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2012-03-28

3月13日 国会議連勉強会再開

3・11で延び延びになっていた奥山水源の森保全・再生議員連盟の勉強会が1年ぶりに再開されました。

まず初めに講師の先生が、林野庁は、戦後、国の財産であった東北6県分の面積に相当する広大な国有林(原生的天然林)を国営林業の為に伐採してしまったなど、30分間講演してくださいました。その後の質疑では、どうしたら、残りわずかな原生的天然林を守れるかという話になりました。

「国有林野の管理経営に関する法律の改正案」が3月2日に閣議決定され、今、参議院農水委員会に参議院先議として出されています。今回の法案で、林野庁の経営は、今後、全て一般会計となります。しかし、現在林野庁がかかえている1.28兆円の借金は、平成60年度までに返済を義務付けられているので、今後、林野庁は、借金返済のために、さらに残された最後の原生的天然林まで伐ってしまうのではないか。どうしたらこれを止められるかなどが、話し合われました。

また、地元のくまもり会員たちと人工林の伐採を進めようと考えておられる議員から、人工林を皆伐するとササ原になってしまい、森が再生できなくなる恐れはないかという質問がありました。ブナ林を皆伐した場合は、一気に日光が射し、一面ササ原になってしまって、もう森に戻らないところがほとんどのようです。

クマもイノシシも、兵庫県内に何頭いるのかわからないというのが現実

3月12日、兵庫県庁近くの労働センターで、第2回野生動物保護管理審議会が開かれました。傍聴席10席のうち、8席が埋まりました。相変わらず、メディアはどこも来ていませんでした。

県が、前回のツキノワグマの推定生息数や増加率を訂正発表すると、委員である研究者たちから、

「クマは生息推定数を出す手法が確立していないので、推定はむずかしいのではないか」という、鋭い意見が相次ぎました。

2012年1月兵庫県発表  クマの年間推定増加率 14%~30%

⇒ 今回3月の訂正 5.7%~15.0%

2012年1月兵庫県発表  クマの推定生息数 313頭~1651頭

⇒ 今回3月の訂正 300頭~751頭

今回の訂正数が正しいかどうか、それすら人間にはだれもわかりません。人間が自然を把握しきることなどできません。

しかし、絶滅危惧種にもかかわらず、捕獲後原則殺処分の県方針は前回のままで、訂正されませんでした。???

イノシシに至っては、何頭いるのかさっぱりわからず、生息数を推定することすら不可能ということで、行政、審議会委員、研究者、全員の意見一致がありました。しかし、シカ、サル、クマ同様、捕殺する話ばかりでした。

また、兵庫県が県民緑税を使って行っている野生動物育成林事業は、ほとんどが山裾の樹木を刈りはらうバッファゾーン造りであり、いっそう動物が棲めないようにしているだけだと、ある研究者委員が指摘されていました。

戦後、人間が壊した野生動物たちの生息地の広大さを思うと、人として、一刻も早く動物の帰れる森を復元してやるべきだと思いました。全生物のためにも、地元の人のためにも。

兵庫県行政のみなさん、地元との話し合いなど、いろいろとむずかしいこともあるでしょうが、何とぞよろしくお願いします。

 今年の大雪で、シカが大量死

世界最大の奉仕団体である、ある国際協会では、1年間の間に全会員が植樹するようにという指示が、外国にある本部から出されているそうです。くまもりは、その団体の支部から、植樹できる場所の紹介を頼まれました。くまもりは、現在、間伐が主力です。3月6日、植樹できそうなところがあるかどうか、その団体のメンバーといっしょに、連携している地元を訪問しました。

3月というのに、現地には積雪はまだかなりあり、同じ兵庫県でも気候が違うことを、改めて再認識しました。

地元の方が、今年の大雪で、シカが、この集落だけでも、何十頭も餓死していると教えてくれました。見つけたら、市に連絡して取りに来てもらい、焼却処分してもらっているということです。自然界ではこうして、時々ドカ雪が降って、シカが増え過ぎないように、シカ数を調整してきました。

よほど空腹だったのでしょう。伐採されて地上に倒されたスギの大木の葉まで、シカが食べていました。本来、スギの葉は、苗木の柔らかい時しか食べないはずなのに・・・胸が痛みました。

近くに、餓死したシカの死体がありましたが、すでに首から上がなくなっていました。テンなどの動物が、死体を食べて片付けていると、地元の方が教えてくれました。

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