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2010-10-15

クマも殺さず、人もケガしないための正しいクマ対応

今年、クマによる人身事故が相次いでおり、ケガされた方にも、殺されたクマにも、本当に胸が痛みます。
テレビニュースを見ていて思うのは、人間側の誤ったクマ対応が、
クマの人身事故を引き起こしているということです。

クマは、見かけと正反対で、実は、とてもこわがりで臆病な動物です。
大変平和的な動物で、人間を襲う習性はありません。
しかし、逃げ場を失ったと感じると、逃げようとして、恐怖のあまりパニックを起こします。
このような性質を知っておれば、おのずと正しい対応は、おわかりいただけるとおもいます。

最近、建物の中に逃げ込んで殺されるクマが続出しています。
なぜ、ガラスを割ってまで、クマは建物の中に飛び込むのでしょうか。
以下は、毎日新聞からの抜粋です。
14日朝、山形県長井市の市立長井北中に侵入したツキノワグマはグラウンドから校舎に向かって走ってきた。
猟友会によると、クマは体長148センチ、体重110キロで7歳の雄。クマの生態に詳しい独立行政法人・
森林総合研究所東北支所(盛岡市)の大西尚樹主任研究員は
「クマは隠れるように行動する習性があり、グラウンドを走るのは異常。何らかの理由でパニック状態になった
クマが狭い所に隠れようと校舎に入ったのではないか」とみる。 以上。

最後、建物に閉じ込められたクマが、猟友会のみなさんの方に向かってきたのは、
猟友会の方々を襲うためではなく、
なんとしても逃げたかったからです。
3方をふさがれたクマに、他にどんな方法があったというのでしょうか。
自分がクマだったらと、
相手の立場に立って考えてみれば、わかることばかりです。

クマを見かけたら、人々は家などの中に入って、クマが立ち去るのをそっと待ってください。
海外では、そうするそうです。
驚かせると、こわがりのクマは、パニックを起こして、逃げながら人身事故を続発させていきます。

猟友会やマスコミの皆さんが、クマを追い掛け回すのは、人身事故を誘発していることです。
こわがりのクマを刺激しないこと。驚かさないこと。
人は、静かにゆっくり動いて、クマから離れること。
人間側が注意すれば、ほとんどの人身事故は防げます。

クマを殺さずにクマ問題を解決するには


わたしたちは、ドングリ運びを進めています。

クマ問題に対する行政の指導は、カキやクリの木を切ったり、
実をとったり、野菜くずを地面に埋めたりして、
徹底的にクマに食料を与えないようにということです。
餌がなければ、クマは人里に来ないといいますが、山にも餌がないのです。
これではそのうち、クマは街中まで出て行くことになるのではないでしょうか。

今年のような異常年に、クマを殺さずにクマが人里に出てこないようにするには、
ドングリの給餌をするしかないと思います。
これは、餌付けではありません。共存に成功するための分かち合いです。
クマたちが絶滅するのを止める効果的な方法です。
なぜか山の実りがまったくないという、異常が起きた年だけにすることです。
果樹園の横に置くと、クマたちが果樹園の中に入らなくなります。
協力していただける果樹園の皆さんは、ご連絡下さい。

その一方で、人間が壊しすぎた動物たちの生息地を、豊かな森に再生していく事業を、
至急開始しなければならないのはいうまでもありません。

クマたちが、餌を求めて人里に出てくると

ドラム缶型の罠が待っています。
この罠は、従来の鉄格子で作られた箱罠だと、クマが逃げようとして鉄格子をかじり、歯を全部折ってしまうので、山に放獣してやれないということから、考案されました。
クマを奥山に放獣するとことが前提の、クマにやさしい罠です。
しかし、最近は、このドラム缶型罠にクマをとって、安楽死というまやかし言葉で、行政はどんどんクマを殺しています。地元の人たちの要望だそうです。罠への誘引剤は、蜂の巣やハチミツなど、クマが100%かかるといわれているものです。
しかし、クマ保護先進県の兵庫県だけは、蜂の巣やハチミツなどを使用してはいけないことになっています。捕ろうと思っていないクマまでやってきてかかってしまうからです。

かつて、クマたちが棲んでいた森は、今・・・④

④今年の夏の異常な暑さと乾燥?

扇の山に入ると、山ブドウが至る所に見られます。クマたちの大好物です。

ヤッター!見渡す限りの山ブドウ!しかし、どれも、なぜか、まったく、実がついていません。

山は、今年、もう、どうなってしまったのか。

結論、人間がしたことや自然の異常、いろんなことが重なって、

今年の山には、動物たちの食べ物が、何もあ・り・ま・せ・ん。

かつて、クマたちが棲んでいた山は、今・・・③

③ナラ枯れ

今年夏の兵庫県和田山です。

コナラなどのナラ類のドングリが大量に枯れていました。

美しい緑色の部分は、スギの人工林です。このあたりは、今年ナラ枯れが進行したので、枯れているのがよく分かりますが、扇の山界隈は、数年前にこのような状態だったということです。今は、山は一面緑色。一見、ドングリ類が枯れてなくなっていることがわからなくなっています。

なぜ、わずかに残された広葉樹林が枯れ始めたのか。里山放置説が有力ですが、奥山の巨木の森も枯れているので、違うような気がします。カシノナガキクイムシが、木に付き出したのは、酸性雨?地球温暖化?で弱った木を片付けようとしているため?それとも・・・

かつて、クマたちが棲んでいた山は、今・・・②

②大凶作

ブナ、ミズナラ、・・・奥山の実りには、昔から豊凶がありますが、今年は、大凶作。
実りがまったくありません。
クワ、トチ・・・これらも、なぜか、まったく実っていませんでした。
例年の2割3割ではなく、さっぱりないのです。

ガードレールから、ミズナラの木を見おろす

地元の方に聞くと、今年、なぜか、クマたちの夏の食料である昆虫が、山から激減したそうです。
今年の夏の異常な猛暑のせいでしょうか。
クマたちは困ってしまい、山あいの集落の近くのカキの木の実を、まだ青いうちから食べてしまいました。(なぜか1個だけは残してありました)

カキの木の幹には、真新しいクマの爪あとがありました。これは、最近、養魚場の魚の餌を夜のうちに食べて駆除されたクマさんのもの、ということでした。
このときまでは生きていたんだ。

かつて、クマたちが棲んでいた森は、今・・・①

①拡大造林

兵庫・鳥取県境に位置する扇の山(おうぎのせん)は標高1309メートル。

兵庫県第4位の山です。かつてここは、ブナ、ミズナラ、トチなどの実のなる巨木の森で、クマたちの生息地でした。昭和になって、これらの広葉樹は次々と伐採され、トロッコで運び出されました。

上山高原のガードレールから撮った扇の山

その跡地一面に、拡大造林という国策で植えられたのが、写真のスギです。こうして、クマをはじめとする動物たちは、生息地を壊されてしまいました。

10月16日 7:25頃~ CBCラジオ 熊森が出演します!

10月16日(土) 7:25頃~ CBCラジオ(中部日本放送) 土曜ワイド 広瀬隆のラジオでいこう♪ 「みみたび~♪」のコーナーに

熊森本部スタッフが主演します!

クマが里に下りてこざるを得ない日本の荒廃した奥山の現状や、私たちにできることは何かを発信します。

中部地方の皆さま、是非聴いて下さい!

CBCラジオ(中部日本放送) 土曜ワイド 広瀬隆のラジオでいこう♪ Web http://hicbc.com/radio/hirose/index.htm

10月15日 18:15~ 毎日テレビ VOICE

10月15日 18:15~ 毎日テレビ 「VOICE」 にて

人里の出てきたクマなどの野生動物たちを殺さず共存を目指すリンゴ園や、ドングリを運んでいる熊森の活動が紹介される予定です。

関西圏にお住まいの方は是非、ご覧下さい!

毎日テレビ「VOICE」 Webサイト http://www.mbs.jp/voice/

中学校に逃げ込んだクマ

山形県支部長のブログに、中学校に逃げ込んだクマの事件を報じる地元紙の夕刊の書き込みがあります。
是非読んでください。下リンクをクリック

http://kumamori.org/news/shibuchiku/shibu/20101015yamagata-3.html/

ウェブチームより

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