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2011-05

福岡県支部 皮むき間伐

4月24日、糸島市で福岡県支部の皮むき間伐が行われました。
3反(3,000㎡)のヒノキ山林の約315本位を参加者22名で間伐。

活動様子の動画をくまもり放送局に追加しました。
くまもり放送局・福岡県支部皮むき間伐

皮むき間伐の活動の様子は福岡支部のブログをご参照ください。
福岡支部のブログ

4月17日 自然農塾② 苗床づくり

兵庫県豊岡市但東町 参加者26名

自然農塾の塾生は現在40名です。

素晴らしい青空が出迎えてくれました。

まずは地元のお宮さんに1年の無事と感謝のお祈りを・・

祝詞もしっかり会員手作りで奉納いたしました。

塾生は全員で苗床づくりの説明を受けました。

従来から参加の自然農チームは、防除柵をたてます。

ランチのあとは、楽しい自己紹介タイム。

午後の作業の始まりです。薄く表土をならします。

水選した種もみを播きます。

稲わらや草など自然なもので養生します。

周囲に掘っているのは、モグラよけの溝。最後に鳥よけの木の枝を立てて、外側は防除の柵で囲みます。


総勢26名力を合わせて、柵張りと苗床づくりを無事に終わることが出来ました。

生き物との共生を考えながら、苗を育てる方法を学んだ一日でした。

みなさま、おつかれさまでした!

次回は5月15日(日)、苗床の草取りなどをおこないます。
★現地までは車に乗り合わせて豊岡市まで向かいますが、阪神間から車を出してくださる方が足りません。可能な方は、ぜひお願いいたします。

初めての方も、ぜひご参加ください!

5月8日 本部森再生チーム③ 植樹地のネット補修+皮むき間伐

気持ちの良い晴天の中、兵庫県宍粟市にて、植樹地の手入れと皮むき間伐をおこないました。
前回4月23日に活動した場所のすぐ近くです。21名が参加。

午前中は、シカよけ用ネットの補修班と、苗木の点検班に分かれて活動しました。

補修班は、ネットの破れを補修したり(シカが噛み切ったのでしょうか)、地面との隙間をふさいでいきました。イノシシが、隙間を開けて植樹地の中に入ったようです。イノシシの糞がたくさんありました。

そういえば、ここはスギ人工林地帯の真っ只中。スギに囲まれ、この植樹地だけ光が降り注ぎ、ぽっかり空き地のようになっています。もし自分がイノシシだったら、スギ林からここまで出て来て土を掘り起こし、食べ物を探し回りたくなるだろうなあ、と思いました。
周囲を見渡すと、スギ林と少し見えるコナラなど落葉広葉樹の新緑との対比が、印象的でした。

午後は、場所を移動して、皮むき間伐を実施。
短い時間でしたが、初参加の方が多かったので、みなさんに是非皮むき間伐を広めていただきたいと願いつつ、おこないました。

(写真:鋸谷式間伐の方法で、残すスギを選んでいるところ)

久しぶりに皮むき間伐をやってみて、ずいぶんたくさんのスギの皮をむいて枯らさないといけないことに、改めて驚きました。(そうしないと林に十分な光が入らず、下草が生えてこない)
最初ここにスギを植えたときは、1ヘクタール(100m四方)あたり3000本ほども植えたのですね。この話をすると、多くの参加者の方が、驚かれていました。
ここまで大きく育ったスギを枯らすのは、スギに申し訳なく思うとともに、植えてられた地元の方に対しても心苦しいものです。しかし、山自体のことを考えると、自然の森に早く戻してあげたい。多くの参加者の方の気持ちは、このようなものだったのではないでしょうか。

昨年から本格的に取り組み始めた皮むき間伐。効果が出るのはまだこれからです。
今後は、しっかり、変化を観察し、調査していきたいと思っています。

次回の活動は5月21日(土)、皮むき間伐を豊岡市にて実施します。

★現地までは車に乗り合わせて向かいますが、阪神間から車を出してくださる方が足りません。可能な方は、ぜひお願いいたします。

多くの方のご参加を、お待ちしております!

3月27日 自然農塾① 動物(シカ・イノシシ)除け防除柵づくり

いよいよ始まった、くまもり自然農塾。1回目は11名の参加者のもと、兵庫県豊岡市但東町大河内地区にある、くまもり田んぼで、柵づくりを実施しました。

以下、参加者の方が寄せてくださった活動報告です。

「3月27日、くまもり自然農塾の今年のお米作り1回目の、現地活動に参加しました。以前にも何度か経験したが、現地手前のトンネルを出た途端、いたるところに雪が積もっており、まったく予想しなかった景色であった。

昨年は慣れない参加者たちでの防除柵つくりであったせいか、田植え早々の苗の穂を全て食べられた反省から、今年は、金属製格子柵を周囲に張り巡らせることになった。

まず、ご指導いただいている地元の方(上写真右)から取り付け方法を教わり、11名の参加者で柵作りを行った。

雪景色はきれいだが、残雪で足元が不安定な中、丈夫な鉄製支柱と柵の取り付けは結構重労働であった。

初めての参加者もかなりおられ、昼食時の自己紹介タイムでは、自然農法によるお米作りと出来たお米への期待や、それを実体験を通して確かめたい、という声が多かった。(写真:休憩所の古民家で薪ストーブの点火に挑戦)

私も3年目の自然農でのお米作りになるが、年間の作業段取りや、育てる心遣い等はまだまだ分からない。これからの日程を思い出しながら午後も柵作りを続けたが、皆さん熱心に、そしてよく一緒に協力して作業をしておられた。(写真:柵を立てる前の、雪かき作業)

鉄製柵は高さ1mだが、これではシカやイノシシが飛び越えてしまうので、次回はさらにネットを高く継ぎ足す予定にしている。

今日は、田んぼを鉄柵でほぼ囲んだところで、解散となりました。」

みなさん、おつかれさまでした。これまでよりも、ずいぶん頑丈な柵が出来つつあります。これで安心して、苗づくりができますね。柵作りは、地味ですがとても大切な作業です。ありがとうございました。

5月5日 クマ生息地で地元の研究者による勉強会を実施(兵庫県但馬)

5月5日、クマ生息地である兵庫県北部の但馬地方で、地元の熊森会員に呼びかけて集まっていただき、初のくまもり勉強会を持ちました。

午前中は、人間の手によってスギの人工林にされた暗い山を思い切って伐採し、希少動物(両生類)の棲める環境に再生した場所を、地元の研究者の方に、見せてもらいました。あちこちでタムシバの白い花が咲く山で、研究者の調査に同行し、調査方法や生息環境について学習していくなかで、知らなかったことを学んでいきました。

地元の方によると、林野庁の、拡大路網、大型林業機械導入の「森林・林業再生プラン」が国会を通ったためか、今、地元では、山の中に作業道がどんどんと造られていっているということでした。なぜ道を造るかというと、道を造らなければ、大型林業機械を導入しても機械のアームが届かないからだそうです。
しかし、その新たに造った道を使って、山の動物たちがどんどん人里に移動できるようになり、獣害がいっそう増加。それにつれ有害駆除もいっそう増えるだろうと、地元の方が言われていました。獣害が起きる原因はすべて人間が造っており、殺されるのは動物の方ということです。

午後からは、地元の施設を借りて、座学です。
座学では、先生がたくさんの希少動植物をスライドで紹介しながら、「(この動・植物は)この但馬地域にしかいないんですよ。」と繰り返し強調して説明されました。但馬地方には、多様な動植物が生息するのに必要なすばらしい自然環境があったことを学んでいきました。このすばらしい自然を残すため、先生は、熊森同様、深山奥山のゾーニングをさかんに訴えておられました。但馬中を何十年も歩き続けて来られた先生にしか語れないすばらしくかつ膨大な講義内容でした。詳しくは、会報などで、今後、会員の皆さんにお伝えしていく予定です。

熊森は、豊かな自然環境を守ってまもっていくためには、地元の方々の生活を理解し、人間と動植物がどのように共存できるかについて、地元の方々と一緒に考えることが大切だと考えています。今後もクマ生息地の会員の方々の集まりを企画し、このような「野外+座学」の勉強会を設けて、非会員の方も含め、たくさんの方々のご意見をお伺いしながら奥山保全・再生活動を進めていきます。

5月5日 人工林率61%の町で、初のクマ生息地会員のつどい (兵庫県但馬)

熊森が1997年の設立時に考えたことは、「工業立国一辺倒・第一次産業軽視の今の国策を方向転換しなければ、この国は森を荒らし野生鳥獣を滅ぼし湧水を失い、亡びる。国策の方向転換を図るためには、★日本に国を動かせるような完全民間の大自然保護団体を育てねばならない。そのために、戦略として、以下の二つをとる」でした。

①徹底した現場主義で、地元に通い続ける。
②最初、本部事務所は人口の多い都市部に置き、まず都市市民から賛同者を多く得て、地元支援ができるようなしっかりとした会の人的財政的基盤を築く。

わたしたちスタッフが寝食を惜しんでくまもり活動に人生をささげてきた結果、ありがたいことに、多くの都市市民の賛同を得ることができ、14年間で、上の目標は達成されました。(一口に14年間と言っても、大変な年月です)

いよいよこれからは、地元会員のみなさんの賛同者を増やし、「クマの棲む豊かな森を次世代へ」残すための、地元の方々による地元活動の活性化を図る時がきました。そこで、この度、熊森としては、初の地元会員のつどいを、兵庫県のクマ生息地で持ちました。

会員でない方も何名か参加して下さり、総勢22名のつどいとなりました。最初、自己紹介をしあいました。会員でない方から、
「熊森って、都会の暇人のお楽しみ会じゃないのか」
とか、
「クマ、サル、シカ、イノシシ、わたしたちとしては、みんないらない」
という本音の声が出されました。本音を出せる雰囲気を作ることはとても大切です。何を言われても、決して怒らず、にこにこしている熊森スタッフたち。私たちは、ずっと14年間、こうやって活動してきました。

この日、自然の研究をされている地元の先生に、勉強会をしていただきました。(別項)

会の最後に、森山会長が、
「地元のみなさんは、増大する鳥獣被害を受けておられるので、鳥獣なんていなかったらいいのにと思われるのも無理ありません。しかし、そもそも、どうして近年、こんなに山から鳥獣が出てくるようになったのかというそもそも論が大切です。
そもそも、彼らの生息地であった奥山を、人間が戦後、スギの人工林にして放置し、彼らのえさ場を壊したから、かれらは生きられなくなって山から出てきているのです。
動物が棲めなくなったこれらの山は、災害を起こしやすく、人間にも山崩れや水害などの、しっぺ返しが来ます。第一、農家の方は、農業用水あっての農業です。農業用水を湧き出させる保水力豊かな森は、クマ、サル、シカ、イノシシが造っています。かれらを敵とせずに、もう一度この国で共存する方法を考えませんか。
都市市民は、同じく生きとし生ける動物としての倫理観から、また、都市の水源確保のためにも、そして、地元の方々を災害から守るためにも、奥山を広葉樹の自然林に再生することに協力したいのです」と、あいさつしました。

帰り際、参加者のおひとりが、「どうも自分たちは、熊森を誤解していたようだ」とつぶやかれていました。
会が終わってから、地元の議員さんが、「地元の全こどもたちに、熊森を広めたい。どんな協力も惜しみません」と言ってくださいました。地元の会員さんは、「何をしたらいいか教えてくれたら動きますから」と言ってくださいました。

地元会員のつどいはまだこれが1回目。前途は多難でしょう。しかし、15年目の熊森は、全ての生き物と全ての人間のため、クマ生息地会員の方々にも動いて頂いて、何があっても奥山保全・再生を進めていく決意です。

5月1日第14回くまもり全国総会 ①満席御礼260名

5月1日、第14回くまもり全国総会が、260名満席参加のもと、尼崎市のホテルで開催されました。熊森本部では、震災の影響による参加者減を心配しておりましたが、ふたを開けてみると昨年よりさらに多くの参加希望者があり、満席到達日以降は参加申し込みをお断りしなければならないといううれしい悲鳴となりました。
参加くださったみなさん、応募くださったみなさん、本当にありがとうございました。
くまもりの全国総会は、企業などの総会と違い、仕事や生活とくまもり活動を両立させねばならないという厳しい環境の中で、野生鳥獣保護や奥山保全・再生活動に汗まみれ泥まみれでがんばってきたなかまたちが、1年間のお互いの健闘を讃えあい、今年度の活動への勇気と希望を得るものです。

上の写真は、
「原発推進や拡大造林、野生鳥獣の個体数調整など、国策には多額の予算が付く。すると、利権を狙って産・官・学が集まり、自分たちに都合のいい情報をねつ造し、彼らに支えられている大手メディアが国民に真実を伝えなくなるという現実がある。100%市民出資のメディアや研究所を立ち上げなくては、市民は真実を知ることができない」
など、福島原発の事故にからめて、市民社会への移行を熱く訴えている森山会長です。

今年は、本部中心スタッフ12名の座席を舞台下左右に6名分ずつ設置し、参加者のみなさんに、責任を持って活動しているくまもりリーダーたちの顔見せを終始行いました。このため、本部中心スタッフも、くまもり総会を大いに楽しんでくださっている参加者のみなさんのお顔がずっと見れて、よかったです。

ある参加者の方が、お帰りの際、「品位ある総会に満足しました。これからもくまもりを応援しようと思います」と言いに来てくださいました。これが参加されたほとんどのみなさんの感想だったと思います。
会員の皆さんに喜んでいただこうと睡眠時間を削って企画・準備してきた若いくまもりスタッフたちの顔がほころびました。

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