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2012-05-27

ひともクマも放っておけない 八幡平クマ牧場を熊森本部が急遽訪問 5月21日⑥

クマは、広大な山野を駆け巡って初めて生を全うできる動物です。そのため、クマは、人間が飼えるような動物ではありません。人間がクマを飼うことを許されるのは、クマを保護するためにやむをえなかったときだけです。戯れに、又は、お金儲けの為にクマを飼うことを、当協会は認めておりません。飼えば、必ずクマが不幸になるからです。

当協会は、野生グマの保護活動や奥山保全・再生活動に全力を挙げて取り組んでおり、連日手がいっぱいです。八幡平クマ牧場に取り残されている29頭のクマたちのことは、心配でずっと気になっていましたが、残念ながら食料援助を少しするぐらいしか余力がありません。事件後直ちにトウモロコシ粉を200キロ送ったものの、餌は足りていると言われたので、それきりになっていました。秋田県庁やNPO法人が関わってくださっているということで、何とか助けてやってもらえるようにと祈るような気持でいました。

飼育員が亡くなられたあと経営者と県庁職員が飼育作業に入っているが、少人数であり作業が大変だということを聞いて、秋田県と岩手県の熊森会員のみなさんに、どなたかボランティで飼育補助に駆け付けてあげていただけませんかと連絡をしたところ、ある会員の方から、「行ってきましょうか。ただし、雪の具合はどうかきいてもらえませんか」という電話が入りました。

初めて牧場経営者に電話をしたところ、長話になりました。この方は、平成20年から八幡平クマ牧場の第4代目経営者となられたそうです。当時破たんした八幡平クマ牧場を親子4人で見に行って、クマってかわいいなと、家族一同、クマたちにほろっとしてしまったのだそうです。他に本業があるので、残されたクマたちを助けてやろうと思われたそうです。しかし、クマ牧場の経営は、昭和62年開設当時のクマで大儲けできた頃とは世の中が変わってしまっており、本業からの収入を注ぎ込んでも注ぎ込んでも赤字が膨らむ一方。完全に破たんして、追い詰められ、閉園を宣言したところに、今回の事件。

いつの世でもそうですが、こういう時、高見の見物を楽しんでいるだけの心ない人々からの誹謗中傷が追い打ちをかけます。熊森も、何度もそのような悲しい経験をしたことがあるので、身につまされました。経営者の方は気丈に話されてはいましたが、クマたちを貰ってくれる所は全く見つかっておらず、本業と29頭のクマの世話との2足のわらじもあって、参ってしまっておられるのが伝わってきました。

ひともクマも放っておけない。

「熊森本部がまず、急遽秋田に行きます」というと、「来てくれるのか。うれしいよ」経営者の方が、電話の向こうで笑顔になられたのが感じられました。東電だって、銀行だって、破たんしたら国から助けが入る。それが人間社会じゃないか。面倒を見てくれるクマ牧場を探して、1頭でも多く保護してもらって、どうしても残ったら八幡平で終生保護飼育するしかないだろう。熊森に何ができるだろうか。まず行ってみよう。クマ29頭だなんて、とてつもなく大変な問題だけれど、相手はクマなんだから、やはり熊森が動かなくてどうする。取るものもとりあえず、5月21日早朝、本部からの2名が、神戸空港から秋田に向かいました。(続く)

自然エネルギー推進も自然破壊につながるという指摘

武田邦彦氏の書かれた「もうだまされない!身近な科学50のウソ」PHP文庫には、日本では、自然エネルギーへの転換もまた、環境破壊を進めることになると書かれています。化石燃料である石油を掘り起こすことは、地球を傷つけることです。原発もダメ、化石燃料もダメ、自然エネルギーもダメ。いったい何から電気を得ればいいのか。戦前までの、薪、炭の生活に戻るしかないのでしょうか。

どちらにしても、解決策は、現在の便利すぎるエネルギー大量消費生活を抑制し、地球人口を平和的に適正規模に落としていくことしかないでしょう。

<自然エネルギーへの転換が環境破壊を引き起こすという武田氏の指摘>

自然エネルギーを使う=地熱以外は、太陽エネルギーを使うこと

太陽電池・・・佐世保市でのシュミレーションによると、佐世保市の使用電力の8%を太陽光発電で賄おうとすると、市周辺の動植物のほとんどが死滅する。(理由)日光が当たらなくなるから。兵庫県豊岡市では、山に巨大な太陽光発電を設置するという計画があるようですが、太陽電池の下は、日光が遮られ草木も枯れます。山崩れの災害発生を助長するのではないでしょうか。太陽光発電は、人家の屋根だけという小さな面積に留めておくべきでしょう。

水力発電・・・ダムが国を滅ぼす。ダムの弊害。魚の死滅。

バイオマス発電・・・トウモロコシなどの食料からエタノールをつくるなど、食料をエネルギーに回すので、食料不足を招くうえ、効率がとても悪い。

風力発電・・・風車によって風の力を弱めることになるので、周辺の地面がじめじめし始め、植物の成長も悪くなる。風は無駄に吹いているわけではなく、風が大地に当たることによって、動植物や地球環境が保たれている。

ちなみに、スウェーデンのように人口密度の極端に小さな国では、自然エネルギーだけでまかなうことは可能。他に自然がたくさん残されているので、大した自然破壊にはならないそうです。

疑わしい、関電の夏の電力不足 

マスメディアはこのところ、関西電力の今夏の電力不足予測発表を、関電発表として一方的に報道しています。しかし、我が家には、昨年の3・11以降、関電から3回も、ガスぶろを電気に変換するとお得ですという強力なお誘いの電話がかかってきています。全家庭に電話してオール電化を進めているのでしょうか。

本当に電力が不足しているのなら、この時期にこのような勧誘は、不謹慎ではないでしょうか。関電は、自ら電力が足りない状況を作り出して、大飯原発再稼働をもくろんでいると疑われても仕方がない行為だと思います。

関電の電力が不足というのは嘘だと断言している専門家たちもいます。ある日の数時間が危ないだけだと言っている専門家もいます。なぜ、マスメディアは、以前のように、反対意見がある時は、それも横に並べて報道してくださらなくなったのでしょうか。今のような、政府発表、企業発表だけの一方的な報道では、「原発再稼働やむをえなし」と洗脳されそうで、テレビも新聞も見たくなくなります。

日本国民は、戦時中、「欲しがりません、勝つまでは」と、倹約生活に耐えに耐えた国民です。夏のしかも、ある日の昼間だけ電力が足りないのなら、一斉にテレビを消すなど、いくらでも節電に協力できる国民です。お知りおきください。

「鳥獣被害防止特措法」(農水省平成19年)の改正(平成24年)に伴う「基本的な指針の改正案」(パブリックコメント終了)は、鳥獣捕殺推進一辺倒。ああ、人間がますますダメになっていく。

平成20年施行「鳥獣被害防止特措法」(農水省)は、以下の3つのことがらを進めるために作られた法律で、多額の国家予算がつけられました。
①野生鳥獣の有害捕殺促進
②野生鳥獣による農作物被害防除推進
③野生鳥獣の生息地復元 (当協会の強い要望と必死の運動で入れられた一項)

しかし、③野生鳥獣の生息地復元については、施行以来4年間、予算措置は毎年ゼロ!。何もなされなかったのです。これでは、法文条項の存在に意味もなく、国民に対する詐欺です。

にもかかわらず、自民党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟(会長 武部勤元幹事長)が中心になって、さらなる鳥獣捕殺推進への暴走を促す法案を、昨年、国会に提出しました。

<自民党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟とは>

(議連主旨) わが国は、シカ、イノシシ等による農林業や生態系への甚大な被害、クマによる生活環境への恐怖などが、全国各地で深刻な社会問題となっている。自然を守りつつ各種被害の防止や地域の安全安心を確保するため、根本的な解決方法として、捕獲による個体数調整が重要である。猟友会の育成と鳥獣の保護管理が適正に運営できるような法整備に取り組む。

鳥獣捕獲緊急対策議員連盟
顧問 伊吹文明・大島理森・二階俊博・山東昭子
会長 武部勤
副会長 小坂憲次・河村建夫・森英介
幹事長 林幹雄
副幹事長 谷公一
常任幹事 岸田文雄・高市早苗・遠藤利明・浜田靖一・塩谷立・脇雅史・吉田博美
事務局長 鶴補庸介

この議連が元になって国会に提出された自民党案の内容は、鳥獣捕殺をさらに促進するための過激な内容で、さすがに警察などからも反対意見が強く出され、最終的には自ら撤回され、有害捕殺鳥獣の食肉化推進など、一部意を汲んだ形で、「鳥獣被害防止特措法」の平成24年改正が国会で成立しました。(2012、3、30当協会ブログ参照)

今回はそれに伴う「基本指針な指針」の改正で、当然のことながら、野生鳥獣の生息地の復元など一切考えず、鳥獣捕殺をさらに促進する内容です。野生鳥獣から見れば、人間はますます悪魔になっていく一方でしょう。

農水省が5月24日締切でパブリックコメント(パブコメ)を募集しておりましたが、パブコメに応募することすら馬鹿馬鹿しく感じられたことと、多忙過ぎたために、みなさまにはパブコメ募集のお知らせをしておりませんでした。熊森本部からのパブコメは、一応、農水省担当部署に送付しました。

<なぜ、パブリックコメントへの応募が、馬鹿馬鹿しいと感じたか>

日本の行政は絶えず担当者が変わるからでしょうか。このたび、パブコメ担当者に問い合わせの電話をしましたが、担当者は法文の内容を把握することすらされておりませんでした。

このようなところに、国民が大変な思いをして法文を読んでパブコメを提出したところで、「今後のご参考にさせていただきます」という返事が返って来るだけでしょう。もしかしたら、パブコメを読むことすらなされないのではないかと感じました。「一体、あなた方は何のためにパブコメを募集しようと思われたのですか」と、思わず担当者に尋ねてしまいました。黙っておられましたが、おそらく、「パブコメをとりました」と言うためだけでしょう。

日本のパブコメは、至る所でこのように形骸化されてしまっています。パブコメで多くの国民から同様の意見が出ても、まず採用されることはないというのが実態です。こちらのほうを、大問題にしていくべきだと思います。

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