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2010-11-02

「世界がもし100人の村だったら」著者の池田香代子さんが、ブログで熊森を紹介

(以下 池田香代子さんブログ「感じた 動いた 考えた」より転載させていただきました)

2010年11月01日
熊にドングリを
11月になりました。東京は季節外れの台風を境に、秋を飛ばして早、初冬の寒さです。みなさんの地域はいかがですか。今年の季節のめぐりはほんとうにおかしかった。あの暑く乾ききった夏、石畳のあいだに植えた姫ホトトギス龍が枯れたのには驚きました。宿根草のホトトギスも次々と立ち枯れ、残った株も下の方の葉はまばらで、茶色くたれさがり、まるで幽霊のようです。それでも花の付きはよく、木枯らしじみた風にけなげに揺れています。来年は元気にたくさん咲いてくれますことを。

庭の柿の木も実をつけませんでした。どんぐりもさっぱりです。テレビのニュースは毎日のように、熊が人を襲い、射殺された、と伝えています。まるで原稿のフォーマットがあって、固有名詞を入れ替えているかのようにすら感じます。山に食べ物がないのです。それで、冬ごもりを控えて、熊たちは必死で人里に迷い降りているのです。深夜の住宅街、車のライトとクラクションにおびえ、興奮しながら2頭の仔熊を守ろうとうろたえていた母熊の姿は、忘れられません。

クラクションを鳴らしていた人は、熊を山に追い払おうとしていただけで、むやみに邪険にしていたわけではありません。人里に熊が出る、驚いて人を襲うというのは、深刻な事態です。作物を荒らされることも、同様です。収穫のほとんどを熊や猪や猿に食べられてがっくりと肩を落とす農家さんの姿には、涙がにじんでしまいます。だから、熊の目撃情報に地域には緊張が走り、猟友会の人びとは本業もままならないほど大忙しで、あちこちに呼ばれてこの「害獣」を「駆除」しています。

大新聞には、熊が異常に増えていること、狩猟人口が減っていることが、熊の異常な出没の原因だ、と書かれているそうです。でもこれはとんでもない誤報だと、「日本熊森協会」さんに教えていただきました。こちらの団体は、数年前にも、熊にドングリを、と全国に呼びかけ、大量のエサを山に運びました。もちろん今年もです。お宅の柿の木は、実をつけていませんか? お庭にドングリの実は落ちていませんか? ぜひ、山の熊たちにプレゼントしてあげてください。私は、なにしろ庭の柿もどんぐりも実が成らなかったので、したくてもできないのです。

「くまもり」さんのサイトやブログを読むと、その活動に胸が熱くなります。同時に、環境省のやる気のなさには、怒りを通りこして唖然としてしまいます。つい数日前まで、生物多様性条約 COP10を主催していたお役所とは思えません。熊は、この列島の生態系の頂点に位置する、生態系の王者です。この大型動物が今年すでに2120頭も「駆除」されているのです(9月末現在)。また「クマ」という古語は奥まった隠れたところを意味し、それはすなわち神威、聖なるものを意味します。熊野、熊本、阿武隈などの地名も、そうした古代信仰に関係しています。クマは、この列島にいにしえから暮らしてきた人びとにとって、カミそのものなのです。環境省は、この列島の自然のカミをなんと心得る。

熊と人が共生するには、森のありかたそのものを根っこから考え直すことが急務です。でも、とにかく今年の熊たちの飢えを救わねば。送り先、送り方など、「くまもり」さんにお問い合わせのうえ、どうかよろしくお願いします。

~野生動物たちの楽園にしたい~          第2回福島県国見町広葉樹植樹会

10月30日(土)
「どんぐりの木を植樹しませんか
~ 動物のすめる森復元 第2回福島県植樹会」

〈主催〉日本熊森協会
〈共催〉国見町、桑折町、国見町桑折町有北山組合

福島県国見町が熊森の考えに賛同してくださったことがきっかけで、昨年秋から始まった東北での広葉樹植樹会。動物たちとの共存を願う、東北の方々が集う貴重な機会です。

福島、山形、宮城を中心に東京、神奈川、茨城からも参加者があり総勢44名。
地元国見町、桑折町からは十数名の方々がおいでくださいました。

ここは標高約600mの奥地。アカマツの植林地でした。その伐採地跡に、ブナ、ミズナラ、シバグリ、トチなどの、200本の実のなる広葉樹の苗木を植えていきました。
あいにくの雨天の中でしたが、初対面の方々も、チームワークよくどんどん作業がすすみます。
昨年植えた200本の苗木は、9割が根付いていました。喜びの声があがります。元気な苗木は、私たちの希望の象徴のようですね。こちらはブナ。植樹せずとも、自然に再生しつつある幼木も、たくさんありました。
去年に引き続いて今年も植樹会の世話役をしてくださったくまもり山形県八木支部長から、山形県の今年のクマ状況について、報告がありました。果樹王国山形県では、温暖化のせいもあり、果樹園を、クマたちが棲む標高の高い奥地へ作ることも多いそうです。その果樹園にクマが来て、補殺されています。
集まることが、大きな力に、今こそクマ救えの声を、大きくつないでいきましょう。

今回植えた苗木が大きく育ち、森になるのはいつのことでしょうか。ここには、クマ、サル、イノシシはじめ、いろいろな動物が棲んでいるようです。いつか彼らが安心してすめる場所になるとよいですね。

来年の初夏には、草刈りなど苗木の手入れを行う予定です。成長した苗木の世話は、本当に楽しい作業です。ぜひまた、おいでください。
最後に、国見町佐藤町長はじめ地元の皆様には、今回も準備から当日の車出し、植樹指導など、大変お世話になりました。

心よりお礼申し上げます。みなさま、ありがとうございました。(早く、福島県・宮城県にも手を挙げる人たちが現れて、リーダーが誕生してほしいですね。)

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