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2012-03

兵庫県は2/15 の野生動物保護管理協議会で、クマの推定生息数を下方修正

研究者や調査業者の利権要請を受けて導入したワイルドライフマネジメント(1999年環境庁)を実施するために、なんとかクマの生息数を推定しようという試みが、多額の税金を使ってクマに耐えがたい負担をかけながら、各府県の行政によって実施されています。しかし、群れをつくるサルなどとちがって、ひとりひっそりと森の奥に隠れて暮らしている孤独で臆病な、しかも長距離を移動するクマの生息数を推定することは至難の業です。(クマを痛めつけるだけで、正確な推定数算出は不可能でしょう)

国民にはさっぱりわからないような複雑な数式を作成し、コンピューターを長時間使い、研究者が出した兵庫県のツキノワグマの推定生息数は、ついこの間まで649頭で、90%信頼限界では313頭~1651頭とされていました。年平均増加率は30%(シカより多い!)とされていました。熊森協会は、クマの痕跡を求めて奥山を歩き続けている感触から、「ありえない。奥山生息地が大荒廃して棲めなくなっているのに、クマがそんなに激増するわけがない」として、反論し続けてきました。

2月25日に開かれた兵庫県野生動物保護管理協議会(当協会森山会長は一委員として、「野生鳥獣の生命も尊重されるべきだ。生息地の復元が実質なされていないので、殺すことばかりでなく、奥山生息地を早急に復元してやるべきだ」と毎回必死に訴え続けていますが、この協議会では一人異質の意見として、常に却下され続けています)では、クマの推定生息数は506頭、90%信頼限界は300頭~751頭と下方修正されました。年平均増加率も11.5%に大幅に下方修正されました。また、どういうわけか、平成6年までさかのぼって、これまで発表されていた生息推定数を上方修正してありました。(以下グラフ)

行政という所は、いったん発表したことは、メンツにかけてかたくなに変えない所です。そういう意味では、今回、兵庫県が大幅に修正したことは、評価できます。しかし、裏を返せば、それだけどうにでもなり、クマの生息数は推定できないということでもあります。実際の数はどうなのか、こんなもの、誰にもわかりません。当協会は、国が導入した特定鳥獣保護管理政策(=科学的調査により、できるだけ正確な野生鳥獣生息数を出し、殺すことによって人間が適当と思う数まで低減させ、生息数を一定にする)そのものが、そもそも無茶なことだと考えています。

ちなみに、今回の兵庫県保護管理計画のパブコメ応募者は、407名で意見は1570件だったそうです。県としては、パブコメ内容を1件ずつ記せずに、こんな意見があったとまとめてHP上で発表するそうです。

ちなみに森山会長の意見で今回唯一採用されたのは、何度もえさを求めて人里に出てくるサルのことを、悪質なサルと表記されていたのを、言葉がひどすぎると指摘したところ、問題のあるサルと書き換えられていたことだけでした。本当に些末な事だけでした。

兵庫県は、生息推定数は修正したものの、クマに対する対応はこれまで通り、「有害罠にかかれば原則殺処分」を貫くということです。クマは、AランクからBランクに落とされたものの、兵庫県の絶滅危惧種であることには変わりはありません。絶滅危惧種を原則殺処分というのは、理解に苦しみます。

2/26 お誕生日おめでとう ツキノワグマの太郎と花子

クマたちのお誕生日はふつう2月ごろ。母熊は、冬ごもり中に巣穴で子供を産んで、おっぱいをあげながら育てます。母熊は冬ごもり中の6か月間飲まず食わずだと言うのに!なんという体力の不思議でしょうか。

本部スタッフたちが用意したお誕生日ケーキは、リンゴ、ヨーグルト、イチゴでできています。どれも、2頭の大好物なのです。

長野生まれの花子は、冬ごもり中。物音に気付いて「なあに」と超緩慢な動作で1回出てきましたが、また再び冬ごもり部屋の自分で作った藁穴の中にもどって、うつらうつら。22歳になりました。

和歌山県生まれの太郎は、冬眠しません。今日は、本部スタッフたちの愛情をずっとひとり占めでき、最高に幸せな日でした。写真はスタッフからお魚をもらう太郎君。23歳になりました。

故東山省三先生、天から見ておられますか。熊森は、先生にお約束した通り、太郎の世話にあれから7年、ずっと通い続けておりますよ。エサ代も会員達の力でずっと出しておりますよ。ご安心ください。

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