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2013-08

対馬の森林競売問題に朗報

本日、某新聞全国版に、長崎県対馬市の奥深いところにある森林260ヘクタールが9月4日に競売に出されるというニュースが掲載されました。まさに、絶滅危惧種ツシマヤマネコの生息地です。対馬の森については、これまでも会員のみなさんから、緊急保全の必要性ありとして、熊森に視察してもらいたいという情報がいくつか寄せられていたところです。

 

記事を見られた会員のみなさんから、何とか熊森で買い取れないのかというお電話を、朝から次々と頂きました。情報をお寄せくださったみなさん、本当にありがとうございます。

 

ただちに、対馬市役所担当課に連絡しましたら、対馬市が買い取る方向に動いており、地権者、市、○○金融公庫の間で、競売中止の合意が成り立ったところだということでした。1件落着。ほっとしました。

 

森なくして人なし。森あっての人間。

対馬市長様をはじめ対馬市議会議員の皆様、並びに関係者各位の賢明なるご判断に、心から敬意を表します。

8月25日 第2回日本奥山学会発表会 速報

学会開催地の兵庫県西宮市は、この日、1時間の降雨量78ミリという、朝から観測史上最多の猛烈な雨。JRがストップするなど交通機関に大きな乱れが生じました。

 

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傘を差しながらの案内係

こんな中、学会発表会を開催。人間活動による気候変動のしっぺ返しを思いきり知らされながらスタートしました。

 

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「日本奥山学会は、奥山保全・再生に向けて、国の政策を転換させるため、勇気ある使命感にあふれた研究者の発掘・育成を行います。

化石燃料を燃やすことによって出てくる硫酸や、自動車の排気ガスから出てくる硝酸などの大気汚染物が、樹木の根を枯らしたり、根に土中の水や養分を与える役目を果たしている菌根菌を殺していると言われます。市民として、それらの仕組みなどを、今日、勉強しましょう。市民が力をつけないと、衆愚政治になってしまい、国が正しい方向に進めなくなります。」(日本奥山学会 森山会長のあいさつから)

 

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「みなさん、日本奥山学会の会員になってください」

(日本奥山学会を指導してくださっている、元広島大学教授西川先生のあいさつから)

 

 

●記念講演 「菌類が支える森」小川真氏(大阪工業大学客員教授)

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「まず、地球環境を守らないと、人間は守られないよ。大昔、石炭ができたのは、当時、地球上に菌類がいなかったからだ。今、ナラ枯れで、100年200年の木がどんどん枯れていっているが、100年200年の間全く起きなかった地球環境の変化が起きているということだ」

地理的にも年代的にも巨大なスケールの話が続きました。目の前の小さな事ばかりに気を取られていては、大きな流れがわからなくなるということがよくわかりました。

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休憩時間に、小学校5年生の「キノコ博士」が、あこがれの小川先生にごあいさつ

 

●特別講演 「ミツバチの失踪とネオニコチノイド系農薬の関係」 山田敏郎氏 (金沢大学教授)

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DDTを発明した人は、ノーベル賞をもらったが、今や、DDTは使用禁止になっている。ネオニコチノイド系農薬の害は、これまでの農薬と比べて格段に大きい。早く使用禁止にしないと、取り返しのつかないことになってしまう。

 

●研究発表

・「日本の養蜂業の現状」 尾崎幸仁氏(大阪府立園芸高等学校)

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農薬を使用している水田の近くでは、ハチが飼えない。養蜂業者はみんな知っている。

 

・「シカの食害から植生を守る」丹下研也氏(大阪自然環境保全協会会員)

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シカよけ柵で完全に囲った土地に緑がよみがえったが、草が大きくなり過ぎる。ある程度のシカが、自然生態系には必要であるとわかった。

 

 

・奥山保全・再生実践活動報告(日本熊森協会)

「人工林皆伐地の広葉樹林化」斉藤義人

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「自動撮影カメラを用いたクマの生態調査」家田俊平

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s-DSC_0259日本奥山学会 室谷副会長

本来、自然は刻々と変化していくものだが、現在、どんどん悪いほうに変化していっている。森の中から多くの生き物たちが消えていっているのは大変な事態が起こっているということだ。このような問題に対して、本日の講演や研究発表が、対策へのヒントをいくつも示してくれた。

 

<最後に>

第2回発表会も内容がすばらしく、参加者一同から、大変高い評価を受けました。また、会場の質問者の質問内容が、どれも的確で、発表者の発表内容の理解を深めるのに大変役立っていたことが印象に残りました。

準備してくださったみなさん、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 

いよいよ明日8月25日、日本奥山学会第2回発表会開催です

地球規模で、森林が猛スピードで枯れたり弱ったりしてきました。
毎年4万種の生物が絶滅していると言われています。
いったい何が起きているのか。
これからどうしていったらいいのか。

 

奥山の危機的状況に対して、様々な実証的研究の成果を出し合い、奥山について特化した新たな研究領域を開くために、昨年度、日本奥山学会が設立されました。この学会は、政官財などの圧力を排した、完全中立の、市民にも開かれた学会です。研究者が良心だけに従って自由に研究発表していただけます。

 

市民のみなさん、第2回発表会に参加して、みんなで勉強しませんか。参加費は無料ですが、参加していただくには事前申し込みが必要です。

 

「第2回日本奥山学会」 研究発表会のご案内

 

1)開催日時: 平成25年8月25日(日)13時~17時

 

2)会場:   関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス

(兵庫県西宮市)法科大学院

 

3)プログラム:

 

●記念講演

「菌類が支える森」小川真氏 (大阪工業大学客員教授)

 

●特別講演

「ミツバチの失踪とネオニコチノイド系農薬の関係」

山田敏郎氏 (金沢大学教授)

 

●研究発表

・「日本の養蜂業の現状」 尾崎幸仁氏(大阪府立園芸高等学校)

・「シカの食害から植生を守る」

丹下研也氏(大阪自然環境保全協会会員)

 

 

4)参加申込み(参加費無料):

 

氏名、住所、電話番号をcontact@okuyama-society.orgまでお送りいただくか、お電話にてお申し込みください。

 

今回は、樹木の根に巻き付いて、樹木に水や養分を与えている菌根菌などの菌類研究の第一人者である小川真氏や、今年6月に「低農薬でもミツバチ減」として研究成果が多くのマスコミでも取り上げられた山田敏郎氏が、それぞれ記念講演や特別講演をしてくださいます。研究発表も含め、いずれも奥山保全には関わりの深い興味深い内容です。

8月3日、宇都宮大学会場前で、熊森栃木県会員たちと環境省イベントに抗議活動

「すごいアウトドア」として、一般人にハンターになろうと呼びかける、「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」に対して、会場前で抗議活動を行いました。

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栃木県の会員たちも駆けつけてくれました。会場前で、

 

「野生動物の命を奪うことが、すごいアウトドアだなんて、わたしたちは認めない。シカ・イノシシによる被害問題は深刻だが、解決に向けて、環境省は、防除柵設置や、動物たちが帰れる森づくりに税金を使ってほしい。人間中心の現代社会だが、環境省だけは、自然や野生生物の側に立つべきだ」

 

と、みんなでチラシを配ったり、声を張り上げたり、総勢10名で、抗議活動を行いました。会員の皆さんは、本当に勇気を出してよくがんばってくださったと思います。

 

このイベントは、200席会場に275人が詰めかけるという盛況ぶりでした。さすが、市民団体と違って、環境省(=国)の力はすごいです。

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狩猟学の専門家と、銃と射撃の月刊誌のライターの方が、「狩猟のイロハ」という題で、対談されました。

この後、ワークショップがあって、参加者は、銃を持たせてもらったり、罠の実演を見たり、野生鳥獣肉を食べたりしていました。

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この時、このフォーラム開催とは関係のない問題なのですが、長野県など一部の県に引き続いて、山梨県が、環境省が決めたくくり罠の12センチ規制を緩和しようとしていることを思い出して、くくり罠の実演をしておられた栃木県の猟友会の方に、「シカやイノシシを獲るには、くくり罠の12センチ規制を緩和する必要がありますか」と尋ねると、「必要ないよ。12センチで十分獲れるよ」と、即答されました。

 

わたしたちは狩猟を全面否定しているわけではありませんが、レジャーやスポーツとして野生動物を殺すことには絶対に反対です。

 

人間がシカやイノシシを殺し続けない限り、かれらは増え続けるという理論が、このフォーラムの根底にあるわけですが、この理論が正しいかどうか、学問的には、誰にも証明されていません。

 

人間が、戦後、捕食者としてのヤマイヌを殺し尽くしたり、犬をつないで飼うように決めたことには、問題はなかったのでしょうか。

 

戦後、人間が、野生鳥獣の生息地であった広大な奥山に入り込んで開発したり、奥山原生林を東北六県分の面積皆伐して、いったん広大な草原にし、その後、1000万ヘクタールの山林(全国山林面積の42%)を針葉樹だけの人工林にして放置し、広大な奥山を荒廃させてしまったこと、化石燃料を燃やし続けて大気を汚染し、酸性雨や地球温暖化を招いて、今も自然生態系のバランスを狂わせている等々、人間側の反省点も多いはずです。

 

しかし、このフォーラムには、自然破壊や、第一次産業を軽視して、環境破壊、生態系破壊をし続けてきた人間側の反省は全くなく、「シカ、イノシシの数が増えた、みんなで殺してくれ」というだけで、人間として悲しくなりました。

しかも現在、狩猟対象となっている多くの野生鳥獣は、激減しています。環境省は、ハンターになった人たちに、カワウ・シカ・イノシシだけを獲れと指示するのでしょうか。

 

もっともっと大きな観点から、戦後、人間が自然界にしてきたことを総点検し、クマ・サル・シカ・イノシシ等大型野生動物問題の解決に向けて、第一次産業の重視も含め、国民的議論を呼び起こすべきだと思います。

野生鳥獣被害に困るようになったから、野生鳥獣を殺しておけという考え方は、あまりにも一方的です。

フォ―ラムに参加して、このような考え方では、野生鳥獣と共存する国など、とても望めないと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月28日 大人気の太郎と花子

夏盛りの7月28日は、初参加の大学生2名を含む12名でお世話に行きました。

お土産は旬の桃。思わず「ぜい沢やなー」と声が上がります。

どうしても、自然の野山を駆けることの出来ない太郎や花子に対しての

不憫な思いが先立つのでしょう。

せめておいしいものぐらい食べさせてあげたいという会員の思いが強いので

ついつい、2頭の好む高級果物の差し入れが多くなります。

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まずはいつも通り獣舎内をきれいにお掃除します。

 

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プールのお掃除は結構大変です。底まで丁寧に大学生の方達が、心を込めて洗ってくれました。

今年は猛暑です。太郎と花子も立派な毛並みなのでさぞ暑いことでしょうが、プールの掃除も汗が止まりません。

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毎回、ボランティアリーダーのOさんが一升のご飯を炊いて持ってきてくださってます。

このごはんに鯖の水煮缶を混ぜて食べるのが太郎と花子の好物で大切な主食です。

ご飯が済んだらデザートにたくさんの果物を食べます。よく熟しておいしそうなものから食べているようです。

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猛暑です。お水やスイカも、必要です。がんばってチーちゃんも、一緒に今年の夏も元気で乗り越えてね。

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初参加の大学生の方たちの感想は、「動物園の飼育員並みのこんな体験が出来てすごく良かった」ということでした。

来る8月25日も、新しく大学生の方々が4名参加してくださる予定です。(H)

 

今年も参加者一同大感動 第18回本部原生林ツアー

1997年のくまもり結成当初から続く原生林ツアー。18回目の今年は8月4日(日)、なんと1才から70代まで、岡山から自家用車での参加を含めて総勢61名の方が参加してくださいました。場所は西宮のくまもり本部から車で3時間ほどの所にある、岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)の若杉天然林です。こんなに遠くまで行かないと、もう、原生的な豊かな森は見れません。みなさん豊かな森ってどんな森なんだろうと期待に胸を膨らませて出発しました。

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クマさんは豊かな森のシンボル。ということで、まずは、たつの市の公園で飼育されている2頭のクマさん兄妹を訪れました。このクマ獣舎は、2年前にくまもりの要望を取り入れていただき、改造されて広くなったもの。2頭とも名前がついておらずみんなでクマさ~んと呼んでいると、クマさんが奥から出てきてくれました。夏の暑い日でしたので思いっきり水をかけてあげたいと思いました。

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道中車窓から人工林を眺めていただき、私たちが豊かな山だと思っていたところが実は人工林であることを説明。そしてバスを降りて人工林を見学し、人工林が野生動物や土砂災害などいかに大きな影響を与えるかを説明しました。「森林・林業再生プラン」の影響で山のあちこちに林道が造られ、山にたくさん傷がつけられているようで心が痛みました。人工林の中には下草がまったく生えておらず、ほとんど生き物の気配を感じることができませんでした。この様子をしっかり頭に入れておいて、若杉天然林と比べてもらいます。

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いよいよ若杉原生林に到着し、班ごとにごはんを食べていると突然の大雨。みなさんとりあえずバスに避難していただきましたが、昼食を済ませるとすぐに雨もあがり、原生林ツアーを続行することができました。

いよいよ若杉天然林へ。広さはわずか86ヘクタールですが、ブナやミズナラなど199種類もの樹木が生い茂る原生的な森。

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今回も参加してくれた子供たちがまっさきに虫を見つけていました。

沢水の温度は16度でした。年間を通してほぼ一定の温度で、夏は冷たく、冬あたたかく感じられるのが、湧水の特徴です。

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天然林の中はしっとりと湿っており、谷川にはこんこんと水が流れ続けていました。

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巨木が倒れたあとにできるギャップ、そのギャップに生えてくる更新稚樹、すべてがこの多様性豊かな森をつくるのに必要不可欠です。

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今年参加できなかった方は、来年是非ご参加ください!

参加者の感想

・人工林がいかに自然のサイクルを壊しているかという説明で今まで知らなかったことを知り、とても勉強になりました。

・緑いっぱい、さわやかな風、たえまなく聞こえる沢の水音、目を閉じて耳をすますとどんどん身体のこわばりがほどけていくのを感じました。

・天然林の頂上で自然林と人工林の明らかに違う森の姿を見て人間の都合で壊してしまった自然がどれだけのものか知ることができました。

・本部の森再生活動に参加しているのですが若杉原生林のように美しい森に再生できるように頑張りたいと思いました。

・これから日本の事を考えていって欲しい若い方の参加に意味あるな~と思いました。

・スタッフの方々の熱心さ、親切さに感動しました。

8月3日午前 栃木県会員らと宇都宮大学で「狩猟学」聴講

いよいよ、環境省主催「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(於 宇都宮大学)の開催日です。

午前中は、「狩猟学」の講義がありました。

 

講義は各90分間で、講義されたのは次の2名の方です。

9:00~10:30

宇都宮大学農学部付属里山科学センター特任助教 小寺祐二博士

10:40~12:10

東京農工大学大学院共生科学技術研究院 教授 梶光一博士

 

この2名の方は、2012年1月に東京農工大で開催された、

文部科学省特別研究費(連携融合事業)国際シンポジウム

「大型野生動物の管理システムの構築:クマ、シカ、イノシシとの共存を目指して」

 

主催:東京農工大、

 

共催:Norwegian University of Life Sciences・宇都宮大学・兵庫県立大学・兵庫県森林動物研究センター・岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター・酪農学園大学、

 

後援:環境省・農­林水産省・横浜国立大学COE・森林総合研究所・野生生物保護学会・日本哺乳類学会・­日本生態学会・大日本猟友会

 

において、それぞれ、

「イノシシの管理の現状と課題」(小寺氏)、

「ニホンジカの管理の現状と課題」(梶氏)

と題する講演をされた方です。

ちなみにこの時、「クマ類の管理の現状と課題」の題で講演されたのは、兵庫県立大学 准教授 横山真弓博士です。

いずれも、YouTubeから当日の動画が閲覧可能です。

 

梶教授は、2010年11月に、環境省鳥獣保護業務室からの働きかけにより開かれた「狩猟と環境を考える円卓会議」(狩猟団体、自然保護団体、地方紙団体等の有識者から構成)の座長を務められた方で、2011年6月の第5回検討会後、最終提言をまとめられました。こちらの内容も、インターネットから閲覧が可能です。

祝・「びわこ水源の森・巨木トラスト基金」が、トラスト必要額960万円を超えました

「びわこ水源の森・巨木トラスト基金」を応援してくださっている皆さまへ

 

いつもご支援ありがとうございます。
さて、先月7月2日より開始したトチノキ巨木林保全のための資金集めですが、おかげさまで、基金がトラスト必要額960万円を超えました!
驚く速さで基金が集まり、スタッフ一同感激しております。本当に、皆様のご支援・ご協力には心からお礼申し上げます。

 

なお、8月15日で〒振替口座は閉じられました。以降のご入金はできません。
今後の詳細等につきましては、また追って専用ホームページ上でお知らせさせていただきます。

https://sites.google.com/site/biwakokyobokunomori/

見上げるトチの巨木

栃木県日光の山を栃木県会員らと視察 8月2日

午後から、栃木県会員のみなさんに、車で日光の山を案内していただきました。日光東照宮の横を通って行きました。東照宮は死ぬまでに1回は見ておきたいと思いましたが、今回は目的が違うので、残念ですが、山に直行しました。

 

山裾で、シカよけネットで囲まれた美しい庭園を見せていただきました。見たこともない可憐な草花がいくつか咲いていました。このネットの中の庭園が、本来の日光の植生を残しているということでした。ネットの外は、シカによって、好きなものを食べつくされてしまい、もはや本来の自然植生ではないそうです。どこでもシカ問題は深刻です。

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どんどんと山を上がっていきました。ここはかつてはスキー場でしたが、つぶれたそうです。こんな上まで、人間が山を取ってしまっているとわかりました。

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この山は、自然の広葉樹林です。道中スギの人工林が多かったので、ほっとしました。ここは霧が多くて有名なところだそうです。時間がなかったので、森の中までは入れませんでした。

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圧巻はO牧場でした。日光国立公園内の標高1,030~1,320mに位置し、関東平野を一望できる場所に、巨大な牧場がありました。もともと栃木県は、北海道に次ぐ酪農県なのだそうです。行けども行けども牧草ばかりで、その広さは362ヘクタール(東京ドーム77倍!)の草地です。豊かな自然が息づく、のどかでおおらかな牧場という紹介でしたが、もちろん、熊森的には、ここには自然はありません。

ここはかつて、クマをはじめとする野生鳥獣たちの生息地だっただろうなと思いました。今、牛はこの広い牧場に1頭もいません。この時、栃木県の隣が福島県であることを知りました。放射線量を調べてみて、牛たちを放牧していないのだそうです。ほっておいたら数百年後、森に戻るのではないかと思いました。持参した線量計で、線量を図ってみました。

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帰りにのぞいた人工林の中です。どこもほとんどが放置人工林でした。

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駆け足で、日光の山を見せていただきましたが、次回、栃木県に来るときは、栃木県のクマ生息地の山の中に入って調べてみたいです。

 

 

 

わたしたちの声も聴いてほしい 栃木県庁で記者会見 8月2日

環境省担当官によると、「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」についておかしいと意見を言ってきたのは熊森だけだということでした。誰かが声を上げねばならないと危機感を感じた熊森は、お昼の12時から午後1時まで、栃木県庁で記者会見をさせていただきました。

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「野生鳥獣が田畑に出て来たのはハンターが減ったからと環境省が説明するとき、1970年以降の狩猟者が減りだした後のグラフだけを見せて、世論操作しています」・・・熊森の説明を、新聞記者のみなさんが熱心に聞いてくださり、多くの質問も受けました。

 

人工林率46%という栃木県の森の状況を、栃木県会員の方に補足説明していただきました。以前と比べると森の中の昆虫がすごく減ったという証言をしてくださいました。

戦後、人間が森の中をどれくらい荒廃させたか見ないで、山から出て来た動物ばかりを見て、殺す対策しかとらないのは、あまりにも悲し過ぎます。いろんな意見の人を集めて、いろんな意見を出し合ってもらい対策を考えていく。国策を誤らないために、環境省にはそんな国づくりをお願いしたいです。

 

次の日の朝刊では、多くの新聞社が、熊森の意見を紹介してくださいました。ジャーナリストは死んだとか言われるけれど、奥山を歩き続けている市民団体である熊森の見解を紹介してくださる記者さんが、栃木県にはたくさんおられました。まだまだ日本は民主主義国家だと思うと、うれしくなりました。記事にしてくださった記者のみなさん、本当にありがとうございました。

 

8月3日朝刊掲載新聞

東京新聞、毎日新聞、産経新聞、読売新聞、下野新聞

 

 

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