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2010-10-18

日本のクマを絶滅させないための緊急声明

日本のクマを絶滅させないための緊急声明

日本熊森協会 2010.10.16

1 ①今年は山の実りが何もないという、2004年2006年をしのぐあり得ない異常年。人道上、生態系保全上、冬ごもり前の食い込み用食料を求めて人里に出てきたクマを殺してはならない

②クマが人里に出てこなくてもいいように、これまでクマの生息地を壊し続けてきた人間側としては、クマたちに食料を提供しなければならない

2 早急に、クマを種の保存法上の希少種に指定し、狩猟と有害捕獲を原則禁止し、環境大臣の監視下に置くこと。

3 生息地の復元・森再生を早急に行う。人工林の間伐のために50万人を緊急雇用すること。

4 今年、猛スピードで広がったナラ枯れの原因究明と対策を国が行うべきである。

5 現在残っているクマたちの生息地である原生的な森をこれ以上開発しないように、法規制をかけるべきである。

(生物多様性条約第10回締約国会議開催都市名古屋での「くまもり生物多様性シンポジウム」にて)


熊森協会サイトの方で、http://kumamori.org/infomations/ 今、知って頂きたいことを順次更新しております。ぜひご覧下さい!(デザイン面で少々読みにくい点などすみません。)

COP10開会!

18日、COP10が開会いたしました。私たち、T&Mは、8時前頃にアパートを出発し9時前に会議場に到着。Tは開会式の場所取りに。Mはブースに荷物を起きに。一足早く入場を果たしたTは、開会式が開かれる国際会議場のセンチュリーホールの入口にて、IUCN(国際自然保全連盟)のメンバーでもあり、WWF韓国の理事をするなど、長年、自然保護に携わってきた韓国人の理学博士である韓博士と話し込んでいました。

韓博士によると、韓国では野生クマが絶滅しており、今、なんとかクマを野生に戻そうと努力をしているが、なかなか成功しない。一度、絶滅させてしまったものを、もう一度野生に戻すのには、かなりの労力が必要だとのこと。(ホントに!)韓博士は、とても日本語が達者な方でした。

韓博士の車椅子を押しながら(かなりご年配のため)会場に入り、韓博士の着席補助のかたわら、2人はちゃっかり数の少ないNGO用の席を獲得。国際会議での、NGO用の座席がわずかしか用意されていない状態に驚きました。(しかも一番後ろの方です。更に後ろなのは教育関係者でした)

NGO、教育関係者が一番後ろ。一応マイクはある。

少ないNGOの席を確保!

ボタンを押すと、「発言の意思」としてマイクのライトが点滅。点灯した場合、「発言が許可」されたことになる。

開会の10時に近づくにつれ、会議参加者がぞくぞくと集まってきました。開会式で正装の参加者の中、それぞれの民族衣装を身にまとっている方々の姿も見え、国際会議であることを改めて実感するT&M。

2人の横に座られたNGOさんは、ラムサールセンター(湿地と人間研究会)の女性が3名。彼女たちは、日本を拠点とし、アジアを中心に貧困による環境破壊をとめるべく、環境破壊をしなくても経済的自立ができるように、色々な方面からサポートをしているとのこと。双方の活動についての情報交換。

開始を知らせるベルが鳴り、手影絵による日本にいる動物(ウサギ・シカ・キツネ・タヌキ・鳥類など)と草花木の映像をバックに、デヴァ・ヨーコさんによる篠笛演奏(日本の伝統的な横笛の一種)によりCOP10が開会。

美しい笛の音色

かなり高度な影絵技が・・・

演奏後は、COP9(ドイツ・ボンにて2008年開催)での議長を務めたニクロス・ペルサニ(Mr.Miclos Persanyi)氏のあいさつから、COP10議長となる松本環境大臣の紹介にうつり、松本環境大臣のあいさつに。

前議長

前議長から新議長へコングが渡された

生物多様性2010年の目標が、達成されなかった結果の報告から始まり、一度壊した環境を戻すことが難しいと述べた後、こらからは資源の利益配分と地域経済の拡充を視野に、生物多様性に恵まれた瑠璃色の地球を次の世代に残していかなくてはいけない。皆の力を合わせる時。とメッセージを述べました。

次に、愛知県知事の神田信秋氏によるあいさつ。

愛知県知事

愛知県は県民による植樹活動(グリーンウェーブ)など地域を巻き込んで行うなどと、生物多様性が最も進んだ地域である。と発表。

英語のスピーチはわかりにくかった・・・

その後に続き、名古屋市長の川村たかし氏も、名古屋は徳川家の城下町として発展し、現在テクノロジーが発達したモノづくりのDNAが根づく都市であり、かつ自然環境にも恵まれている地域であることを紹介。川村市長は、懸命に英語で演説(わかりにくかった…主催国だし、美しい日本語を披露したほうがいいのでは?と思ったM&T)。

二人いるお子さんの話もした

その後、国連環境計画(UNEP)の事務局長であるアチム・シュタイナー氏 (Mr. Achim Steiner)のあいさつ。政府間での話し合いだけでなく、地域コミュニティを含む民間レベルにおいても話合う必要を説いた。(でも、本会議に参加できるスペースはないけど)そして、資源保全と同時に持続可能な資源の利益分配を進める必要性も説く。今回のCOP10会合において、新しいアプローチによる目標達成までの戦略を練らなくてはいけないと、発表。

折り紙プロジェクト

最後に、CBD(生物多様性条約)事務局長である、アハメド・ドジョグラフ氏(Mr. Ahmed Djpghlaf)のあいさつにて締めくくられた。今回のCOP10には、193国の加盟国と、16,000名の参加があるとの報告。2010年には、生物多様性条約の目標を達成できず、前例がない速度で生物多様性が失われているとのこと。今までの流れのままでいくと、限界点(テッピングポイント)に到達してしまい、取り返しのつかないことになる。と述べ、生物多様性保全の危機を訴えていた。今後、生物多様性保全に向け、新しいアプローチが必要とし、自然との絆・自然との調和が必要性・努力を持続させることの重要性を漢字「和」などを紹介しながら訴え、最後に、今回のCOP10で今まで違うアプローチで生物多様性を保全する内容になることを期待し、あいさつは終わった。

Life in Harmony

あいさつが終わった後、カラフルな衣装をまとったMISIAが登場。「Life in harmony」という生物多様性の素晴らしさをうたった曲を、エネルギーいっぱいに披露。会場が、一時、感動につつまれる。MISIAの歌唱力はすごいと肌で感じるT&M。

開会式が終わり退場すると、会場のロビーでは、大勢の会議参加者たちが出てきており、賑やかだった。ロビーに出たT&Mは、チラシなどが置いてあるデスクにて、情報収集に励んでいると、そこに、「京都ジャーナル」という雑誌を何冊か持った、京都ジャーナルの編集長に出会う。日本熊森協会の紹介を、彼らが発行している「グリーンガイド」に載せてくださっているので、その感謝の気持ちを伝えると、プレスルームにグリーンガイドがまだあるのでもっていくか?と、プレスルーム(プレスIDを持っている人しか入れないと書いてあるのに、大丈夫大丈夫といって、中に入れてくれた。ここもまた、雰囲気が全然違う…)まで彼についてゆき、グリーンガイドを頂く。プレスルームでは、報道関係の人々が忙しく動いていた。

林野庁~

ガラガラ・・・

さっさっと昼食を済ませ、農林水産省が林野庁と森林総合研究所と共に開催するサイドイベント(講演会)に出席。サイドイベントのタイトルは、「森林で生物多様性を守る~日本から世界へ~」。大きな会議室で、参加者がぽつぽつとしかいない中、講演会は始まる。時間がないため、ディスカッション・質疑応答の時間はありません。と最初に報告。質問があれば、後日メールをくださいとのこと。一方的に、発表だけを聞く講演会だった。詳細はまた後日。

日本の森林率

森林管理形態

絶滅危惧種

森林の内訳の変化

1950年代に森林の生物多様性が無くなり、その後、特によくも悪くもなっていないから、生物多様性は守られていますという報告・・・え?

野生動物が「増えた」理由の一つが「猟師の減少」としているが、データが1980年代からなのはなぜだろう。1980年以前はもっと少なかったのに、それを見せないのはMisleadingになる。

条約会議~Tは最後まで。Mは途中からブースへ移動

林野庁の発表が終わると同時に、どど~~っと人が入ってきて、いったい何事?と思ったら、この会場で午後の本会議が行われるようだ。

NGOなどが発言の意思を表示するも、発言権が与えられているのは加盟国のみだった

あらかじめ加盟国に改訂条約文が渡されていたらしく、何ページの何行目がどうのこうのという話が続く。一応、会場の最後部にあるNGOやその他団体の所にもマイクがあり、「発言の意思」は表示できるが、発言権があたらえられることはなかった。加盟国だけしか発言できない状況。10席ほどしかないNGOセクションを埋め尽くしたのは、IUCN(例のおじいさんが所属する団体)。世界中からIUCNの教授連や各分野の代表者が沢山きていて、発言の意思を表示しているにもかかわらず、願いかなわず。な状態。COP10はNGOや教育関係者の意見は無視なのだろうか。

途中でブースに戻ったM。クマの現状を知った瞬間に「私、人生バラとクマにささげるから!」と30分でかかえるほどのどんぐりを汗だく・蚊に刺されつつも拾ってきて、即「クマ大使」となったMAKANAと共に、フェスティバル会場(都道府県や日本弁護士連合会などのブースが立ち並ぶ場所)に突撃。MAKANAの迫力とかわいさに人々は魅了され、たじたじとなり、否応なしにクマの話を聞く羽目に。(隣でMが補足をしながら、19日の講演会宣伝をする)昔からクマがいて接してきた地方の方たちは、クマのことをよく知っていて、未だにお互い敬意をはらいながら共存しているということも、再確認。行政の人でも、知っている人はちゃんといるのだ。嬉しくなった。

M&Tは、10月頭から、現地の人たち、国内各地から来ている人たち、海外から来ている人たちに、一人でも多く、日本の現状を知ってもらい、熊森の活動を知ってもらい、一緒に動いてもらいたいという熱い想いの元、連日休み無く、ブース(会員ボランティアさん、ありがとう!手伝ってくださる会員さんたちがいて初めて私たち動けるので助かってます!)、広報(現地で出会った「幸せのバラ」ブースで子供店長しているMAKANAがクマ大使となって、会場の大人たちを魅了してます!)、国際会議場(お偉いさんたちの頭の固さと一刻一刻と進む世界的に酷い現状に心身共にへろへろになりそう)と、手分けをしながら精力的に動いています。宿に戻ってからは本部の仕事をして、連日午前様でもめげません。(いや、朝起きるのは辛くなってるけど。特にTあたりが危険…笑)

そんなところに、神奈川県から週末手伝いに来てくれたMの妹さんが凝りに凝った背中やぱんぱんに腫れた足のマッサージをしてくれたり(めちゃ痛くてM&Tの悲鳴が宿に響き渡る)、愛情たっぷり野菜たっぷりのお料理を作ってくれたりして、ほんとにありがたや、ありがたやです。(冷蔵庫をあけた瞬間、これはやばいと思ったらしい。Mは野菜不足・寝不足で顔中に吹き出物が…)これでまた1週間がんばるぞーー!という気力がわいてきました。

自分のためだけなら、ここまでがんばれない。ましてや、人間だけのためにこんなにがんばれない。ブースに立っていて出会う子供たちや、食べ物がないだろうに、懸命に生きている野生動物たち、綺麗な青空や、美味しい水と空気。母なる大地。大切な存在がたくさんあるから、一所懸命になれる。生きていける。私たちの命を支えてくれている沢山の存在たちへの感謝の気持ちと敬意をどんなときでも忘れず、地球に命を頂いたものとして、人として恥ずかしくない生き方をしたい。(文句はいうけど)そう思って活動してます。

COP10チーム M&Tより

(もう出発しなくてはいけないので、写真はまた追って掲載します!)

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