思ったのですが、美濃柿でも赤く熟しているのはめちゃくちゃ甘くておいしかったです。(下写真) クマは甘くなったのだけを食べていることがわかりました。それにしても、いちいちかじってみないと甘いかまだ渋いかわからないのは、夜、暗闇の中でこっそり食べているからでしょうか。

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こわいので、クマが近くに来ないようにしてほしいという地元の方の要望を受けて、熊森が、この柿の木を強度剪定しました。

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美濃柿の遠景

 

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美濃柿の近景。最初の枝分かれのところまで2mはあるという巨木です。

 

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枝落とし開始。柿の木の枝は折れやすいので、要注意。

 

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チェンソーを樹上に持ち上げるのは危険なので、のこぎりで伐ろうと思いましたが、足場となる木の股がしっかりしていたので、やはりチェンソーで伐っていきました。

 

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林業従事経験はありますが、地上でまっすぐの木を伐っていただけです。樹上でのこんな伐採は初めてでした。

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完了。柿の木は剪定すると、来年いっそう元気に枝を伸ばすそうです。

 

この巨木の柿の根は、急斜面を支えているため、木そのものを伐採してしまうことはできません。

 

地上に落とした枝についているたくさんの柿の実を、明日、ボランティアの皆さんに来てもらって、もいで山に持っていこうと思います。

他にも同様の活動を行っているグループがありますが、もいだ柿の実を、人がジャムにしたり持って帰ったりします。山奥に持って行って、動物たちにあげるという処理法は、クマたちとの共存をめざしている熊森独自のものです。さらに、この柿の木の代替となるような柿の苗木を奥地に植えようと思います。これも熊森独自の柿伐採活動と言えるでしょう。

第5回 兵庫県国有林の間伐 <本部>

11月7日に実施された第5回兵庫県三室国有林の間伐の様子です。

この日は、3名でがんばりました。

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74本のヒノキを伐採して、枝落としなどの後の処理を行いました。

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だいぶんすいたかな?帰りに間伐中のヒノキ林を、少し離れたところから振り返って見てみました。

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うーん。まだまだですね。11月11日と12日にも、間伐に入ります。

手伝ってくださる方を募集中です。

リニア中央新幹線建設すれば、大井川上流部で大規模「減水」の予測 

人間は狂う動物である。いったん狂ってしまったら、行き着くところまで行ってしまう愚かさを持つ。常に他者の声に耳を澄まし、狂わないように気をつけたいものである。

 

人間、狂ってしまったとしか思えないことの一つが、リニア中央新幹線の建設である。

 

国土強靭化が叫ばれる中、子供が考えても国土弱体化どころか国土大破壊となるリニア中央新幹線の建設が、2014年から予定されている。

 

これからどんどん人口が減って、社会が縮小していくことがわかっている日本で、新幹線と同じようなところを飛行機以下の速度で走ってみて、一体何のメリットがあるというのか。いったん建設されれば、破壊された大自然は、もう2度と元には戻せない。40メートルという地下深くに掘られたトンネルは、2度と穴埋めなどできないのだ。このようなことを、「取り返しのつかない失敗」という。

 

他国は全てリニアから撤退したというのに、なぜ、日本だけが、南アルプスの大自然を捨ててまで、建設しようとしているのか。そんなお金があるのなら、これから老朽化してくる新幹線の補修費用に積み立てておいてこそ大人の知恵ではないのか。

 

JR東海の環境アセス準備書によると、リニア中央新幹線完成後に大井川上流部で流量が現況から毎秒約2トン減少するという。毎秒2トンは、上水道を7市約63万人が利用する大井川広域水道企業団の水利権量と同じだそうだ。
新東名高速道建設時の2000年には掛川市東山地区で粟ケ岳のトンネル工事後、地元の簡易水道の自己水源が枯渇する事態が発生した。リニアが通過する南 アルプスは大井川で一番重要な水源で、菊川市の太田順一市長は「トンネルが水脈に当たれば、減水量はもっと大きくなるのでは」と心配する。

 

森が保水力を失えば、木々は弱り、野生生物は死滅し、日本文明を支えてきた水源の森は未来永劫に失われる。

私たち自然保護団体が、1本1本人工林を間伐したり、、1本1本実の成る木の苗木を植えて自然林を復元・再生しようと一生懸命汗を流している横で、このような自然破壊は許せない。

どうすれば、人里の柿の木にクマが来ないようになるのか

今年の秋のクマの目撃数は、ありえないまでの山の実り大凶作年だった2004年、2006年、2010年と比べると桁違いにぐんと少ないものの、目撃報告はそれなりにあります。そのほとんどが、人里の柿の実を狙ってやってきたものです。

 

最近、人に聞いたのですが、クマが来ないように柿の木を伐ってしまようにと行政の方から指導されたある地元の方が、「柿の木は伐りたくない。クマの方を殺してくれ」と言ったのだそうです。昔、山にたくさん山柿の巨木があったと聞いています。この方は、それらを全部伐って、人間がスギやヒノキに植え替えたことをご存じないのではないかと思いました。知れば、そんなことは言えなくなると思います。

 

野生鳥獣に、人間が壊したかれらの餌場やねぐらを返してやることが、一番の解決策でしょう。しかし、残念ながら、今のところ、平成の日本で、このような活動に取り組んでいるところは、皆無に近いです。

 

野生鳥獣の棲める森を壊すのは一瞬ですが、復元するのは気が遠くなるほどの年月がかかります。それまでの間、クマが人里に来ないように防除対策をとるのが、2番目に必要なことでしょう。

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どうしたら、クマを防除できるのでしょうか。熊森協会は何度も地元に出向き、地元の人たちと共に考えています。

①電気柵、②金網柵、③柿の幹にクマが登れないよう、トタンをまく。④柿の木の枝を剪定して、実を除去し、クマがいてもいい奥地に、獲った柿の実を運ぶ。⑤クマを見かけたら犬などを使って、徹底的に追い払う。⑥犬のふんやニコチンのにおいなど、クマが嫌がるものを柿の木の周りに置く。・・・ケースバイケースですが、いろいろと実験していきたいと思います。

 

都会の人たちの中には、地元の人たちに任せておけばいいという人たちもいますが、実際、地元は、過疎化高齢化が進み、取り組みが困難になっています。地元の過疎化高齢化の上に、都市の繁栄があることを思うと、都市市民が知らんふりしていてはならないと、私たちは考えます。同じ国民同士、助け合うべきだろうと思うのです。行政に任せたらいいという人もいますが、一番簡単な解決法、「クマを殺害する」になってしまうのであれば、困ります。

第3回第4回 続く兵庫県国有林の間伐 <本部>

10月29日と11月4日に、第3回と第4回の三室国有林の間伐を実施しました。

以下は、第4回の時の様子です。気温10度。雨で寒い日でしたが、カッパを着て、みんなで力を合わせて間伐しました。

 

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やったねー。でも、11月末までに、まだまだ伐らねばなりません。

間伐に熟練されている会員がおられたら、応援をお願いします。

10月27日 本部10月第4週(日) 太郎と花子のファンクラブ よしずの片づけ

今回は、よしずの片づけの為、たくさんの太郎と花子のファンクラブのメンバーが参加しました。

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暑い夏の間、獣舎を日蔭にしてくれたよしずに感謝です。

 

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太郎の毛が、まるで茶髪に染めたように、栗毛色です。毛すきですいてやると、栗毛色の部分の毛がばさばさと抜けて、黒っぽい太郎になりました。この時期の栗毛色は、紀伊半島の熊の特徴だという説もあります。

 

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プールの掃除はかなり重労働です。水遊びの好きな熊達のために、きれいに洗ってやります。

 

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かつて、あんなに大好きだったドングリですが、太郎は、丸太の上に積んでやったドングリを手でひっくり返してしまいました。檻の中で一生を送らねばならないここのクマたちを不憫に思って、人間がおいしいものを与えすぎてしまったからでしょうか。

 

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超高齢のイノシシのチイは、喜んでドングリを食べてくれました。

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花子は、大好きなヨーグルトをもらって、ご満悦。

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花子の寝室に、藁を少し入れてやりました。次回はもっとたくさんの藁を入れてやります。急に寒くなってきましたから。

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今回、飼育援助作業に駆け付けたファンクラブのメンバー(兵庫メンバー・大阪北メンバー)です。

みなさんご苦労様でした。

10月27日 京都府支部 桑谷山佐保の森の実り調査→良好

京都市花脊(はなせ)にある桑谷山佐保の森は、50ヘクタール。2007年に奥山保全トラストが購入しました。10月27日、京都府支部の皆さん7名が、秋の実り調査を行ってくださいました。以下その報告です。

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今回は、久多峠から入りました。樹上のドングリはもうありませんでしたが、林床にはミズナラのドングリやシバクリがたくさん落ちていました。今年の実りは良好でした。今年は、動物たちも喜んでいることだろうと思うと嬉しくなりました。アスナロの巨木たちも健在でした。(上写真右)

クリはイガだけになっており、傍らには、栗の中身がきれいに食べられ、皮だけになった実が落ちていました。クマ棚や熊の爪痕など、クマの痕跡を探しましたが、登山道を歩いた限りでは見つかりませんでした。

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ミズナラの枯死木が多くありましたが、いずれも何年か前のものばかりで、今年、新しく枯れた木は見当たりませんでした。これまでミズナラの枯死木を多くみてきて、森がなくなってしまうのではないかと胸が痛んでいましたが、今回、2~3年生のミズナラやクリの実生苗が、枯死した木の根元でたくましく成長しているのがたくさん見つかり、希望が芽生えているようで嬉しくなりました。特に、栗の苗木は無数に生えており、なぜここの苗木はシカに食べられないのか、不思議に感じました。

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イヌブナの実生稚樹

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ミズナラの実生稚樹

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シバグリの実生稚樹

台風それて、スタッフだけでも八幡平クマ牧場へ

10月26日、27日に予定されていた八幡平熊牧場を訪れるツアーは、季節外れの台風が直撃するという予測のもと、残念ながら中止にせざるをえなくなりました。

ところが、前日になって、台風の進路が突如、海側にそれることが判明して、スタッフだけでも行こうということになりました。ひとりでも行こうとしておられたツアー参加予定者たちの一部も本部スタッフに加わり、総勢8名で、急遽、八幡平熊牧場を訪れました。

 

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八幡平熊牧場に到着。運動場に出ている 熊牧場のクマたちは、丸々と太って、みんな穏やかな表情をしており、元気そうでした。秋田県庁の職員さんたちはもちろん、地元で雇用された飼育員の方々も、すっかりヒグマたちに慣れられて、大事に飼ってくださっているのが一目でわかりました。感謝です。

 

 

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裏の獣舎にいる竹雄くんは、年だということで、かわいそうに、もう歩けなくなっていました。みんなで買ってきたニンジンなどの食料を、ヒグマたちに順に与えました。

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チューブに入った蜂蜜を 、舌の上に載せてやると、大喜びで、みんなで順番を待っていました。

 

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移送時は、麻酔薬など使わずに、食事を断ってから食料でつって、檻に誘導するそうです。この獣舎では、今ヒグマがいる檻の鉄格子を切って、移送用檻とドッキングさせるのだそうです。移送準備万端。

 

s-IMG_1572八幡平

八幡平は、紅葉も終わりかけでした。

 

次の日は、北秋田市を訪れ、阿仁熊牧場隣に建設中のヒグマ園の工事の進捗状況を見に行きました。

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驚いたことに、 まだ獣舎の土台しかできていませんでした。最近、公共工事が多くなってきたので、作業員が思うように集まらなくなり、工事が遅れているということでした。

こんな現状では、とても11月中にヒグマ園など完成しないのではないかと心配になってきました。雪の中の無理な移送を強行して、クマや人に万一のことがあれば大変です。ヒグマ移送を来春に延ばすしかないのではないかと思い、帰ってから行政に電話をしてきいてみました。

行政の方の答えは、あの後、作業員を増員して急ピッチで工事を進め始めている。今のところ、12月中には、ヒグマの移送を終えるということでした。

予定では、年内に無事に移送が完了して、藁を敷いてもらった温かい獣舎の中で、ヒグマたちが生まれて初めての冬ごもりに入ることになっていました。さて、どうなるのか。こまごまとした心配事がいろいろあります。八幡平熊牧場クマ基金にご寄付くださったクマたちを思う大勢の皆さんの代弁役として、最後までクマたちを見守り、関係者のみなさんに、熊森として、言うべきことをしっかりと言っていきたいと思います。

もちろん熊森以外にも、このクマたちのことを思い、寄付したり食料を送ったりされている多くのみなさんがおられます。みなさん、最後の最後までしっかりと共に見届けていきましょう。

 

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一足先に、阿仁熊牧場に八幡平から移送されたツキノワグマたちが、元気に暮らしているのがわかり、顔がゆるみました。上の写真は、2010年当時、愛知県豊田市で有害捕獲され、何とか命だけは助けてやりたいという行政の方々の優しいお心で八幡平に移送された、当時子ぐまだったアイチ、とトヨコ(どちらもメス、耳にタグがつけられている)です。

 

他生物にも優しい文明だけが、自然を残すことに成功し、持続可能な文明となるのです。

 

11月5日 門崎顧問による札幌でのヒグマに関する講演のお知らせ

演題 「羆とは、そして札幌の市街地に羆が出て来る本当の理由」 UHB 大学主催
講師:北海道野生動物研究所 所長 農学博士・獣医学修士 門崎 允昭       

  1938(昭和13)  帯広市生

日時 11月5日(火),10:00~11:30    入場無料
会場 札幌市中央区大通西3丁目 道新大通館8階、道新ホール

 

 

 先ず、熊について、包括的にお話しする。熊類とは、どう言う動物を言うのか。その形態(身体のつくり)と生態(生活状態)の 特徴。熊類の起源。日本の熊の由来について。それから、北海道の羆の生息域と生息数の変遷。北海道の羆の生態について。羆による北海道での人身事故の実態 について。羆に遭遇しないための対応と遭遇した場合の対処法。羆から見た札幌圏の自然。札幌の市街地に羆が出て来る理由とその対策について。 羆の棲む北海道の自然との積極的な係わり方について。私が北海道で「人と羆は共存すべきだとする理由」。最後に、アイヌと羆について、アイヌ民族が「イオマンテ、イオマンデ、(熊祭り、熊送り)」を行った理由について私の考えを述べる。

「若者よ、狩りに出よう」 獣害対策の担い手作り促進  という福井県地元新聞記事を読んで

以下、熊森関係者から届いた文です。

環境省主催の「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が福井県
で開催されたことを伝えるニュースです。同フォーラムは、
これまで9県で開催されてきました。

環境省はハンターを増やし、獣害を減らそうとしています。

農作物がシカやイノシシに荒らされる被害が多発し、農家が
困っているという事情はわかります。

それについては何らかの対策が必要だと思います。

しかしながら、「すごいアウトドア!!」「あなたの知らな
いハンティングの魅力とは!?」などと遊び半分でハンター
増やす環境省の政策には違和感を覚えます。

安易に動物の命を奪うことであり、そもそも根本的な問題解
決にはならない可能性もあります。

たしかに森でクマに出合うケースが増えていますが、本来ク
マは臆病な動物で人と出合うことはありません。人の気配を
敏感に感じとり、クマのほうから避けます。

ではクマが頻繁に人の前に姿を現すようになったのはなぜか。
これは原生林が伐採されたり、あるいは人工林に代わったの
ちに放置されたために、動物の水やえさがなくなったことが
原因の1つと考えられます。

クマはもともと広葉樹の原生林にすんでいました。

広葉樹林は、自然界の母ともいうべき存在で、秋には実をつ
け生物に餌を提供し、晩秋、土のうえに葉を落とし、土壌を
豊かにします。

落ち葉が腐ってできる腐葉土は1年で1ミリ程度とされ、何百
年もかけてできた30センチくらいの表土で覆われると安定し
た森になります。

この土壌にしみ込んだ雨が、清浄な地下水となり、あるいは
湧きだして、生物にとって(もちろん人間も含まれます)の
命の水となります。

ところが原生林は減少の一途をたどってます。クマの出没は
このことと関係しています。

それはシカも同じです。

環境省や自治体はシカの年間捕獲目標を拡大しようとしてい
ます。

そして「シカの増加はハンターが減少したからだ」ととなえ
る研究者もいます。

「すごいアウトドア!!」「あなたの知らないハンティング
の魅力とは!?」などと遊び半分でハンター増やす環境省の
政策もこれに基づくものです。

この説明で使われる図表は「全国狩猟者登録数の推移」の
1975年以降の部分です。

http://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs4/menkyo.pdf

これを見るとハンター数は1975年~79年をピークにして減少
しているので、ハンターの減少が獣害の増加の原因と見るこ
とができます。

ですが、「全国狩猟者登録数」は1950年10万人以下と現在よ
りも少なかったのです。そして、その頃には獣害の報告はほ
とんどありませんでした。

つまり、統計資料の都合のよい部分だけ抜粋し、政策の正当
化を図っていると見られてもしかたがないのです。環境省は
「全国狩猟者登録数」の1920年から現在至るまでをオープン
にしてから、ロジックの再構築をすべきでしょう。

実際には、シカの捕獲に力を注ぐのは対症療法に過ぎないの
ではないかと思われます。

なぜクマやシカが人里に出てくるのか、根本的な原因を考え
て対策を立てるべきです。

多くの奥山がスギの木材生産地となり林道が張り巡らされ、
近年は戦後植林されたスギ・ヒノキの人工林が放置され、ク
マやシカは棲みかを追われました。

やるべきことはクマやシカのすむ場所をいかに保全するかで
す。

とりわけクマは生態系ピラミッドの頂点に立ち、生活のため
に大きな面積を必要とすることから「アンブレラ種」と呼ば
れます。

このような種の生息環境を保全することが、その傘下にある
その他の生きものを環境改変などの風雨から守ることにつな
がります。

忘れてはならないのは、そうすることが森を守り、水を守る
ことになり、人間の生活にとってもっともメリットがあると
いうことです。
フィード

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