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2012-05-11

福島警戒区域で進む殺処分 被曝のら牛あと600頭の救命に立ち上がった人たち  


この6頭の福島警戒区域内ののら牛たちは、餌のない冬を自力で乗り切って子牛を出産までした2ファミリーではないでしょうか。少し前、あと1000頭といわれていた被曝野良牛ですが、罠かけによる殺処分が進んで、残り600頭になっているということです。

昨年の東北震災と福島第一原発事故のおり、行政は被災した犬猫などペットを殺処分の対象とせず、保護できるものは保護されました。本当によくやってくださったと思います。

しかし、家畜は、どんどん殺処分されています。この土地は、放射線量が高すぎてもう人が住めないのですから、野生牛がいてもいいと思います。1年の間に牛たちが大きくなって、たてごや鼻輪が顔に食い込んで顔が腐り始め、苦しんでいると聞きます。こういうものをとりはずしてやって野生にするか、牛を終生保護飼育したいという元畜産家の方々もおられるのですから、そういう方々を支援して飼っていただくかして、何とか命を救ってやれないものでしょうか。

ある福島の元畜産家は、牛はすばらしいペットになりうる。また、このままでは警戒区域内の田畑が草でいっぱいになって荒れていくが、牛を放しておけばきれいに食べてくれる。牛の姿を通して、いつ人間が帰れるかわかるようになるなどとして、被曝のら牛の殺処分に反対しておられます。

今、国がしているように、放射能汚染された土地からすべての生き物を消し去れば、放射能被ばくが生物に与える影響が分からなくなってしまいます。牛を放っておくことは、人間への影響を考える上でも貴重なデータを提供してくれるはずです。
 
たとえ相手が動物であっても、殺さなくてもすむ命を殺さないということは、人間として最低限守るべき倫理です。救命に立ち上がっておられる方々を少しでも支援させていただきたいと思います。

続報 八幡平クマ牧場に取り残された29頭のクマ⑤

5月7日現在、給餌や飼育が無事行われていることを確認しました。食料は1日おきながら、これまで通り病院からの残飯が無料でいただけています。病気かと思われる1頭を除いて、クマたちは元気そうだということです。当協会は今回の事件後、クマたちの食料を心配して、他のクマ牧場に教わってすぐにトウモロコシ粉200キロを送りましたが、ここのクマたちは食べ慣れていないようで、むせていたそうです。ドッグフードはよく食べるということですが、今のところ、食料支援の必要はないようです。

今後のことですが、これだけの数のクマたちを引き受けるだけの余裕がある施設は考えられません。今の施設で、行政や全国の保護団体や保護を望む人たちみんなに入っていただいて、第3セクターで終生飼育をめざすしかないと思います。生き物を飼った責任、飼育許可を出した責任、大人たちが自分のしたことに責任を持つ姿を見せれば、子供たちに対するその教育効果は計り知れなく大きいものとなります。文部科学省がこのプロジェクトに支援金を出してもいいくらいです。

5月10日、新たに獣舎の奥に子グマ2頭が見つかったということで、八幡平クマ牧場に残されたクマたちは、29頭となりました。譲渡先が見つからないということで、経営者の方が殺処分を考えざるを得ないと言い出されているという報道がありました。最も大切にされなければならないのは、命です。大人たちの面子をかけて、絶対にそちらの方向にはいかないようにしてください。すべての関係者にお願いしたいと思います。

4月23日 被曝牛の終生飼育に取り組む「希望の牧場」を訪問 (福島県浪江町)

昨年、「くまもり東北応援基金」を送らせていただいた「希望の牧場」を、訪問しました。この日は強風。線量はかなり高く、若い人には高性能のマスク装着が必要です。タンクにペンキで書かれた「3・12浪江町無念」の文字が、胸に突き刺さります。しかし、まだこの時は、無念の一部しか私たちには分かっていませんでした。

各地から無料で送られてきた牛用飼料が山積みにされていました。現在、飼料は足りているということで、ほっとしました。ここの300頭の牛たちには、食べきれないほどのエサが与えられていました。

被曝牛の決死救命にただひとり立ち上がった希望の牧場吉沢正巳場長に、インタビュー。無念の意味がどんどんわかってきて、胸が痛くなりました。それにしても、この方はすごい人です。会員のみなさんには、インタビューの内容を会報でお伝えしたいと思います。

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