くまもりHOMEへ

ホーム > アーカイブ > 2012-03

2012-03

3月13日 国会議連勉強会再開

3・11で延び延びになっていた奥山水源の森保全・再生議員連盟の勉強会が1年ぶりに再開されました。

まず初めに講師の先生が、林野庁は、戦後、国の財産であった東北6県分の面積に相当する広大な国有林(原生的天然林)を国営林業の為に伐採してしまったなど、30分間講演してくださいました。その後の質疑では、どうしたら、残りわずかな原生的天然林を守れるかという話になりました。

「国有林野の管理経営に関する法律の改正案」が3月2日に閣議決定され、今、参議院農水委員会に参議院先議として出されています。今回の法案で、林野庁の経営は、今後、全て一般会計となります。しかし、現在林野庁がかかえている1.28兆円の借金は、平成60年度までに返済を義務付けられているので、今後、林野庁は、借金返済のために、さらに残された最後の原生的天然林まで伐ってしまうのではないか。どうしたらこれを止められるかなどが、話し合われました。

また、地元のくまもり会員たちと人工林の伐採を進めようと考えておられる議員から、人工林を皆伐するとササ原になってしまい、森が再生できなくなる恐れはないかという質問がありました。ブナ林を皆伐した場合は、一気に日光が射し、一面ササ原になってしまって、もう森に戻らないところがほとんどのようです。

クマもイノシシも、兵庫県内に何頭いるのかわからないというのが現実

3月12日、兵庫県庁近くの労働センターで、第2回野生動物保護管理審議会が開かれました。傍聴席10席のうち、8席が埋まりました。相変わらず、メディアはどこも来ていませんでした。

県が、前回のツキノワグマの推定生息数や増加率を訂正発表すると、委員である研究者たちから、

「クマは生息推定数を出す手法が確立していないので、推定はむずかしいのではないか」という、鋭い意見が相次ぎました。

2012年1月兵庫県発表  クマの年間推定増加率 14%~30%

⇒ 今回3月の訂正 5.7%~15.0%

2012年1月兵庫県発表  クマの推定生息数 313頭~1651頭

⇒ 今回3月の訂正 300頭~751頭

今回の訂正数が正しいかどうか、それすら人間にはだれもわかりません。人間が自然を把握しきることなどできません。

しかし、絶滅危惧種にもかかわらず、捕獲後原則殺処分の県方針は前回のままで、訂正されませんでした。???

イノシシに至っては、何頭いるのかさっぱりわからず、生息数を推定することすら不可能ということで、行政、審議会委員、研究者、全員の意見一致がありました。しかし、シカ、サル、クマ同様、捕殺する話ばかりでした。

また、兵庫県が県民緑税を使って行っている野生動物育成林事業は、ほとんどが山裾の樹木を刈りはらうバッファゾーン造りであり、いっそう動物が棲めないようにしているだけだと、ある研究者委員が指摘されていました。

戦後、人間が壊した野生動物たちの生息地の広大さを思うと、人として、一刻も早く動物の帰れる森を復元してやるべきだと思いました。全生物のためにも、地元の人のためにも。

兵庫県行政のみなさん、地元との話し合いなど、いろいろとむずかしいこともあるでしょうが、何とぞよろしくお願いします。

 今年の大雪で、シカが大量死

世界最大の奉仕団体である、ある国際協会では、1年間の間に全会員が植樹するようにという指示が、外国にある本部から出されているそうです。くまもりは、その団体の支部から、植樹できる場所の紹介を頼まれました。くまもりは、現在、間伐が主力です。3月6日、植樹できそうなところがあるかどうか、その団体のメンバーといっしょに、連携している地元を訪問しました。

3月というのに、現地には積雪はまだかなりあり、同じ兵庫県でも気候が違うことを、改めて再認識しました。

地元の方が、今年の大雪で、シカが、この集落だけでも、何十頭も餓死していると教えてくれました。見つけたら、市に連絡して取りに来てもらい、焼却処分してもらっているということです。自然界ではこうして、時々ドカ雪が降って、シカが増え過ぎないように、シカ数を調整してきました。

よほど空腹だったのでしょう。伐採されて地上に倒されたスギの大木の葉まで、シカが食べていました。本来、スギの葉は、苗木の柔らかい時しか食べないはずなのに・・・胸が痛みました。

近くに、餓死したシカの死体がありましたが、すでに首から上がなくなっていました。テンなどの動物が、死体を食べて片付けていると、地元の方が教えてくれました。

3月21日広島地裁判決 細見谷林道 補助金は違法だが返還は求めず

廿日市の細見谷林道建設問題で、地元西山林業組合への廿日市市からの補助金は公共性が無い、貴重な生態系が残る渓畔林を破壊する事業にも公益性がないと指摘して、地元市民6人が市に対して07、08両年度の補助金計約425万円の返還を求めていた裁判で、広島地裁は住民の訴えを棄却しま した。21日の判決で広島地裁の金村敏彦裁判長は「補助金を出すことは公共上の必要がなく違法」としましたが「交付は20年以上前から続き問題視する声もな く不法行為などはなかった」として、住民の訴えを棄却しました。原告代表の金井塚務さんは「形式的に負けて実質的に勝った。今回の判決は(環境)保全のた めのスタートを切った」と話しました。

(03/21 18:28)

動画を見る

★会報71号発送ボランティア募集

本部事務所近隣の
会員のみなさまへ

日に日に春めいてまいりますが、みなさまお元気ですか。
さて、「くまもり通信」第71号が出来上がり、全国への発送作業がまもなく始まります。

いつもながら大部数ですので、一人でも多くの方に、力をお貸し頂けたらと願っています。
可能な範囲のお時間で構いませんので、ぜひお手伝いください。

☆☆☆
場所:くまもり本部事務所(兵庫県西宮市)
日程★3月12日(月)、14日(水)、15日(木)、16日(金)
(※13日(火)は発送作業はありません。)
いずれも午前10時~夜20時の間の、可能な時間帯でお願いいたします。
☆☆☆
お手伝いいただける方は、本部事務所までご連絡ください。

どうぞよろしくお願いします!

トチノキ発表会のお知らせ(滋賀県)

参加申し込み 3月20日まで 募集定員150名 先着順、参加費無料

神戸の保育園にドングリマン登場!

神戸市の保育園に環境教育に行ってきました。
今回は昨年に引き続き3回目。おととしから毎年、くまもり環境教育部を呼んでくださっている保育園です。

実施前に今年はどんなお話をしようかと考えていたとき、「石川県支部が行っている『ドングリマン』の劇をしよう!」とスタッフから提案があり、急遽、くまもり本部バージョンの舞台セットを作り、衣装をそろえました。

いよいよ本番。

エイ!ヤー!トウー!

1~5歳の園児約60名の前に、スタッフが扮するドングリマンが登場すると、会場に起こる子どもたちの笑い声。

ドングリマン:「ドングリ、ドッサリコー!森がスクスクー!みんなニコニコー!」(おまじない)
子ども:「ドングリの木はどのように大きくなるの?」

後の質問タイムでは、子どもたちからドングリの木についての質問が続々と出ました。

ドングリを食べる動物クイズでは、動物たちだけでなく、人間もドングリを食べられることに、みんなびっくりした様子でした。

お話のあと、ドングリマンが持ってきたチェーンソー(実物)を持ってみようと順番にならぶ子どもたち。こんな重たいチェーンソーを持って木を伐るんだよ。山に木を植えるのも、山の木を伐るのも、体力のいる大変な作業です。

ドングリの木がいっぱいの自然の森が、すべての生き物にとって、とても大切。でも山を自然の森に戻すのは、とても大変。そのことが、この時間を通じて、子どもたちに少しでも伝わっていればいいな。そう願いながら、子どもたちに元気をもらって帰ってきました。

兵庫県が強行に進めているシカ肉学校給食に疑問

害獣有効活用  児童ら「おいしい」

有害鳥獣として捕獲された鹿を有効活用しようと、宍粟市一宮、千種両町の10小中学校の学校給食で16日、鹿肉を使った「ジビエ料理」が出された。17、23日には山崎、波賀両町の小中学校でも提供される。 (2012年2月17日読売新聞より)

<熊森が指摘する問題点>私たちが何を食べて生きていくのかは、大変デリケートな問題です。これまで日本人が食べてこなかったシカを学校給食に出すということは、シカを食べたくない児童に選択権を与えないことになります。シカを食べることに抵抗感を持つ児童にとっては、シカが給食に出されることは、シカ食を強要されたも同然で、人権問題です。メディアが何の疑問も持たずに、このような記事を載せる軽さに、日本の報道の危うさを感じます。おいしい、栄養がある、ジビエという横文字がかっこいい・・・なら、何を食べてもいいのかということになります。裏で誰かがこのような食文化づくりを進めているのです。

戦後、アメリカは、アメリカの牛肉や農産物を日本が輸入するように仕向けるため、新しい栄養学や肉食の勧めなど、すさまじいプロパガンダを展開しました。その結果、魚食だった日本人が、どんどん肉食に変わっていったのです。

本来、日本文化は、仏教の殺生禁止の教えを強く受けています。このことによって、クマを初めとする大型野生動物の棲む豊かな森が残され、今日の繁栄があるのです。

日本人が大量に肉食することで、世界の森の消えていくスピードが速まっています。生き物へのやさしさも、どんどん失われていっています。健康面でも肉食過多の弊害が叫ばれています。

こんな中で、誰がどのような意図で、シカ肉食を進めているのか。シカは豊かな自然界を作ってきた生き物です。元々、害獣なんかではありません。この問題について、もっと、慎重な議論が必要です。

昨年の3・11震度6地震で壊れた原発5つ

最近、原発利権まみれの人たちが組んで、原発再稼働の動きを起こそうと躍起だということです。信じられません。福島で何が起きたか、何が起きているのかご存知ないのではないでしょうか。

ちなみに、中部大学教授武田邦彦氏の「もう騙されない!身近な科学50のウソ」によると、昨年の3・11で爆発した原発は、福島第1原発だけでしたが、壊れた原発は、福島第2原発、青森県の東通原発、宮城県の女川原発、茨城県の東海第2原発の計4つだったそうです。日本の原発は、震度6で壊れるのだそうです。そして、震度6の地震は、日本ではおおよそ年1回のペースで起きているのだそうです。ゾッとします。

2007年の震度6中越沖地震では、新潟県の柏崎刈羽原発が壊れ、火災が発生し、原子炉の内部も壊れ、およそ3億ベクレルの放射線が漏れる大事故となったそうです。

近畿に住む者は、福井県の原発が心配です。事故って、琵琶湖の水が放射能汚染され飲めなくなったら、1400万人が引っ越さねばなりません。この危険性は、小学生でもわかるはずです。伝えないマスメディアの罪は本当に重い。

2月下旬、渾身の会長講演続く

2月22日(水)新潟県地域振興局農業関係職員研修会

新潟で訪れたこの町は、積雪3メートルでした。クマ駆除が多い新潟県庁の職員のみなさんに、熊森が受け入れられるかどうか少し心配でしたが、例によってまったくぶれたり媚びたりせず、思う通り熊森の考えていることをそのまま2時間話させていただきました。反発されるかなとも思いましたが、みなさん熱心に聞いてくださり感激でした。

とても感動した。次は中学校で講演してほしいというお話もいただきました。

1泊して、何人かの地元くまもり会員の方々にお会いしました。いずれも素晴らしい方たちで、こんな方たちが会員になってくださっていたのだと思うと、会長として誇らしさでいっぱいになりました。会報でご紹介したいです。

2月24日(金)大阪の倫理法人会主催 夜の講演会

全国で65000社が加入しているという倫理法人会。当協会は2008年に、地球倫理推進賞という賞をいただいています。しかし、法人会員のみなさんは、日本熊森協会がなにをしている会かご存じなかったようで、講演を聞いて、「初めて知った。熊森のしようとしていることに心から賛同だ。全国の倫理法人会を回ったら、みんな会員になると思います。めざす所は同じです」という感動の声が、いっぱい上がりました。ふだんから、国民の9割は熊森と同じ感覚をもっているという感触を得ていたので、改めて、やっぱりわかってもらえる、もっともっと話して歩かなければと元気づけられました。

2月25日(土)北陸地方私立学校の教員と父母の研修会

新潟、富山、石川、福井の私立学校の先生方と一部父母も参加されたホテルでの研修会で2時間講演をさせていただきました。

この日も、主催者側が、何を語ってもいいと言って下さったので、本当に語りたいことをそのまま話させていただきました。みなさん、クマ生息県の方たちなので、熊森への反発も少し心配しましたが、ここでも、2004年の北陸でのドングリ運びのことから始まって、ありのままを話させていただきました。

自分たちは山から出て来た動物ばかり見ていて山を見ていなかったと、大変な反響でした。熊森というのは、ドングリを運んだ生態系を攪乱させる変な団体という一方的なマスコミ報道しか頭になかった先生方も、実態はそうだったのかと話を聞いて深く理解して下さいました。生物の先生たちがわかって下さったのは、特に心強かったです。

無責任なマスコミや悪意あるネットでの一方的な書き込みによって、熊森の誤ったイメージが作りあげられていく。何が真実か分からなくなる。本当に怖い時代だと思います。会って話し込む。この重要性を再認識しました。

1泊した夜の懇親会で、新潟の教師や父母の皆さんが多く集まってくださり、新潟に支部を作ろうという話で盛り上がりました。最近、新潟の行政に連続して呼んで頂いています。今年、本当に新潟に支部が出来るかもしれないとうれしくなってきました。

北陸からの帰り、石川県支部長宅を訪れていろいろと話し込み、帰宅しました。(森山)

フィード

Return to page top