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2016-06

タネを高い標高に運んで地球温暖化からカスミザクラを救っていたクマ 森林総合研究所2016年春発表

Q:クマがいて何かいいことあるのか  

A:最高に豊かな水源の森を造ってくれています。

クマがこの国に存在することの利点はわかっているだけでもいろいろありますが、一つあげるとしたら、保水力豊かな森を造ってくれていることではないでしょうか。クマは森造りの名人なのです。戦後、人間が造ったスギだけヒノキだけの人工水源涵養林が、どれも大荒廃しているのと比べてみてください。水道水を飲むときに、私たち人間はその恩恵に感謝したいものです。

自分のところではクマが滅びてもういないという方もおられますが、水脈は海底でもつながっています。ものすごく遠くにあるクマたちが造る森の水をいただいていることも十分考えられます。

 

(熊森から)クマをはじめとする多様な生き物たちがこの国にいてくれるおかげで、私たち人間は、酸素を吸い、水を飲み、農作物を収穫できているのです。彼らのはたらきは、いろいろ違います。

人間が知らないだけで、クマ独特のはたらきも多々あります。

最近、「クマがいて何かいいことあるのか」とテレビで何回も叫んでおられたコメンテーターがおられたようです。

すでに、今年の春、多くのメディアで取り上げられた話ですが、「クマがカスミザクラを地球温暖化から救っていた」を、以下に添付します。コメンテーターの方には、クマの恩恵の一端にでもふれていただきたいですね。

 

<以下、ハザードラボより>

花咲かクマさん?タネを運んで温暖化からサクラを救う

野生のツキノワグマがサクラの花のタネを、300メートル以上高い山へ運ぶことで、温暖化による生息環境の変化から、サクラを守っていることが、森林総合研究所や東京農工大学などの研究で明らかになった。

 

草木や花などの植物は、環境の変化や捕食者から逃れるために、虫や鳥に食べられたり、風や水流で運ばれることでタネを移動させて生息環境を広げる。

 

種子の散布については、これまでにもさまざまな研究で明らかにされてきたが、いずれも水平方向ばかりで、山をどれくらい上り下りするかは調査手段が確立されていなかった。

 

森林総合研究所の小泉透ディレクターらや東京農工大学などの共同グループは、標高が高くなるほど、生育する植物の種子に含まれる酸素の原子の性質が異なることに着目し、種子が垂直方向に移動した標高差を特定する方法を開発。

 

2012年と2013年に奥多摩地方の標高550メートル〜1650メートルの山の中で採取したカスミザクラのタネと、捕食動物の糞に残っていたタネを分析した結果、ツキノワグマは平均で307メートル、テンは193メートル、標高の高い場所にタネを運んでいることが判明した。なかには最大で738メートル高い場所に種子散布しているクマも確認されたという。

 

種子を散布していた主な哺乳類は、散布 数の多い順から

ツキノワグマ80%、テン19%、アナグマ0.07%、ニホンザル0.03%でした。

 

サクラの開花や結実は、山のふもとから標高の高い山頂方向に進むことから、研究グループは、ツキノワグマやテンは若葉や果実を追いかけて山を登り、その途中で糞をすることで、結果として野生のサクラを温暖化による生息地縮小から守る役割を果たしていると推測している。

森林総合研究所の直江将司氏は、「九州地方など、クマが絶滅した地域では、野生のサクラはいずれ見られなくなっていく可能性がある」と指摘されています。

クマ

カスミザクラの若葉や果実を食べるツキノワグマ の親子(上は勝木俊雄さん撮影/下は梅村佳寛さん 提供:森林総合研究所)
クマ

サクラの若葉や果実を追いかけて登るツキノワグマ(提供:森林総合研究所)

6月23日(木)本部【いきものの森活動】 2月の活動で移植したトチ苗木畑の草刈り(宍粟市千種町)

今年の2月18日(木)、本部いきものの森活動で、およそ150本のトチノキ苗木をシカよけ網で囲まれた苗畑に移植しました。

→当時のブログhttp://kumamori.org/news/category/%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%82%82%E3%82%8Anews/32139/

それから約4か月後、苗畑は背丈の高い草花で覆われていました。

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今年2月18日の苗畑(苗木移植直後)

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今年6月23日のの苗畑。130cmほどの丈の草花が生い茂っていた。植物の生命力の強さにボランティア一同、感服した。

 

トチノキの苗木は、この草花の下でも、元気に育っていました(写真下)。

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本日は、大阪市・伊丹市・西宮市から5人のいきもりボランティアが参加しました。150本のトチノキ苗木畑も、5人で力を合われば、2時間ほどで草刈りを終えました。

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草刈り中

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草刈り後(開始から2時間)

このトチノキ苗木畑は、普段地元の方で熊森活動に賛同してくださる方が育ててくださっています。今回の草刈りも、私たちボランティアが作業しやすいよう、事前にある程度草刈りをしてくださっていました。

くまもりにとって、地元のみなさんのご協力は、ほんとうにありがたいです。

いきものの森活動では、7月3日(日)、7月14日(木)にも、植樹地の草刈りを行います。場所は、昨年植樹活動を行った同宍粟市の別の場所で行います。

■7月本部いきものの森活動(兵庫県宍粟市、植樹地の草刈り)

【作業内容】これまでに植樹させていただいた場所の草刈りをします。カマを使って手で刈るので、誰にでもできます。

【参加費】無料(初めて参加される方は1年有効のボランティア保険年間500円をご持参ください)

【集合時間・場所】集合場所:阪急夙川駅 南口前 時間:午前8:00までにお集まりください。

【お申し込み先】TEL:0798-22-4190 Mail:contact@kumamori.org

【お申込み期日】活動日の3日前までにお願いします。

作業内容は誰にでもできるような内容ですので、これまでいきもり活動に参加したことのない方、新しく入会された方で何か参加したいと思われている方など、多くの皆さんにご参加いただけると嬉しいです!

よろしくお願いします。

詳細は、本部いきものの森担当 水見までお願いします。

参加するのが一番楽しめます。


			

青森県南部町  子グマ2頭おとりに母グマ用捕獲ワナ設置、捕獲後は殺処分方針(クマニュースより) 熊森絶句、直ちに南部町農林課に電話

熊森本部が午後6図52分配信の上記クマニュースに気づいたのは、午後8時30分。

追加→6発28日ニュースによると、この2匹はクマではなく、タヌキの子供だったことが判明。一人で生きられるようになるまで人間が飼育し、山に放すことになったそうです。

それにしても何の被害も出していないクマを捕殺しようとした青森県の誤ったクマ害獣視体質をどう変えていくか、大きな問題です。

 

ただちに南部町役場に電話。

時刻も時刻なので役場はしまっており、警備員さんが出られました。

ご親切にも農林課の直通番号を教えてくださいました。

この時間、まだ農林課の職員の方が残っておられ、熊森の質問に恐る恐る?答えてくださいました。

 

いきさつをたずねると、16日の昼12:20にブロイラー会社から、敷地に2頭の子ぐまがいると通報があったそうです。生まれて間もない20センチぐらいの子ぐまで、まだ、自力では歩くこともできないそうです。(2月生まれではないクマもいるんだ!6月生まれ?驚きました)

鉄檻でできた箱罠の中に2頭を入れて、母熊をおびき寄せて捕殺しようと計画したのが16日だそうです。しかし、地元の獣医さんの意見やいろいろあって、2頭の子グマは保護することになり、猟友会の方が現在、犬用ミルクなどを飲ませて大事にしているそうです。みんなで話し合った結果、当初の計画を変更されたのだそうです。

 

熊森から担当者に伝えたこと

変更してくださって、良かったです。よくぞ変更してくださいました。当初の計画は、いくらなんでも恐ろし過ぎます。人間ならやってはいけないことです。人間ならできないことです。

ブロイラー会社さんには、クマの餌になる物が外に出ていないかチェックしていただき、もしあれば、クマが絶対に取れないように室内に必ずしまってもらってください。

母グマは、今の一部の人間のように、子供を捨てたりはしませんから、見つけた子グマは人が触らずにそっと置いておくべきでした。死んだり殺されたりしていない限り、必ず母熊は子供を連れに帰ってきます。子グマがいなくなって、母熊は必死で探していると思いますから、捕獲檻を撤去し、元の所に子グマをもどして、人間は皆離れていてください。

追加→方針変更され、捕獲罠は撤去されました。ありがとうございました。

母熊が、子グマがいなくなったことをあきらめた場合いは、山に帰ってしまう可能性もあります。(このあたりは、ふだんからクマが目撃されているような場所なのだそうです)

 

(熊森から)

初め、クマニュースを見た時は、計画の残酷さに卒倒しそうになりましたが、電話してみると、みんないい人ばかりでした。役場の方は、この計画をマスコミに隠さずに話されました。人間ですからいろいろ考えるし悩みますが、南部町さんが自らの良心に従って方向転換されたこと、すばらしいです。

 

クマの棲息地を大破壊したまま、クマが増えたからとしてクマ狩猟を楽しみたい人たちの為に、保護計画という名でクマ狩猟を再開しようとしているどこかの県の人たちとえらい違いです。この県の担当者たちは、年間70頭のクマを捕殺した年でさえ、一頭たりともマスコミにクマ捕殺報道を出しませんでした。この徹底した隠ぺい体質県と比べると、今回の南部町の正直さは、本当に気持ちがいいです。

 

報道してくださったクマニュースさん、読売記者さん、本当にありがとうございました。

おかげで、このむごい捕殺計画を熊森本部が早めに察知することが出来ました。

ただし、記者さん、クマは動物愛護法の対象ではないと記事に書かれていましたが、あの部分はまちがっていますよ。全ての動物は、クマも、日本では動物愛護法で守られるべき対象動物ですので、お知りおきください。

 

島根県浜田市で釣り人がクマに小指を切断される大けが クマとの共存をめざす島根県がクマ捕獲罠を設置 熊森は殺処分しないように強く要望

6月になり、クマの動きが活発化してきて目撃も人身事故も増加してきました。

それに伴い、連日、全国各地から熊森本部への問い合わせが相次いでいます。

各マスコミからのコメントを求める電話もあとをたちません。

秋田のクマによる死亡事故についての本部ホームページ6月16日付フェイスブックのリーチは、1日で1万件を超えました。

本部では、クマニュースなどでクマの事件を察知し、(クマニュースさん、いつもありがとうございます。)20年間全国のクマ問題に携わってきた団体として、必要な場合には、主に電話で意見や要望を現場担当者にめまぐるしく伝えて回っています。

 

●島根県浜田市の件

事件概要:6月15日の午前7時半ころ、浜田市旭町本郷の河川敷で、アユ釣りをしていた63歳の男性(広島市在住)が、背後からクマに攻撃され、顔や腕に引っ掻き傷を負い、小指をかまれて殆ど切断状態の重傷を負った。男性は一緒にアユ釣りに来ていた方に自力で助けを求め、ドクターヘリで広島県三次市の病院へ搬送された。この事件を受け、島根県と浜田市が捕獲罠を設置した。

 

 

6月17日

<熊森本部による島根県と浜田市の担当者への問い合わせ>

行政担当者:現場は、背丈の高い葦が生い茂っていて見通しが悪く、この時期アユ釣りに人がやってくる。近くに住宅地もあるが、基本的に自然豊かで閑静な場所。事件後、この場所へのアユ釣り客は少なくなったが、今朝も5時くらいからアユ釣り客が来ていた。事件を受け、現場の葦を刈り払いして見通しをよくし、釣り時である朝5時~7時、夕方17時から19時の時間帯に、行政職員や猟友会がパトロールをしている。

現場には捕獲罠を設置した。パトロールを継続する。県は捕獲したクマをどうするかははっきりと決定していないが、今回の場合は殺処分する方向になりそう。

 

(熊森より)

クマによる人身事故が起きると、多くの自治体は、即捕獲罠をかけてクマを捕獲し、そのクマが人身事故を起こしたクマかどうかDNA鑑定もせず捕殺します。冤罪の可能性も大きいのに無茶苦茶です。人間のしていることが恐ろしくなります。

 

そんな中、島根県はこれまで、クマと人間との共存をめざし、様々なすばらしい活動に取り組んで来られました。

今回の事件でも、浜田市はクマの潜み場をなくすために葦の刈り払いといった被害防除活動や、早朝と夕方のパトロールまで行っておられます。

こちらをクリックhttp://www.wwf.or.jp/activities/2014/11/1234919.html

これまで頑張ってこられた島根県行政さんには特に、今回、クマが捕獲された場合、殺処分してしまわれないようにしていただきと思い、捕獲時は放獣をとお願いしました。

 

けがをされた方には、一日でも早い回復がありますようお祈り申し上げます。(現在、熊森会員の中から、お見舞いに行ってくるという方が出てくださっています)

 

渓流釣りや山菜取りをされる方は、人間の方からクマの生息する場所に入っていっていることを忘れず、当然のルールとして、住民であるクマに、人間が入ってきたことを知らせるクマ鈴やラジオなど、音の出るものを必ず携行してくださるようにお願いします。(学校教育で教えてほしいです)

山中の死体を食べて片付けるのは、クマ以下森の動物たちの自然な行為ではないのか 

6月10日、秋田県鹿角市のタケノコ採り現場で、4人目の遺体を捜索している時に見つかったメスグマが、猟友会の人達に即射殺されました。(熊森、厳重抗議)

熊森は、このクマがどういう罪状で射殺されたのか、行政にたずねてみました。竹やぶの中の遺体現場の近くにいたということでした。クマの餌場に人間が入って行ったのですから、そこにクマがいて当然です。遺体を解剖した結果、ほとんどの胃内容はタケノコだったそうですが、人肉も入っていたということです。このクマは、殺しておかねばならない人食いグマなのでしょうか。人間の味を知り人間を襲うようになる恐ろしいクマなのでしょうか。

 

死体を食べる野生動物に関して、熊森が知り得た事実をお話しします。

 

兵庫県では、毎年大量のシカが有害獣として殺され、山に放置されています。1週間もすれば完全に消えています。シカの新しい死体があったので、自動撮影カメラを設置してみました。もちろんクマもやってきて死体を食べましたが、もう実にいろいろな森の動物や鳥や虫が次々とやってきて、みるみるうちに死体はなくなっていきました。(録画あり)

 

<熊森見解>

山に行って野生動物たちの死体を見つけることはまずありません。死体はみんなでさっさと食べて片付けてしまう。これが森の掟なのだと思います。人肉の味を覚えたクマは、次に人間に会えば襲って食べようとするという見解が流れていますが、熊森の自然観察結果では、そうなるとは思えません。

 

まこと、自然界の事は人間にはわからないことでいっぱいですが、熊森は、このメスグマは次回人に出会っても殺そうとしないと思います。元々クマには人間を襲って殺し、食べてやろうという発想はないと思います。クマにそのような気持ちがあるのなら、全国いたるところでクマによる死亡事故が続発していると思います。クマは人間よりも力が強いですから、武器を持っていない人間なら、まず、クマが勝ちます。

今回の死亡事故の遺体現場には、いろいろな野生動物たちがやってきて次々と食べていったと思われます。

彼らはみんな、自然界の掟に従っただけです。人肉はタケノコよりもおいしくて次からはそっちを食べようとするだろうと思うのは、肉食好きな人間の勝手な判断です。

 

兵庫県のクマを初めとする野生鳥獣たちが山林に放置されたシカの死体を食べているからといって、シカを獲って食べるようになったクマを、兵庫県では聞きません。シカを殺して食べようとしているのは人間だけです。兵庫県のある山村の方は、クマはシカを食べるけれど、あまり好きじゃないみたいだ。イノシシたちの方がシカの死体を喜んで食べていると言われていました。クマは雑食性ですから、その気になれば肉も食べられます。しかし、我が国では長い間、ほとんど植物食に偏った食生活を続けてきました。その食性を変えるような原因を作っているのは、今回の事件も兵庫県でも、人間です。人肉を食べた動物は殺せというのなら、森の草食動物以外のすべての雑食動物を殺さねばなりません。

 

今回死亡事故を起こしたクマはどのクマかわかりませんが、人間を殺して食べてやろうと思って人間にかかっていったのではないと思います。自分が食べようとしていた唯一の大好きな食料であるタケノコを取られて怒ったか、気が付いたらクマのすぐ横に人間が突然現れて、びっくりして排除しようとしたのではないかと思われます。

確かに、人間を倒すクマが誕生するのは、地元の人達のことを考えると、絶対にあってはならないことです。しかし、今回、こんな事態になったのはすべて人間側のルール違反が原因です。事故が起きても抜本的な対策を取らずにきた関係者たちの責任もあります。

この地域には、20頭ぐらいのクマが棲んでいるのではと言われている人もいます。今も現地には、ハチの巣を入れたクマ捕獲罠が2基設置されており、もしかかったら殺処分するのだそうです。この後、何頭のクマを獲るつもりか知りませんが、おとなしく竹藪の中にいてタケノコを食べているクマたちを、それこそクマにとっては大好物中の大好物であるハチミツやハチの巣で誘い出しておいて、罠にかかったら殺すなど、熊森は人間側の倫理観の喪失がはなはだしいと思い、関係者のみなさんにもそう伝えました。

 

みなさんはどう思われますか。

 

 

 

4人亡くなっても、まだタケノコ採りを禁止しない秋田県行政・鹿角市行政、東北森林管理署及び支所の決断力と行動力のなさ 

6月14日現在、鹿角市関係者に電話で聞くと、4人亡くなってさすがに現地にタケノコ採りに入る人は減ったけれど、まだ何人かは根曲り竹の竹やぶに入っているそうです。来る人が減ったので、稼ぎ時だと張り切っているそうです。(もう、唖然として言葉を失います)そろそろこの場所でのタケノコの時期は終わりで、この後のタケノコ採りは、標高の高い所へと移動していくそうです。しかし、5人目の死者が出ないという保証はどこにもありません。

 

行政、警察、森林管理署、皆さん毎日現地に赴き、市道と林道の通行止めを知らせ、他の道からタケノコ採りに入る人たちには、「気を付けて下さい」と、声をかけておられるそうで、連日もう大変だと思います。

 

熊森は当初、商業用のタケノコ採りはクマの生存を危うくするので、やめさせてほしいと訴えてきました。業者の車が、国有林内に横付けされているというので、どこの何という業者かたずねましたが、どこの人かさっぱりわからないという答えでした。「車のナンバーを警察に届けたら、直ちにどこのだれかわかりますよ」と教えてあげましたが、調べる気はないようでした。(関わり合いたくない?)

 

熊森は途中から、タケノコ採りを全面禁止しなければ、死亡事故が続くと判断し、<タケノコ採り、全面禁止>を強く要請しました。ちゃんと森林法で林産物の窃盗は犯罪と規定されていますから、自信を持ってタケノコ採りを全面禁止してくださいと、どの部署にも強く強く訴えたのですが、「私に言われても・・・」「国有林は禁止したらいいが、民有林は所有者の許可を得たと言われたら止められないし・・・。民有林の土地所有者も境界もわからないし・・・」と出来ない理由ばかり言われるので、「毎年の山林課税一覧表を見たら、山林所有者にはすぐ連絡がつきますよ」等などいろいろ教えてあげたのですが、さっぱり動く気配がありません。みなさん忙しい中、熊森の話をじっくり聞いてくださるいい方たちなんですが、公務員として、おじいさんおばあさんの命を守らねばという強い責任感や、「よーし、動こう」という決断力がないのではないでしょうか。みなさんはどう思われますか。こうなったら、市長さんや県知事さんの鶴の一声で、「死者4人は異常事態。今年はタケノコは不作、これ以上クマたちの食料を奪ってはいけないので、タケノコ採りを禁止する」と言ってもらうしかないのでしょうか。余力のある人は、市長さんや知事さんに訴えてみてください。

 

一方で、無実のメスグマを殺すことはする。こちらは絶対に許せません。このことは次のブログに書くとして、熊森本部にはいろいろな方からのメールが届いてきます。その中から、一つご紹介します。

 

・国有林や他人の山に許可なく立ち入りできない訳

日本の山には民法上の所有権があり、山は所有者の財産です。許可なく入れば損害賠償や刑法上の罪に問われる可能性があります。森林法に立ち入り禁止に関する文言がないのは、上位の民法、刑法で禁じられているからです。森林窃盗罪が成立するのは森林が財産だからです。

 

森林窃盗罪(ウィキペディア)・・・本罪の客体は「森林より産出する一切の物」(森林産物)であり、有機的産出物(森林内に生育している松茸やタケノコ等)だけでなく、無機的産出物をも含むとされる。したがって、例えば熔岩が森林の台地を成している場合、その熔岩は森林産物にあたる(東京高判昭和46年10月26日)。

 

他人の山で所有者の許可なくタケノコ採りを行うのは、日本の法律では森林窃盗罪で、その犯罪を目の前に見ながら止めなかった行政職員や森林管理署職員は窃盗の幇助罪に問われます。窃盗物であるタケノコを売った店も、窃盗に加担したことになり、罪に問われます。

 

以上、どう思われますか。

 

(熊森から)

誰かに訴えられなければ、自覚できないのでしょうか。

熊森としては、生物多様性条約批准国として、野生動物の餌場を守る義務を持つ部署の担当者が、なぜ黙っているのか、そちらも問いたいです。環境省や林野庁は何をしているのでしょうか。それとも、この国には、厳しい自然環境の中で一生懸命生き抜いているもう一つの国民である野生動物たちを守ってやる部署はないのでしょうか。答え・・・無きに等しい国です。

 

第5回日本奥山学会研究発表会 参加者募集中

<記念講演> 目からうろこのすごい内容です。

森林保全を願うみなさん必聴でーす!

 

「多種共存の森―その仕組みとめぐみー」

天然林では何故多くの種が共存しているのか?

東北大学大学院 農学研究科教授 清和研二氏 

1954年山形県生まれ 北海道大学卒

 

研究発表 3つ

 

みなさん、ぜひ、ご参加ください。

 

2016710(日)13時~17
場所:
関西学院大学 法科大学院 講義室

(兵庫県西宮市上ケ原一番町1155 )甲東園駅徒歩12

定員:80(要、事前申し込み)当日 090-3288-4190

参加費:500円 *日本奥山学会員、学生は無料

主催・お申込先:日本奥山学会 (熊森本部内)
TEL:0798-22-4190 FAX: 0798-22-4196 
contact@okuyama-society.org

毎日新聞全国版に戦後の国の分収造林政策の失敗を明らかにした熊森の記事 6月10日朝刊<トラスト運動>企業買収で自然林回復 滋賀の保護団体

毎日新聞6月10日(金)7時30分
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日本熊森協会滋賀県支部が買収した企業所有の森林。手入れが不十分で、荒廃が進んでいる=同支部提供

豊かな自然林を取り戻そうと、自然保護団体「日本熊森協会」滋賀県支部が滋賀県高島市朽木の山林(211ヘクタール)を所有する企業を買収し、森林保護に乗り出す。国が森林所有者などと実施してきた「分収造林地」事業の失敗で、森林の荒廃が進んだことを受けた措置。立ち木や土地を市民が買い取り、自然保護を進める「トラスト運動」は各地であるが、自然保護団体が企業を買い取るトラスト運動は珍しいという。
 ●
同支部が買い取ったのは、森林を所有する「麻生林業」(本社・大津市)。同社は1962年、林野庁の外郭団体と県と3者で共同で森林を造成し、伐採の収益を分け合う「分収造林地」の契約(55年間)を結んだ。分収造林は高度経済成長期の木材需要増を当て込み、全国各地の国有林や民有林で進められたが、安い外国木材の流入などで、多くが赤字経営に。森林の手入れも行き届かず、各地で荒廃が進むなどの問題が生じている。
 ●
同支部は森林が荒廃したまま放置されている現状を問題視。森林の買い取りを一時検討したが、分収造林地の契約を結ぶ外郭団体の同意が得られなかった。このため、同支部は昨年末、※会員から寄付を集め、休眠状態になっていた森林所有者の麻生林業を買収した。
 ●
外郭団体や県との分収造林の契約が切れる2017年12月の期限までは植林などの取り組みはできないが、同支部は、森林保護に向けた具体的な活動について検討中。村上美和子・同支部長は「植樹イベントなどで市民に親しまれる森林、多様な生物がすむ自然豊かな山に戻したい」と話している。【北出昭】
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くまもりから
※会員から寄付を集め…記事ミス。今回の企業買収資金は、篤志家の遺贈金を使わせていただきました。同じく滋賀県高島市朽木の奥山に残されたトチノ巨木群をトラストした件は、会員に呼びかけて資金を集めたので、それが混同されてしまったようです。

秋田県 タケノコ採り、同じ場所でクマによる死者4人目 こうなったら人とクマの命を守るため、タケノコ採りを全面禁止せよ 行政・森林管理署も責任あり

秋田県鹿角市大湯周辺でタケノコとりに入った入山者の相次ぐクマによる死亡事故4人目。

①5月20日に入山した男性の遺体を5月21日に発見。国有林。

<5月21日ニュース:鹿角市大湯でクマによる死亡事故の報道>

にもかかわらず、小遣い欲しさに同場所に入り続ける人々。

 

②5月22日に入山した男性の遺体を5月22日午後に発見。国有林。

にもかかわらず、

③5月25日に入山した男性の遺体を5月30日に発見。民有林。

にもかかわらず、

④6月8日に入山した男性の遺体を6月10日に発見。民有林。

にもかかわらず、

数は減ったものの、まだ現在小遣い欲しさに同場所に入り続ける人々がいるそうです。

もう、どうなっているんでしょう。

 

6月10日、あげくのはてに、そのあたりにいた、事故と無関係かもしれないメスグマを猟友会が1頭射殺。

さらに、クマ捕獲檻を新たに設置中とのこと。

 

(熊森から)

事故現場は、クマの国です。問題を起こす人間は出て行くべきです。

この時期、ここにいるクマにとっては唯一の食料である根曲り竹のタケノコ。それを根こそぎとっていこうとする人間の方が100%悪いのです。クマが怒って当たり前。にもかかわらず、クマを殺して終わろうとするなど、秋田県の対応は本末転倒。いったい秋田県の倫理観はどうなってしまったのでしょうか。

 

行政並びに森林管理署が市道や林道を閉鎖されて、タケノコ採りの自粛を呼びかけてくださったのは良かったけれど、それだけでは入山者がなくならないことがわかった時点で、熊森は、今後も新たな犠牲者が出る!として、両者に商業用タケノコ採りの強力な禁止処置をお願いしました。

しかし、「わが国には、タケノコ採りを規制する法律がないので、対応できないのです」という回答でした。

法律は、一朝一夕にできるようなものではありませんから、なんらかの超法的な措置をしかるべき立場の人にとってもらうしかないのかと思っておりましたら、なんと、当然のことながら、ちゃんと東北森林管理署のホームページに、

<国有林からのお願い>

2、樹木を損傷したり、林産物を窃取した場合は、法により罰せられます。

と記載されているのを見つけました。

森林管理署に電話して、何という法律で規制されているのかたずねると、「森林法」ですと即答されました。

 

なぜ本当のことを教えて下さらなかったのでしょうか。

どうも、米代東部森林管理署管内の国有林内で、鹿角市民はタケノコ採りをしても良いという取り決めが森林管理署と地元でなされていたようです。

市民が自家消費で採るぐらい知れているかもしれませんが、今年のように、タケノコ採りが良い儲けになるとして、業者が入り込み、他市や他県の人達までがタケノコ採りに殺到している状況では、ここで暮らすクマたちのためにも、第2第3の死傷者が出ないようにするためにも、とにかく今年のタケノコ採りを禁止すべきでした。

そうしてほしいと熊森があれだけお願いしたのに、自粛に期待するとして動かれませんでした。

 

国有林といっても、戦後、林野庁が誤った拡大造林政策によって、最高に豊かだった広大な森を皆伐し、多くを人工林に変えて、現在、荒廃させたまま放置しています。そんな国有林ですが、米代東部森林管理署内にある国有林のように、クマが棲める豊かな森もまだ国有林には残っていたのです。今となっては貴重な自然保護区です。そこの山菜を人間に採らせる。しかも、商業的に大量採取が行われる状況になっているのに、効果的に止める手を打たなかったのは、公務員が職務上、犯罪を認知したときには、告発義務があるという、以下の法令に違反しているのではないでしょうか。

 

刑事訴訟法239条2項

官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

 

行政関係者の皆さんは、タケノコ採りは6月中旬で終わると安心されていますが、まだまだお金欲しさに入山する人が7月末までは出ると思います。「林産物を窃取罪」を前面に打ち出して、クマの食料を守るためにも、国民の命を守るためにも、「タケノコ採りの全面禁止」に、直ちに取り組むべきです。

 

クマに口がないのをいいことに、クマを殺してこの事件を終えようとするのは絶対にやめて下さい。人間としてあまりにも恥ずかしいです。

 

6月3日 滋賀県の小学4年生に、くまもり環境教育部が授業

滋賀県の全小学校で、4年生で「やまのこ」、5年生では「うみのこ」という

すばらしい環境教育実践プログラムが実施されています。

 

今年も、滋賀県内のある小学校から、

「やまのこ」の事前学習のご依頼をいただきました。

この小学校でのくまもりによる事前学習は、これで3回目です。

くまもり本部スタッフとくまもり滋賀県支部スタッフが協力して授業を実施しました。

 

 

今回のプログラムは、「森の力と動物」。

自然の森と人工林の違いや、森と動物のつながりについて

子どもたちと一緒に考えていきます。

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活発に発言する子どもたち。授業している方も楽しい。

 

間伐の方法として、くまもり滋賀県支部ががんばっておられる

チェーンソー間伐を紹介しました。

質問コーナーにて、

「チェーンソーを使う以外に、間伐方法はないのですか?」

という質問が出ました。

自分たちにもできる、間伐について知りたかったようです。

私たちくまもり環境教育部の目標は、子どもたちに自然保護に取り組もうという心を育むこと。

この積極的な質問に、とても心を打たれました。

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子どもでもできる皮むき間伐のしくみを紹介。「なるほど~」の声が。

 

この小学校では、「やまのこ」実施後、

調べ学習や現地体験をもとに、新聞を作製するようです。

子どもたちが、森のどんなことに興味を持っているのか、

どんなことを感じ、学ぶのか、とても楽しみです。

 

校長先生を初め、職員のみなさま、今年も、くまもりに環境教育の機会を与えていただき、

本当にありがとうございました。

 

滋賀県や近隣にお住まいの方で、環境教育に興味のある方、

ぜひ一緒に活動しませんか?☆(SY)

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